とびっきりのレシピにて  *ゾロサンですvv


おれがキッチンで夕食の仕込みをしている時に不意に背後に気配を感じたので振り返ると、其処に立っていたのは奴だった
何時の間に来たんだ?
足音もさせねェで・・・
「何だァ?」
何か文句でもあんのか?と詰め寄ったら、「何でも無ェ・・・」と視線を逸らせて言いやがる
だったら何でおれはこんなに睨まれてるんだ?
本当は突っ掛かってやろうとしたが、鍋の中身が噴きこぼれそうにそうになっていたので躊躇ためらった
弱火にしてアクを取りながらスープを煮込む
其れでも奴は腕を組んだまま動こうとしない
「おい、だから何なんだよ!! ケンカ売ってんのか? 上等じゃねェか!!」
もう一度振り返り、ネクタイをゆるめて捲まくっていた袖を更に上にたくし上げた
「そうじゃねェよ・・・」
マリモ頭をぼりぼり掻きながら少し俯いて吐いて捨てる様に言う
「じゃァ、一体何なんだよっ!」
おれは苛ついた
奴が何を考えているのか皆目見当が付かなかったからだ
少し間を置いて、ちらりとおれを見た其奴はこう言って去って行った
「わりィ、邪魔した・・・」
ああァ!? 何なんだ、本当に・・・
訳解らねェよ!
苛ついた此の気持ちを如何して良いか分からなくて、おれはポケットから煙草を取り出し火を点けた



其の晩、夕食の後片付けの後に煙草をくわえて振り返ると、奴がまた立っていた
「チッ! 言いたい事があるならちゃんと言え、此の野郎!」
思わず煙草を噛み締めてしまう
暫く黙っていたが、奴はやっとボソリと呟いた
「見てちゃいけねェか? 好きな奴を・・・」
おれがくわえてた煙草をポトリと落として固まってしまったのは言うまでもねェだろう・・・
今なんつった? 此奴は・・・? 好き・・・? 聞き間違いか??
其の時のおれは鳩が豆鉄砲食らったみてェな顔だったろう
そんなおれを見て、奴は今まで見た事のない照れまくりの顔でこう言ったんだ
「あァったくっ・・・! お前が好きだ!」
近付いてきた奴の両腕におれの身体は拘束された
「おれは男だぞ?」
「分かってる・・・」
「お前も男だぞ?」
「あァ・・・、でも惚れちまったモンは仕方ねェだろう・・・」
シャリンと奴のピアスの音がおれの耳に届いて、奴の意外と柔らかい髪の毛が頬に当たった
何故だかおれも奴の背中に両手を回して抱き締めたら、嬉しそうな声が聴こえてきた
「今のおれの気持ちをお前に理解わかる様に言うなら・・・、とびっきりのレシピを貰った気分だな・・・・・」
そうか・・・、そんなに嬉しいか・・・?
そして、おれはやっと奴の名を呼んだ
「ゾロ・・・」



スミマセン・・・<m(_ _)m>
ゾロサンではないかも知れません・・・(死)。
以前某所でゾロサンポエムは書いたのですが、難しいです。


*多才な方で、こちらは何と“ゾロサン”だそうです。
 ウチのサイトには始めてのジャンルではないのでしょうか。
 いよいよバラエティに富んできましたvv (おいおい、いただきものだってば。)
 とはいえ…すみません。コメントはちょっと控えさせていただきます。
 ゾロサンが嫌いな訳ではないのですが。
 どちらかといえば、サンジさんの側からの、
 所謂“誘い受け”が好みなので。(おいおい)
 3作品、まとめて、ありがたく頂戴いたしましたvv
 お腹いっぱいですvv ありがとうございましたvv


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