大好き＊

こんな気持ち知らなかったよ
知らなくても海賊はやっていけるから
でもオレはまんまとはまってしまった
ゾロという名の罠に


最初に魅せられたのは碧色の髪と瞳
日に当たるたびに透明に光る髪は
オレの目を奪った
時には激しく、優しい瞳は
オレを動けなくした
鼓動を速くした

オレがいつもゾロより早く起きようとするのは
少しだけ
ちょっとだけ
ゾロに触れたいと思うから
目が合うだけで
手が少しかすめるだけで
オレの心臓は爆発しそうになるから
動かないときに
目が開かないときに
少しだけ
ちょっとだけ
触れるんだ

オレが夜、ゾロの側にいるのは
夜のゾロは
昼間のゾロと
違うから
とても優しくなるから
側にいたいと願うんだ


大切に想うこと

努力すること

嫉妬すること

ワガママになること

不安になること

愛すること

「大好きだ」と伝えるだけで、幸せになれること

頭をなでてもらえるだけで、幸せだと思えること

こんな気持ち知らなかったよ
知らなくても海賊はやっていけるから




「どーした、ぼっとして」
頬を撫でてくるゾロの手に自分の手を重ねてみた
ゴツゴツして大きくて、あったかかった
「…なんで笑ってんだ」
「ん…ゾロ、大好きだよ」
「…………いきなり何だよ」
ゾロは照れて顔を赤くした
「うん」

好きだよ、ゾロ
大好き