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レベルE(週刊少年ジャンプ)(連載終了)


作者 : 冨樫 義博


幽☆遊☆白書が人気のうちに終了した後、チャージ期間をおいて登場した 当時の週刊少年ジャンプ唯一の月1連載。キャラクターのグラフィックはシリアス系 になったが、そのストーリーはギャグをそこらじゅうに叩き込んだ作りで、 パワーは以前より増しているような気がする。



レベルE総論

レベルEが終わってしまった。人気はあったと思うのに残念である。 シリアスなストーリー、きれいな絵で笑いを誘うこの漫画はとてもよかったと 思う。
基本的にショートストーリー形式なので主人公は毎回違うわけだが、 ほとんどの回で根幹に存在するバカ王子がそれに当たるのでしょう。それに対 し他のメインキャラの双璧である筒井君達と小学生5人組は、バカ王子の被害 者としてそれぞれキャラがよくできていたと思う。10年後の小学生5人組も 見てみたかった気がするが、最後に今も戦っているだろうクラフト氏に「ご愁 傷様」と言いたい。

・・・・・ 論評内のページ数は単行本のものです ・・・・・

No.016「Honeymoon・・・!」

なんと最終回、いきなりだな、話はものすごくシリアスだし。
サゾドマ虫はサドとマゾを混ぜて作った名前でしょう、これは簡単かな? バカ王子は10年経っても同じ顔である。タモリも元気そう(P220)だから いい時代なんでしょう。

No.015「Full moon・・・!」

バカ王子の結婚話。メインストーリーとしては、サイコな振りをしたお姫様に 王子が初めてしてやられるという話で、最後のどんでん返しでニヤリとできる
個人的にこの話で見逃したくないのは、まず王子の本名が「バカ=キ=エル・ ドグラ」(P157)であるため、「バカ王子」とは本名であったという事。また、P155 で王様=直訳の歌というさりげない洒落をかましている事、そしてP169での筒井君 のセリフから、如月高校は甲子園出場を果たしていたというところなどである。

No.014「Boy meets girl」

かなりシリアスな話。かわいそうなツインテール・マーメイドさんは幸せにな れそうでよかったよかった。
あまりポイントとして挙げられる点はないが、黛くんのキャラができてきて個 人的に好きな事、また赤川くんは本当に何するかわかんなさそうであり(P133)、 やはり攻撃はへっぴり腰(P144)である事は感じられる。

No.013「Escape from!!」

No.012の続き、決勝戦に間に合ってハッピーエンドである。とりあえず 超能力者は誰だったのかを考えるのが本道と思われる。
ここでのポイントは、クラフト氏がとてもいい人だと言う事(つかの間の祝杯 をあげるべし)、P109の王子のユニホームのマークは変と言う事、最後の王子の 球場への攻撃は4時過ぎ(試合は終わっているだろう時間)であるので以外と律義 であるという事である。

No.012「Field of dreams!」

久しぶりに筒井君が登場する話。レギュラーを獲得しているのはすごいが、 やっぱりチンピラ扱いで定着している。メインストーリーは超能力(ポルターガイ スト)をからめて進行するが、次回に続く最後のシーンで王子を登場させたため 、ギャグの予感。
細かいポイントとしては、キャプテン岩田(硝子屋)はライト(P47でわざわざ 図示している)であり、守備はヘッポコであろうということ、P55でクラフト氏 が読んでいる新聞に「O157 1万人」などと時事ネタを小さく記入している事が挙 げられる。

No.011「Love me tender」

マクバク王女のお話の完結。晴れて重犯罪者の仲間入りをしたクラフト は、これから心の重荷を背負って生きていくのだろう。
この回のポイントは、タイトルが「ハチ」でそんまんま蜂の絵を飾るホテルなど あるのだろうかということ(P9)、コリンの着ている四面楚歌ジャケット(P31)は ものすごいデザインだということ、バカ王子は悪魔の申し子なのに日輪をバック にして神をイメージしているということ(P40)ぐらいだろうか。

No.010「You're my darling!」

マクバク王女登場の話。王女に選ばれた異種間結婚の相手の種族は ウイルスで絶滅するとは、なかなかすごい設定である。しかも相手の選び方が ビンゴ(一目ぼれ)というのも面白い。
注目すべきポイントは、まずコリンはまだ若いということ(P160)、もめている 幹久さんたちに聞き耳を立てているコリンの耳は大きく、さらにその後の言動も なにか実体験に基づいているかのようだということ(P169-P171)、「ベッタベタ です」と言っているサドは背景を含めてオッケーだということ(P181)である。

