バース
Bath



ローマ人が大帝国を築いたことは良く知られた事実ですが、イギリスのあるブリテン島もその広大な支配圏の中に組みこまれていた、という事実はあまり知られていないかもしれません。ローマのブリタニア支配を確実なものにするため、紀元前1世紀前半頃には、かの有名なジュリアス・シーザーもこの地に遠征にやってきたという記録が残っています。

ローマ人によるブリテン島支配は紀元前1世紀から紀元後5世紀前半という長期に及んだため、今でもイギリス中にローマ人時代の遺跡がたくさん残っています。その中でも、イギリス南西部にあるバースの遺跡と、イギリス北部にあるヘイドリアンズ・ウォール(ハドリアヌスの壁)が一番有名でしょうか。

ローマ人時代にはアクアエ・スリス(AQVAE SVLIS)と呼ばれていたバースの町は、当時から温泉が沸く地として人気のあるリゾート地であり、女神ミネルヴァに奉げた神殿が建てられていたそうです。温泉を利用した大浴場の跡は、現在博物館になっていて19世紀末に発掘された石像やコインなどなど、いろいろなものが展示されています。温泉は現在も沸きつづけているそうで、確かにお湯をさわってみるとほんのり温かかったです。当時は大浴場だけでなく、サウナやプール(水風呂??)もあったそうで、ローマ人の生活ってなんとも優雅なものだったんですねぇ。

博物館の隣にあるパンプ・ルームでは、温泉水(有料)を飲むことができます。せっかくだから、と飲んでみたのですが、お世辞にもおいしい水とは言えなかったです…。

バースの町は、大浴場の博物館だけでなく石造りの町並みと石畳が写真になる素敵な町です。15分ぐらい歩いたところに、半円のように緩やかにカーブを描いたロイヤル・クレッセントという家々も綺麗ですし、ローマ人がローマにある橋を模して造ったといわれるパルトニー橋も、イギリスにある他のどの橋とも違っていて一見の価値がありますよ。



バースへの行き方:ロンドンから電車で約1時間半。











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