一條隆也様サイト『HEAVEN'S  DOOR』より

   きみのとなり 船長と剣豪。


歩いて行く、駆けて行く、どんな時でも君の隣で。
走って行く、笑って行く、どんな時もどんな時も。

君の背中は、何時しか道標の様。
瞼を閉じて迷う時、躊躇いを抱き締める時。
想い浮かぶのは、何もかもを振り払う君の笑顔。

此の響が届かなくても。
此の掌が触れなくても。
此の姿が見えなくとも。

君の響は何時も此処に在る。
君の想いは絶えず此処に在る、俺の一番に。

君の隣が、俺の居場所。
君の隣が、俺の還る場所。

知らず無くしてたモノを教えてくれた。
知らず捜してたモノを教えてくれた。

君に出逢って、何が足りなかったか。
君に出逢って、何を捜していたのか。
独りでは気が付かない事を教えてくれた。

パズルの最後のピース、螺子のひとつ。

独りでは気が付かなかった心の隙間を。
君は俺の気が付かない内に埋めてくれた。

捜してた最初の鍵…其れが君だから。

嗚呼…だから、ずっと君の隣で。
君の隣で、君を感じていられる様に。


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「空が高いなぁ」
「そうだな」

甲板に寝転がって腕を伸ばすルフィは、しししっと笑う。
其の掌を掴んで、指を絡めると、柔らかい感触が気持ち良い。
ゴム人間だからだろうか、子供の様な曖昧な感触に笑ってしまう。

「何、笑ってんだよ」
「ん? ふにふにだなぁって」
「ふにふに?」

指を絡めたまま、俺の膝に座り込むルフィを抱き抱えて。
指を絡めたまま、麦藁の頭に顎を乗せて小さく笑う。

「感触」
「ふにふに」
「そう」
「……」

何処か不満気に唇を尖らすルフィは、俺の指をじっと見詰めて。
お世辞にも綺麗だとは云えない俺の指に、しししっと笑う。

「ごつごつだな」
「そうだな」
「傷だらけだし、胼胝だらけだし、不恰好だし」
「そうだな」

サンジの指みたいに、美味い料理も作れないし。
ナミの指みたいに、難しい海図も書けないし。
ウソップの指みたいに、器用にモノを作れないし。
チョッパーの蹄みたいに、難しい薬草を見分けられないし。

傷だらけの指は、剣を奮う事しか知らないし。
モノを創るよりも、壊す事に向いていて。
大きい掌は、けれど何も掴む事は出来なくて。

「だけど、俺ゾロの手が良いな」
「…」
「不器用だし、不恰好だし、固いけど」
「…」
「ゾロのが良いな」
「…そっか」

躊躇い無く頷いて、しししっと満面の笑顔で笑うルフィに。
其の麦藁を奪って、其の黒髪を想い切りくしゃくしゃ撫でて。


抜ける様な蒼空に、ふたりで笑う、そんな日。


船長お誕生日記念SS第二弾だそうで、さっそくDLさせていただきましたvv
一つ目のとは趣きを変えて、こちらはいちゃいちゃモードなんですね?
幸せそうで、覗き見しているこちらまで、何だかほこほこしてきますvv
スタイリッシュなものやどこか不器用な切ない彼らや、
ホントにもうもう、どんなシチュエーションでもお任せな一條様。
いつもいつも煩く付きまとってて済みませんです。
でもやはり、通いの追っかけは辞めないことと思います。(こらこら)
これからもどうかよろしくお願い致しますね?

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