No.009「Game Over・・・!?」

4回目にしてストーリーの完結、予測とかなり離れる大どんでん返し を用いるあたりはこの漫画らしい点である。結局このストーリーではバカ王子 のイっちゃってるぶりを再確認させられたと思う。
今回挙げておきたい点は、ルチ将軍の居城は「ル」という旗を立てているとい うこと(なんてベタな)、ルチ将軍が勉強に用いる本が「明るい男女交際」、 「縛り方百選」はいいとして、「月刊後悔」とはなんだろうということ(月一 で発売してるのか?)、魔王軍がバカ王子をスキャンした時(P133)に輝いてる ということ、バカ王子はやっぱり日記を詳細に書いて内情がばれているということ (P141、No.003も参照)などである。

No.008「The crying game」

さらに前回の続き。RPGツクールの世界を舞台に、バカ王子を交えて 話が進行して行くが、これはもう作者の趣味によるところが大きい
この回では、赤川君は時間の例えかたが一般的でないこと(P89)、アパレル姫(バカ 王子)の背景イメージは「ハエとり草」だということ、王子は天然系の芸人である こと(P102,P104)、糸井理奈はただの病欠であったという隠れたオチがあるという こと(P113)などは注意しておきたい。

No.007「Dancing in the trap!!」

前回の続き、クラフト達も登場。ストーリーの中では5人組とクラフト とのやり取りが、いかにもこの漫画らしくて良い。あと、RPGツクールという展開は かなり趣味が入っていると思う
この回のポイントは、赤川君は切れた表情が良く似合うこと(P49,P54,P73)、暗号が 好きな女の子の名前(P61)ということより、バカ王子がこの手の話が本当に好きだ ということ(第1回のオチも参照)。清水と横田は全日本喧嘩選手権小学生の部の選手 (P65)だということ、サービスで筒井君と美歩ちゃんが出ているということ(P67)など である。

No.006「Here come Color ranger!!」

小学生5人組初登場、王子のパワーが炸裂する回。最初からバカ王子は 角とサングラスでイっちゃっている。とりあえずこの5人組も立花先生もみんな いいキャラ出してると思う。
この回のポイントを挙げるとすれば、P26でバカ王子が言っているファンタジック な色「はいあかむらさき」は25色クレヨンの25色めというマイナーな存在である ということ、さらに同ページで赤川君がへっぴり腰を初披露しているということ、 エンドレスで武田鉄矢の歌(P34)は聞きたくないということ、レベルアップの時に 自分の声で伝えるとは本当に王子はヒマなのだろうということぐらいである。

No.005「Crime of nature・・・!」

前回の続き。A組の山本君一家は非常にかわいそうな存在である。 この回もラストの2ページが無ければ完全なシリアスストーリーであり、 あぁ話が終わったと思ってページをめくって、バカ王子の顔を見た時は 「やられた」という感じである。
最後のオチでバカ王子が言う「小学生5人の地球戦隊」がまさか次回に登場 することになろうとは、この時点では予想できなかった。

No.004「From the darkness」

新ストーリーとなったこの回、物語はシリアスに進んでいく。序盤でD組の 安田さんが食われてしまった時は「うわぁ」と思ってしまった。結局、相手は宇宙人 であるということが分かっただけで、物語は次回に持ちこされる。
作者は完全シリアス路線に変更したのかと感じる回である。

No.003「Risky game!」

前回までの話(言うならばディスクン星人編orバカ王子登場編)の完結。 すべてがバカ王子のたくらみであったという話の展開は、全くの予想外で驚かされた。
P120〜P122のクラフト氏を見ていれば、この時期に作者がVFにはまっていたで あろうことが容易に推測される。ここのパイになっているクラフト氏はとても面白い。 その他としては、P132のクラフト氏の視点が合ってないこと(よほどショックだった のだろう)、「△×◎△」の意味はぜひ聞きたいということなどが挙げられる。

No.002「Run after the man!」

この回で、バカ王子がドグラ星の王子であることが発覚する。本筋は、 王子がディスクン星人を殴り倒してやばい展開になる、と言うものである。
この回のポイントは、まずタイトルページの筒井君の顔が面白いこと、筒井=チンピラ という構図ができ上がったこと、P85でクラフト氏の「奴は必ずその少し斜め上を 行く!!」というセリフは結構名言だと思うこと、P87,P88に出てくる後ろ姿の ウエイトレスは、体を張っていると言うことぐらいだろうか。

No.001「An alien on the planet」

記念すべき第一回、初っ端から王子のボケと筒井君のツッコミが成立 している。(ただしこの時点では王子ではなく記憶喪失のふざけた宇宙人である) P26〜P27における王子の一人芝居は非常にOKである。
最後でもボケツッコミの応酬だが、「好きな娘とかいる?」と聞く王子は まるで修学旅行の中学生である。

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