「やっと見つけた」
海軍基地でお前を始めて見た時、俺はそう思ったんだ。


仲間を・・・?
それとも・・・




   
片翼





俺がお前と始めて逢ったのは、俺が海に出て数日しか経たない頃だと思う。

海に出て、大渦に呑まれて、コビーに出逢って、アルビダをぶっ飛ばして・・・

お前の話を聞いたんだ。



『海をさすらう魔獣 海賊狩りのロロノア・ゾロ』

その名前を聞いた時、何故か背中がゾクゾクしたんだ。
みんなは「悪いヤツだ」なんて言ってたけどな。


俺はこの時既に、お前を仲間に誘うつもりだった。
逢った事もないヤツに焦がれるなんて今まで無かったのに。



魂が呼ばれているように感じたんだ。




お前は海軍基地で磔になっていた。


哀れさなんて微塵も無かった。
ただ、眼光の鋭さと力強さが俺を魅了した。

その一瞬で気付いてしまった。



―――――コイツは俺の片翼だ――――――



ずっとずっと・・・探していたんだ。

俺の半身
俺の片翼


俺は片翼を見つけてしまった。
俺は片翼を手に入れてしまった。

俺は飛べる事を知ってしまった。

もうお前を失くす事など考えられない。
俺は決してお前を手放さない。


二度と飛べなくなってしまうのは・・・耐えられない。



―――なぁ、ゾロ・・・お前はどうなんだ・・・?―――




「お前は俺のもんだからな」
「・・・・・」
「もしお前が俺を裏切って離れていくような事があったら・・・俺はお前を殺すかもしれねぇ。 俺は独占欲の塊だからな」

寝乱れたシーツの中で交わす言葉にしては、少し物騒ではあるけれど



「ああ、分かってる」

それでも、お前は顔色1つ変えずに答える。



「お前、本当に分かって言ってるか? しれっとした顔しやがって」
「分かってるよ。 それでもって、そっくりそのままその台詞をお前に返してやるよ。」


そう言うとお前は、口唇の端をクッと上げて笑った。
俺の好きな表情だ。



「俺も独占欲の塊で、おまけに執念深いからな」

背中がゾクゾクする・・・
そんな言葉、耳元で言われたら・・・




「お前だって、片方の翼がもがれたら・・・生きてけないんだろ?」

俺は、あくまで冷静に、余裕の表情で言ってやる。

「お前は俺のもんだからな」



そうだ
お前は、誰が何と言おうと俺のもんだ。

たとえお前自身に異を唱えられても・・・


「俺はお前のもんだ。 誰が何と言おうと・・・」
「ゾロ・・・」

「俺から離れる事は無い、絶対に」
「ああ・・・」




「ルフィ・・・、お前も俺のもんなんだろ?」


そう言って
髪を撫でられて、抱きしめられて・・・何も考えられなくなった。

懐の中に捉えられて、身動きできなくて・・・自覚する。



――――片翼をもがれたら生きていけないのは・・・俺の方だ――――



「バーカ・・・。 お前が俺のもんなんだよ」

不敵に笑って言い放つと、お前が声を殺して笑うのが分かった。

「そうだ。 お前のもんだ・・・何もかも」



強がりだって分かるよな・・・
だって、俺達は2つの入れ物に別々に宿った1人の人間なんだから



――――やっと見つけた片翼、お前は俺のもんだ――――





すいません・・・ドサクサ紛れにサイト開設しちゃいました;;;
身の程知らずにもほどがあるってもんです(汗)

てなワケで
遅ればせながら、ゾロル界に仲間入りさせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします!

このSSはDLFとさせていただきますので
「貰ってやろう!」という方は、お持ち帰りくださいませ。


*いつもいつも拙作品へ温かいご感想を下さいますkinako様が、
 このたび“ゾロル”サイトを立ち上げられまして。
 こんな嬉しいことはございませんですvv
 開設記念のDLFSSをさっそくにもいただいてきてしまいましたですvv
 大切にいたしますね?


kinako
様のサイト『heart to heart』さんはこちら→**


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