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光村図書版「国語3」より引用しています。
ヒロシマ神話 嵯峨 信之
失われた時の頂きにかけのぼって 何を見ようというのか 一瞬に透明な気体になって消えた数百人の人間が空中を歩いている (一気に死を飛び越えて魂になった) (われわれにもういちど人間のほんとうの死を与えよ) そのなかのひとりの影が石段に焼きつけられている (影をひき放されたわたしの肉体はどこへ消えたのか) (わたしは何を待たねばならぬのか) いつになったら誰が来て その影を石から解き放つのだ |
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