花の闇 〜暗転
 

 



   ――― なあ。
        なに?
        あんまり俺を甘やかすな。


 温かな懐ろの中に、そぉっとやわらかく。大切そうに取り込まれたままでそんな言いようをしたら、相手は綺麗な仕草で小首を傾げて見せた。俺にだけ、いつだって限りなく優しい奴。こっちのこと、全部把握していて。我儘も臍曲がりなトコも全部、包み込むようにフォローしてくれて。………でも、それってサ。


   ――― 俺が威張るのと、お前が甘やかすのとは全然違うんだかんな。
        ???


 俺が唐突な思いつきで好き勝手するのへ、振り回されつつも怒りもしないで。いつだって にこにこ笑って、嬉しそうに楽しそうにしている奴だから。そんなされると、何だかサ…お前の方が偉いみたいじゃないか。


   ――― 威張って得られる快感…っていうのかな。判るか?
        …うん、何となく。
        そういうのが ごっそり薄れるんだよな。


 それこそ偉そうに言ったらサ。不機嫌にさせたって思ったのか、困ったように擽ったそうに苦笑して、

   「ごめんね」って。

 気がつかなかったって謝るんだ、こいつってば。はあ〜あ、全然判ってねぇんだよな、ったくよ。


   ――― だから、それが………う〜〜〜っ。
        んん? なぁに?
        もういいッ。//////////




    どんな駄々を捏ねても、
    そぉっと懐ろへ囲い込まれて…宥められてしまう。
    撫でにくい髪形の筈なのに、だから選んだようなものなのに。
    全然苦にもせず、慣れた手つきで梳いてくれて。
    こんな相手は初めてだから、
    何だか戸惑うことも多いのだけれど。

    ………いなくなったら、嫌だなと。

    ついつい、
    相手のパジャマの裾とかこっそりと掴んでしまう。
    家族以外へそんな風に思うなんて、
    俺には、後にも先にも初めてなことだった………。



  *唐突ですが、このお話には"R−15"に相当する描写が出て来ます。
   半端ではありません。たくさん出て来ます。
   このプロローグの後に、いきなり妖しい描写があります。
   真っ向から"裏"です。立派な"裏"です。
おいおい
   なので、高校生以上のお嬢さん限定です。ご理解下さいませ。
   それと…相変わらず、蛭魔さんがヲトメっぽいのでご注意ください。
(笑)

  *今回のヒントは、簡単に今回のお話の二人の背番号を並べて、

     http://www.paw.hi-ho.ne.jp/morlin/aisi-***.htm

   このURLの***の箇所に入れ、コピペしてプラウザ移動してください。
    (.htm を忘れずに。)

ヒントだけでは判らないという方は、 mail to Morlin.
こちらへお問い合わせくださいませvv******