穏やかに航海を続ける船の上。
いつもと変わらぬ元気な声が木霊する…。

「ゾロ。ゾロ！ゾ〜ロ〜〜！！」

その声は目的の見付けるべく小さな船の隅々にまで轟かすが如く発せられていた。

「ゾ〜ロ〜！
　…っは！！まさかゾロの奴この船の中で迷子か！？」

なんて惚けた事を本気で言い出す声の主、ルフィに対し

「んな訳あるか！！！」

瞬く間に入った聞きなれたツッコミにルフィは辺りを見回した…。
しかし、いくら辺りを見回してもゾロの姿は何処にも見付からず、
ルフィは頭の上に？マークを浮かべながら声をかけた。

「ゾロ〜？一体何処にいんだ？？？」

するとまた姿を見せぬままゾロが答えた。

「ルフィ…。上だ。上！
　俺は今見張りの番なんだよ。」

その声に答えるようにルフィが顔を上げるとマストの上の見張り台からヒラヒラと手を振りながら、顔を覗かせるゾロの姿があった。
ルフィはゾロの姿を捉えるとにししっと含み笑いを一度した後、突然マストへと両腕を伸ばし
飛び乗っていった…。

ドシンッ！

「のわっ！！…てめぇいきなり何すんだ。」

もちろん何の前触れも無く体当たりのように飛んできたルフィの体を受け止める事になたゾロは
すごむような口ぶりで文句を言ってはみるが、その両腕はしっかりとルフィの体を抱きしめていた。
そんなゾロにルフィはまたにししっと含み笑いをすると「なんだよ。」と言いたそうな顔で
ルフィを見つめているゾロに聞いた。

「ゾロ。今日は何の日か知ってるか？」

ワクワクと言った様子でゾロを見つめているルフィの質問に頭をガシガシと掻きながら考えては見るものの
思い付くような特別な出来事があった記憶も無く…

「今日？…特別と言って何の日ってあったか？」

まったく解らない。っと言った風に答えるしかなかった…。
それを見たルフィは頬を風船のように膨らませ口を尖らせ言った。

「今日は特別な日だろう？ゾロ、本当にわからないのか…？
　…うぅ〜ん、じゃあ質問を変えて今日は何月何日だ？」

解らないと言った解答は受け入れてくれないらしいルフィからの新たな質問に
ゾロは少し考えてから答えた…。

「あぁ？今日…、確か１１月１１日だろ？」

ルフィの質問の意図が全く解っていないゾロは特に気が付く事も無く普通に答えていた…。
そんなゾロの様子にルフィは頬いっぱいに溜めていた空気を『はぁ〜』と、脱力感いっぱいに吐き出し
瞬時に考え直したかのように空気をいっぱい吸い込むと

「今日は１１月１１日！ゾロの誕生日だろ！！」

と、右手の人差し指をゾロの目前に突き出し捲くし立てるように言った。
そのルフィの様子に対しゾロは一瞬目を丸くし

「なんだ、そんな事か…。そういや、確かに今日は俺の誕生日だな。」

と、特に気に止める事も無い出来事だという様子で呟いていた…。
その小さな呟きを耳聡く聞いていたルフィはまた頬を膨らませ

「何言ってんだゾロ！誕生日は重要だぞ！！
　今日、ゾロが生まれたからこそこうして一緒に航海できてるんだから…
　俺にとっては何事にも変え難い重要で特別な日だぞ。」

ゴツンと頭突きのようにオデコを合わせ力説した。
しかしゾロはお互いのオデコを付き合わせた状態でニヤッと笑うと

「俺に取ったらお前の誕生日の方が重要で特別の日だよ。」

チュッとルフィの鼻頭にキスをして答えた。
するとルフィは腑に落ちないと言う顔をして

「俺の誕生日なんかよりゾロの誕生日の方が重要だぞ。」

と言うのでゾロはルフィの抱きこみ言い聞かせるように言った…

「自分の誕生日なんてそんなもんだ。
　自分より大切な奴が見付かればそいつの誕生日の方が重要になるんだよ。」

ゾロの腕の中で聞いていたルフィはしばらく『うぅ〜ん』と唸っていたが

「そんなもんなのか？」

と、未だ納得しきれない様子聞いてきたのでゾロは

「そんなもんだ！」

と、はっきり言うとルフィの唇にキスをした。



「んっ…ふぅ…。じゃあ、ゾロの誕生日は毎年俺が教えて一番に祝ってやるからな。」

キスの合間に提案してきたルフィにゾロは

「んじゃあ、ルフィの誕生日にゃ、毎年俺が一番に教えて祝ってやるよ。」

と、お互いに約束した。




それからしばらく、ウソップが甲板から見張りの交替を知らせに来るまでルフィとゾロは
『おめでとう。』とキスを繰り返していた…。

１１月１１日。今日は『ポッキー＆プリッツの日』！！…と、言うのは置いといて
ロロノア・ゾロのお誕生日ｖ
おめでとう！！ゾロさんｖ
仕事の忙しさにすっかり頭の中から消えていて伝表に日付を入れてた時に思い出し
帰宅後慌てて書き出したと言う事はここだけの秘密さ☆（あわあわ…）
しかし、初めてワンピにはまった時、年上だったゾロも今では遥かに年下ＢＯＹ。
…だって、漫画の世界じゃ年取らないんだもん！！！

まぁ、そんな事は置いといてゾロさんお誕生日おめでとう！！
そんなお祝い気分でお持ち帰りＯＫです。（いや、いらないだろう…）
てか、スランプ状態でよくここまで書けたよ自分。
そして、よくそれをプレゼントする気になったよ自分！！博打打だね☆（崩壊）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　０２．１１．１１

　＊ずっとご無沙汰しておりましたが、
　　珠サマ、相変わらずにお熱い萌えSS、UPなさっておられましたvv
　　ありがたく頂いて帰りましたよvv
　　ゾロには幸せなお誕生日になったことでしょうね。
　　ありがとうございます。おご馳走様でしたvv

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