入国税・出国税の謎

 中南米を旅したときに気になることがあった。国境越えでの入国税、出国税についてである。 この不可思議で曖昧な税金について記述したいと思う。

 中南米を陸路で旅された方も経験してるだろう。
「なんでここで出国税なんだろう」と。
ある国境での事。出国する際に窓口に並んでいたのだが、俺の番になったら
「君はちょっと待て」
と脇に待たされ、人がいなくなったときに呼ばれた。
「出国税がいる」
とのこと。俺はそれまで窓口のそばで人の流れを見ていたが、金を払っている奴なんてひとりもいなかった。

 こういう場合、払う必要はない。相手がしつこかったら領収書をくれといおう。 もしくは俺が成功した例では
「現金をもってない、T/Cだけだ」
と言えば、あきらめた。もちろん、現金はそこからの交通費しかないと付け加えれば完璧だ。

 あるときでは、俺の並んでいる窓口ではとられず、隣の窓口ではとられていた。 もちろん外国人観光客を狙ったものだ。係官によって、とる人とそうでない人がいることを理解しよう。 係官の挙動が不審だったら頑として払わない、領収書をよこせと言おう。 適当な領収書をかかれる場合もあるのでチェックすること。

 しかし、中には本気で入・出国税をとるところもあるので注意したい。 グアテマラ国境のベリーズでは出国の際に係官は本気で怒っていた。 でも、俺はビザで25ドルも払い、入国税もとられ、さらに出国税なんて我慢ならんと思っていた。 ベリーズ・ドルも両替してしまい、すっからかんだったのだ。 係官がカンカンになっていたので、仕方なくもう一回両替し(相当損したのはいうまでもない)、結局支払った。 4日ぐらいしか滞在してなかったので俺の心はブルーに染まっていた。

 出国税に比べ、入国税はまぁなんとなく理解できる。しかし、出国税って何だ?  その内訳を知りたい。たいていの場合、係官の懐に入るのだ。 その国の経済事情が人間性をそうさせているのかもしれない。 別にたいした金額ではないので、気にならない人は払ってもいいだろう。 しかし、そんなの納得できないと思う人のために次のセンテンスを用意しておきます。参考にしてください。

「Quiero recibo de pago」(キエロ・レシボ・デ・パゴ)・・・領収書をください

「No tengo dinero efectivo」(ノ・テンゴ・ディネロ・エフェクティーボ)・・・現金は持ってません

「Tengo solamente cheque de viaje」(テンゴ・ソラメンテ・チェケ・デ・ビアッヘ)・・・T/Cしか持ってません

「¿Como se llama usted?」(コモ・セ・リャマ・ウステー)・・・あなたの名前は?(係官の名前を聞くのも効果的)

 あくまでも参考例です。しつこい人には1ドル紙幣をちらつかせれば、それで納得する人もいます。 やったことないけど、友好的そうな人には物でもいけるかもしれません。タバコとか・・・。 まぁいろいろやってみて、喧嘩して、旅を楽しんでください。