女の醜いプライド合戦

 スペインに4ヶ月滞在していたのだが、そのほとんどをノルウェー人のミーナ(仮名)と日本人のナツ(仮名)との共同生活であった。

 さて、彼女らは普段はスペイン語学校仲間ということで比較的仲良くやっていたのだが、夜になると、というより、男のことになると目の色が変わった。
 (幸か不幸か)自分はまったく男として扱われてなく、俺がいるのにもかかわらず、 やれ今日は何人に声をかけられただの、最後までいっただの、そういった会話を平気でしていた。

 どちらかが付き合い始めれば、負けじと片方も付き合い始め、どちらかが乗り換えれば、また負けじと乗り換える。
 そうやって何人と付き合ったのだろうか、数えるのもばかばかしい。

 挙句の果てにささやかなことで口論になり、共同生活3ヶ月目にミーナは出ていった。
 その間も、双方から愚痴を聞かされた俺はほとほと迷惑していた。
 極めつけは、ナツにちょっかいを出していた男の元女房が家に押しかけてきたことだ。
 これには参った。お願いだからフォローしてといわれ、必死に何もなかったことを強調する俺。
 何でこんなことに巻き込まれなきゃならんのだ。

 その後、ミーナとナツは仲直りし、以前のように仲良くしていたが、なんだかうそ臭くて気持ち悪かった。
 確かに彼女らとの生活はそれらをのぞけば楽しかったし、ある意味、いろんなことを考えさせられたが、正直、貞操が緩々なのはどうかと思うぞ。
 特に、スペイン人の間では『スカンジナビア系は軽い』との評判で、入れ食い状態だと思われている。
 ミーナがそれに含まれているかどうかはさておき、少なくとも俺が見てきた限りではやはり軽い。

 まぁ、本人たちがそれでよければ、何の文句もないのだが、はたから見ていてやっぱ気持ちのいいものではないよね。