薬物と女におぼれる日本人

 基本的に海外を旅するときは日本人とはなるべく距離を置く。
 せっかく異国にいるのに、そこで日本人とつるんでしまっては趣が激減する感じがするから。

 自分の場合は、日本人に限らず、他の国籍の旅行者ともなるべく距離を置く。
 現地の人との距離を詰めることのほうがはるかに重要で、なによりもそれが楽しかったから。

 しかし、相手が積極的で一緒にいたがる場合は、折れることもある。
 また、なんとなく一緒になってしまうということもあった。
 そんなときは情報交換などして、自分を納得させるけど、何よりも自由に展開していきたいので一人を好む。

 実はこういった傾向は日本人に多く、なにも自分だけではないと思う。
 一方、欧米バックパッカーは誰かしらと旅行していることが多く、いつもなぜ一人なのか、寂しくはないかと問われる。

 とはいえ、自分もいつも一人だったわけではなく、欧米の連中と一時期一緒にいたし、それはそれで充分楽しいものであったけれど、何かが違うと感じる。
 それは知らないものに対する探究心、好奇心がふんだんにあるからではないか、また、楽しみは共有できるけれど、それを独占したいという、エゴイスト的な部分があるからではないかと自己分析している。

 ちょっと話がそれてしまったけれど、とにかくいろんな日本人に会いました。その中でも、グアテマラで出会ったある男について話をしましょう。
 彼は1年のうち1/4はグアテマラに滞在しているという。その目的は『女』です。
 しかも特定の女性で、その女性は『性』を商売としている人です。

 彼について細かく話すと問題がありそうなので控えよう。というのも、彼は旅行者の間では結構有名で、ペルーで出会った日本人に彼について話したら彼のことを知っていた、なんてこともあった。
 彼がどれだけ本当のことを話していたのかはわからないが、とにかくすごい人生を送ってました。

 彼の常宿に行くと、早速唖然とする行為。鼻からコカインを吸引してました。
 そんな光景を見せつつ『俺は薬物を人に勧めることはやめた。それで死んだ奴がいるからだ』といった。

 その死んだ人は裕福な家庭で生まれ、超有名大学を卒業したものの、親のプレッシャーに耐え切れず、薬物に頼り、何度かやめるように説得したものの、最後にはボリビアで廃人になって死んだらしい。
 だから薬物はよくないぞ、と話しつつ、薬物を吸引しているその様はなんとも説得力がなく、こうなってはいかんな、と痛切に思った。

 最後に彼は『女は顔じゃない、〇〇〇だ』といって意気揚々と夜の街に繰り出していった。
 このような人はエルサルバドールやコロンビア、ベネズエラにも多くいる。
 自分は中南米しか知らないが、東南アジアでもそういった人が多いらしい。

 最初の『旅行の目的は人それぞれ』でも触れているが、本当に『人それぞれ』なので何とも言いようがないが、本当にそれで済ませていい問題なのだろうか、と思わずにはいられない。