審:(パスポートを1ページずつ見ていって)
「カナダ初めて?何日居るの?」 私:「ええ、初めて。3日だけ。」 審:(眉をひそめて) 「えー、なんで3日しか滞在しないの?」 私:(早く終えたいから、ぶっきらぼうに)「出張だから。忙しいの。」 審:「どんな仕事?」 私:(もういいでしょ、と目で訴ながら)「〜な仕事。 Canadaで会うのは1件だけだし。」 審:「…そう。週末過ごすのに、いい場所 だと思うよ」 私:(思わず苦笑して)「暖かければ、でしょう?」 審:「そうだね。でも今年は暖かいよ。 じゃあ、つぎは春においでよ〜。秋は混むしさ。」 私:(たぶんあきれ顔で)「次回のご招待ありがとう。」 immigrationで5分以上かかったのは初めて。 ◇写真:Westin Harbor Castleから、Ontario湖の朝。島への渡し船が残す波形が絵になる。 |
仕事のあとは、私よりも大変な目に遭いながらたどりついた後輩と乾杯して、 ギリシア料理を楽しんで早めに眠る。活気がなかったのは、選挙の 夜だったから?英国風の洒落たToronto大学キャンパスは、本郷を 思い出させてくれたし、仕事で会った相手のフレンドリーな態度にも 救われて、もう1度この国に来てみようかと思った。
成田の出発階に着くと、なぜか身動きが取れない。テレビで見る
毎年の風物詩、ゴールデンウィークの出発ラッシュのような光景が
広がっていた。欠航した前日便を翌日飛ばすから、まあ混むよね、
とまずは鷹揚に思おうとしたんだけど、なんか殺気立ってる。
遅延とか欠航という文字が並んでるボードを見て、そうか、玉突きで
遅延が拡散してるのだとわかった。なーんだ、余裕持って来たときに
限ってその必要はないってマーフィーの法則?
でも、そんなもんじゃあ、なかった。チェックインができない (受け付けられていない)。つまり、出発が確約されていない。 それって、遅延じゃない。だから、出発階にあふれているのは、 行列ではなくて、どうしようもなく待ちぼうけを食っている 人たちというわけだった。座る場所もないロビーで スーツケース抱えて、文字通り立ち往生。そりゃ殺気立つって。 ◇写真(3枚とも):機内から。(夕焼け、Vancouver上空、Toronto夜景) |
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NH1892便はCA02便とのコードシェアなので、Air Canadaのカウンターに行く。
まだ前日便のチェックイン中で、2時間遅れという表示。とりあえず
あと2時間はチェックインできないと。出国審査前だと、ホントに
居場所は限られる。航空ラウンジが使えないのは予想外なので、
カードラウンジに行くと…行列が。考えることは、みんな同じか。
10分並んで、それでも座れたので幸運だね。じっと本読む2時間。
はじめてゴールドカードの価値を見いだした(^^ゞ
JALを中心に次々と北米行きの欠航が決まって怒声が飛び交う中、
Air Canadaは前日便とあわせた4便全てが飛ぶとのこと。やったね♪
囲い込まれてたJALの呪縛を破って、スタアラに魂を売った甲斐が
あったってトコ?なんちゃってPlatinumなのに申し訳ないけど、
行列をすっとばしてチェックイン★ | ||
肉だらけと思われる北米を前に、飲食券でお寿司を食べてビール飲んで、
だいぶ機嫌をなおして出国審査を通る。なんせみんなチェックインできない
わけだから、審査場はすごく空いててサクッと終了。
が、後半戦が待っていた。前日便が出ない。
前日便が出ないと今日の便がスポットに入れない。
出ない理由は、現れない乗客がいるから。置いていっちゃえ〜!
と思うのに30分経過…1時間経過…おぃ。現れたら今日便に乗せれば
いいだけでしょ!と、苦情を言うわたくし。客に指示されないでよ。。。。
もちろんスポットインしてから準備に1時間かかるわけで、結局 4時間遅れで大混乱の成田を離陸した。それでも欠航で夜を明かした 1万人の人を思えば、幸せな結末だったのだろう。 マニュアルに書いてない場合に対応力が低すぎるのが、今回の 病巣かな。ま、サービス業共通の問題点だけど。 コンティンジェンシープランを作らない上層部、想像力が欠如して マニュアル外対応ができない現場スタッフ。 でも、今はそんな怒りよりも睡魔が勝って寝こける。狭くて寒くて 何度も目が醒めたけど(A330-400のせい?)。 |
Canadaは初めてで、それが↑こんな混乱で幕を開けると 思わず控えめの評価になってしまう。Toronto着が15時だから、 CN towerでも登ろうかなあと思ってたけど、それが21時着に なってしまったから、もう機内からの夜景で充分で、それより早く ふわふわの、なにより平らなベッドで眠りたい!って心境になっていた。
と準備万端、余裕たっぷり出かけた成田でしたが、大混乱状態で… 続報はまたあとで。(Toronto Westin Harbor CastleでOntario湖を 眺めながら)
で、寝る前から、ちらちら舞っていた結晶が、起きたら積もりに 積もっていた。…起きたの午後ですが。楽しみにしてた(?) 飲み会はあっさり延期になって、出張準備に専念。
もっと飲みながら話し続けようと、突風に傘で逆らいながら、 「 Mr. Zoogunzoo」に。青学よりも渋谷寄りにあるから、お店には 「奥青山」なんて地名を書いてある。オーストラリアのワインが たくさん並ぶ階段を下りると、洞窟のような入口が待ってた。 インドネシアのインテリアが並ぶ店内は、異色のワインバー。 ワインバーだけど、NZの牡蠣をプロシュートハムで巻いた一品が あったりするシンプルなレストランでもある。あ、牡蠣は絶品で、 おかわり考えたくらい。Sauvignon Blancともよく合っていた。 ホールを一人で切り盛りする彼は、豊富な知識と洗練された 身のこなしで、居心地のよさを演出してる。だから、4時間近く 座ってたなんて気がつきもしなかった。そんなわけで、ご機嫌で タクシー帰り。また来よう。いい店を見つけて幸せ。
※今日読み終えた小説 : 江國香織「号泣する準備はできていた」
「自由とは、それ以上失うもののない孤独な状態のことだ」
(江國香織「手」(「号泣する準備はできていた」収録)より)
江國香織の描くモチーフは、それほど多くはない。純粋に心から
愛していた過去の恋を追憶する、その純愛の破綻が迷路の扉を開ける、
そんな話が多い。読むと、ときに胸の下あたりをギュッとしめつける
そんないたたまれなさを、私にもたらす。でもそれは同時に、
それでも自分が踏みとどまる「絶対防衛ライン」を再確認する
ことでもある。私はまだ、ここから先には行かない、と。
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