月夜にて


回りは闇だった。
ゾロは一人、夜の見張りとして見張り台の上に居た。
海も空も今は闇に溶け込み一つになっている。
けれど、空の上では真っ暗なこの闇を照らす星と月だけが輝きを放っていた。
そんな中、海をぼーっと眺めていたゾロだったがふと自分の横に目を移す。
そこではルフィが毛布に包まってゾロの膝を枕にして、
ちょっと窮屈そうに眠っている。
見張り番ではなかったのだが、
皆が寝る頃ルフィは毛布を持ってゾロのいるここへ登ってきた。
「オレも一緒に起きてる!」
そうは言っていたルフィだが、
最初のうちは一人ベラベラ喋っていたのに急に静かになって、
顔を覗き込むと目を閉じて眠っていた。
そして、座ったまま寝ていたルフィはぐらっと倒れて…今の状態なのだった。

海を見て時々ルフィの黒い髪を優しく指で絡めたり、撫でたりしていた。
「ったく幸せそうに寝ちまってよ…」
「…ん、ゾロ」
返事が返ってきて起こしてしまったかと慌てそうになったけれど、
ルフィはヘラッと笑って眠ったままだった。
「寝惚けてんのか?」
けれど、嬉しくてゾロの顔は自然と綻ぶ。
そんなある夜中の小さな幸せ。


 *ありそうな風景ですよね? うう、おステキvv
  知らず、笑みが零れてしまう、
  そんなゾロの困ったような顔まで想像出来そうな、
  静かでやさしいSSです。
  私なんかが頂いてしまってもいいのかなと、躊躇したのもほんの一瞬。
  気がつけば、お家まで連れ帰っておりましたの。おいおい
  DORAサマ、本当にありがとうございましたvv


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