５月５日、快晴。未来の海賊王、モンキー・Ｄ ・ルフィのバースデイ
お祭り騒ぎが大好きな彼らに掛かれば何もない海の上でも飲めや歌えの大騒ぎ。

「ルフィ、誕生日おめでとう！！
　未来の海賊王にカンパ〜イ！！！」

船のあちこちで、何度目かのおめでとうの言葉とぶつかり合うグラスの音が木霊する…
ナミからのお許しも出たことで用意された大量の料理と酒でみんながみんなほろ酔い気分。
ルフィとウソップとチョッパーは踊りだすし
サンジはいつも以上の賛美をナミとロビンに語る…

そんな騒ぎを眺めつつ、少し離れた場所で笑いながら酒を飲んでるゾロの元へ
トタトタとルフィがやって来た。

「踊ってなくて良いのか、ルフィ…
　ウソップとチョッパーはまだ踊ってるぞ？」

いまだ２人で踊りまくっているウソップとチョッパーの方へ視線を送りながら
自分の元へやって来たルフィに聞いてみる。

「おう！俺は少し休憩だ！！
　それにやっぱりこう言う特別な日はゾロと一緒に居たいからなｖ」

しししっと、テレ笑いを浮かべるルフィにゾロも優しく笑いながら

「誕生日おめでとうルフィ。」

と、２人手にした酒瓶を『カチンッ』と合わせた…


「ここの所島に上陸してねぇから、プレゼントなしの誕生日で悪いけどよ
　今度島に着いたらなんかやっから何が欲しいか考えとけよ？ルフィ。」

しばし騒ぎを見ながらの談笑中、ゾロから言われた嬉しい申し出に

「サンキュー！ゾロｖ」

ルフィは満面の笑顔でお礼を言う。

「う〜ん…欲しい物か…何が良いかな…？
　『肉』とかじゃあれだしな…う〜ん困ったぞ…？」

などと今から何を貰うか悩むルフィの姿に苦笑しつつ

「別に今から悩む事はねぇだろ…
　決まんねぇんだったら街で一緒に見て回るのもいいしな。」

ゾロからのさり気ないデート（？）のお誘い。
そんな言葉にやはりルフィはしししっとテレ笑いをしながら

「そおだなｖそのほうが楽しそうだしな！！」

と言うと、さらに続けて

「でも、ゾロ。俺は別にプレゼントとか良いぞ？
　みんなからはいろんな物をいっぱい貰ってるからな…
　ナミがいて、ウソップがいて、サンジがいて、チョッパーがいて、ロビンがいて…
　それに大好きなゾロがすぐ側にいて、一緒に笑ってるんだ。
　それだけで最高のプレゼントだ！！」

お酒のせいか、それともテレの為にか頬を微かに赤く染めるルフィ…

「そんな事でいいなら簡単だ…
　ルフィが嫌だって言っても離れてやらねぇよ。」

ギュッとルフィを抱き寄せルフィの額に、目蓋に、頬に、鼻先にキスを降らすゾロ。

「ホントか？ゾロ…。
　俺もみんなの夢や野望を知ってるから、ずっと一緒に航海出来れば良いと思ってるけど…
　大事な夢や野望の足枷になるようなら船を降りるのも止められないのは分かってる。
　でも、俺は我が儘だからな。俺がワンピースを見つけて海賊王になった時には
　みんな一緒にいて欲しいし、俺の横にはゾロがいて一緒に笑っていて欲しい…。」

ゾロからのキスの雨に少しくすぐったそうにしながら、
お酒のためか普段なら言わないであろう胸の中にある本音を
切なげに告げるルフィの言葉。

「ホントだ。ルフィ…
　それに俺もお前に負けねぇくれぇに我が儘だからな。
　俺が世界一の剣豪になった時、俺の横にはルフィ…お前が居て欲しい。
　だから、例えお前に船から降りろって言われようが俺はぜってぇこの船を降りねえ。」

そう言うと同時にお互い吸い寄せられるように長い長いキスをした…

そしてようやくお互いの唇が離れた後

『我が儘だな〜お前。』

と、２人同時に口に出し笑った…。



５月５日、快晴。未来の海賊王の誕生日。
我が儘な未来の海賊王と、我が儘な未来の大剣豪の我が儘な願いは
何年、何十年経って尚、『未来の』の文字が消えて尚変わることなく
５月５日を迎えるたびにお互い

『我が儘だな〜お前。』

と言ってはキスして笑い合うのだろう。


了

はい。ゾロルなルフィお誕生日記念小説です！
この話、危険ですよ・・・書いてる途中で去年書いたお話と同じ方向へ向かっていくし…
それに気付いて慌てて軌道修正すればするほどお誕生日とは関係ない話になるし…
最後は無理やりお誕生日に結びつけちゃいました…（汗）
あぁ…駄目人間。１人寂しく反省会を開かねば…！！

このお話もお持ち帰り自由とさせて頂きますので
こんな物でも宜しかったら貰ってやって下さいませ。

堂本 珠サマのサイト『猫屋』へ ⇒＊

ううう、相変わらずに甘くておステキです、珠サマvv
特別な人だから大切にしたいし、その人の好きなようにしていて欲しいけれど、
好きな人だからこその“独占欲”ってのもまた、小さくはないから。
そこのところをまで判ってあげられる剣豪の、甘いというか優しいところが、
ああもう、羨ましいぞ、このヤロウっ！（チョッパー調に/笑）
強奪させていただきました、ご馳走様でございますvv