ホワイトクリスマス


「寒いな」
ゾロがそう言うと同時に白い息が広がる。
オレも毛布を首までかぶる。
いつもなら騒がしいくらいの船も今夜はしんっとしていた。
みんな起きているのに。
サンジが温かいココアを持ってきてくれた。
ゾロには緑茶。
湯気も普段より白く見えた。
ずずっと音を立てて緑茶を飲む、ゾロ。
欠伸をしている。
オレたちは雪を待っていた。
ホワイトクリスマス。
オレは1回も経験したことがなくて、そのことをゾロに言ったら。
「待ってりゃ降るんじゃねェの」
そういうことでこんな真夜中、みんなも一緒になって雪を待っていたのだった。
降るかな。
オレは空に向かって念じていた。
ゾロも腕を組みながら空を睨んでいる。
空は黒くよどんでいて、低く感じられた。
雲が厚い。
ウソップは見張り台に登っていて、何か叫びだした。
オレも叫びたい気分だった。
「そんな変な声出してても降らないわよ」
ナミは呆れてウソップに言った。
黒いファーのついたコートがよく似合う。
もう1時間ぐらいこうしているのに、一向に降る気配はしなかった。
オレが少し諦めかかっていると、ぼすっと頭を抑えつける大きな手。
「降る、大丈夫だ」
ゾロが空を見ながら励ましてくれた。
「降れよ…」
ゾロが小さく呟いたのも聞いた。
「雪だっ!!」
そう叫んだのはウソップだった。
「嘘っ!?」
「嘘だろ」
「信じろよ!!!」
「あ…雪の匂い」
チョッパーが不意に言う。
すると、オレたちの目の前にも雪が舞った。
「降ったっ!!」
「ほらなぁ」
何故か鼻高々で下りてくる、ウソップ。
どんどん降ってくる雪。
「ホワイトクリスマスだ」
サンジがぽんっとオレの肩を叩く。
ビビはおめでとうと言ってくれた。
ナミは、大げさねェとやっぱり呆れながらも、
小さく、やったわねとささやいてくれた。
ホワイトクリスマス。
想像以上に綺麗で、不思議な感じ。
寒いのも忘れ、雪に見入った。
ゾロがまた頭を抑えてつけてくる。
「サンキュ、ゾロ…付き合ってくれて」
「待ったかいがあったな」
皆は静かにキッチンに入っていった。
今はもうオレたちの世界。
「ホワイトメリークリスマスだ」
「なんだそりゃ」
ゾロは笑いながらオレの冷えきった額にキスをしてくれる。
「つめて」
「ゾロの口もな」
無数に降る雪の中、無数に降るゾロのキス。
ホワイトメリークリスマス。
冬とは思えない、あたたかさだった。



メリークリスマスです!!!!!
小さいとき、如月はこうやって雪を待ったものでした…(降ることはなかったけれど)
ルフィのために皆がこう…一丸となる(?)
そんな話を書きたかったのですが
うまくいかなかったです
気に入って頂けると嬉しいなぁと思う
如月でした
如月サンタ(死)より皆様へ愛を込めて…vv(殺)


クリスマスイブに頂戴した、正にクリスマスプレゼントですvv
私のような者が、こんな素敵な作品を頂いてもいいものだろうかと
あまりのありがたさに、ドッキドキでございます。
嬉しいです、ありがとうございますvv
クルーの仲間たちまで付き合ってくれた雪の到来。
でもでも、私にはゾロしか見えてなかったりするから………この罰当たり者がっ!
えとえっと、また懲りずに遊んでやって下さいませネ?
ではでは、メリークリスマスVv

如月弥生様のサイト『SEA SKY』へGO!⇒ **


back.gif