プロヴァンスの景色


フランス南部、プロヴァンス地方を旅したときの写真です。
ここでは、プロヴァンス各地の町並みやお城を紹介します。




アルル
Areles

町のいたるところにローマ遺跡が残るアルルの町です。

上の写真は、フランス1大きいといわれる円形闘技場。
映画“グラディエーター”みたいに、剣闘士の戦いが繰り広げられたのでしょうね。現在では、イースターから9月まで闘牛が見られるそうです。

下の写真は、紀元前1世紀末に建てられたという古代劇場です。猫ちゃんがたくさん日向ぼっこをしていました。





モンマジュール
Montmajour

アルルの近くにあるモンマジュール修道院です。

キリスト教がこの地にやってくる以前から、墓地として使用されていたそうです。窓が少なく、頑丈な壁に守られているので、修道院というより堅固な要塞のように見えました。





フォンヴィエイユ
Fontvieille

アルルから車で約10分のところにあるドーデの風車です。

プロヴァンス生まれの作家ドーデがフォンヴィエイユの村に住み、“風車小屋だより”という短編集を書いたのだそうです。ドーデがこの風車小屋の中で住んでいたので“ドーデの風車”というのではなかったのですね…б( ̄  ̄;)どうりで、狭すぎると思いました…。





アヴィニョン
Avignon

14世紀、法王庁が置かれたアヴィニョンの町です。

現在でも町はすっぽりと城壁に囲まれており、法王庁宮殿は城塞のように堅固な姿を見せています。町の中は車と人でいっぱいでした。

下の写真は、アヴィニョンの脇を流れるローヌ川にかかるサン・ベネゼ橋です。神のお告げを受けたベネゼ少年によって建設が始まったという伝説があります。橋が川の中ほどで途切れてしまっているのは、度重なる破壊と修復の末、17世紀に修復が打ち切られてしまった結果なのだそうです。





ヴィルヌーヴ・レ・ザヴィニョン
Villeneuve-les-Avignon

ローヌ川を挟んでアヴィニョンの対岸にある町、
ヴィルヌーヴ・レ・ザヴィニョンです。

13世紀以降フランス領であった町は、法王の領地であったアヴィニョンを監視するための、いわゆる国境の町でした。町を見下ろす丘の上には、サン・タンドレ要塞が建てられています。

上の写真は、遠くから眺めたサン・タンドレ要塞、下の写真は、サン・タンドレ要塞の中です。





ヴェゾン・ラ・ロメーヌ
Vaison la Romaine

コート・ド・ローヌと呼ばれるワイン街道沿いにある
ヴェゾン・ラ・ロメーヌの町です。

延々と続くワイン畑の中を走り続けて、たどり着いた町です。夜だったので、道の両脇には電灯もなく、「こう真っ暗じゃ、このまま事故で車がワイン畑に落っこちても、誰も見つけてくれないだろうなぁ」と不安になりました…。

町の南側にある岩山には、中世の町並みを残す旧市街があり、頂上には廃城が立っています。町の北側には、ローマ劇場などのローマ遺跡が残っています。





ポン・デュ・ガール
Pont du Gard

ガルドン川にかかるローマ時代の水道橋です。

高さ49メートル、全長275メートルで、1世紀頃に作られたとは信じられないほど、現在でもしっかりとした姿を残しています。3層のアーチからなり、一番上は歩くことができるそうです。私が訪れた日は風が強かったので、怖くて歩くことはしませんでした。




アンスイ
Ansui

とてもかわいいB&Bがあったアンスイの村です。

B&Bのマダムは、フランス語、英語、ドイツ語、ベルギー語の4ヶ国語を自在に操る素敵な女性でした。村にはお城があり、現在でもかつてのアンスイ領主の子孫たちが住んでいるそうです。





ボーケール
Beaucaire

ローヌ川沿いの町ボーケールにあるボーケール城です。

中世の頃、ローヌ川を挟んで向かいあうタラスコンの町はプロヴァンス伯領であり、フランス領であったボーケールとの間では争いが絶えなかったそうです。お互いをにらみ合うように、二つの町には堅固なお城が築かれています。





ボニュー
Bonnieux

多くの有名人が別荘を持つというボニューの村です。

奥に見える尖塔は、12〜15世紀に建てられた旧教会のものです。





ゴルド
 Gordes

鳥になって町を見下ろしているかのような錯覚に陥る、
ゴルドの村です。

山の頂に16世紀に建てられたお城があり、そこから裾野に向かって家々が伸びていく姿は、本当に幻想的で見事です。村の中にいると、この素晴らしい景観はとても想像できません…。





ルールマラン
 Lourmarin

フランスの文豪カミュが眠る村、ルールマランです。

15世紀に建てられたルールマラン城では、コンサートや展覧会が開かれるそうです。





ラコスト
 Lacoste

かつてはサド侯爵が領主だったラコストの村です。

村の頂上には廃城がひっそりと村を見下ろしています。かつてはこの城で、サド侯爵が創作活動に励んでいたのだそうです。





メネルブ
 Menerbes

山間にひっそりとたたずむメネルブの村です。

宗教戦争の時代、メネルブの村は新教徒の砦として、激しい戦闘が繰り広げられたのだそうです。





セナンク大修道院
 Abbaye de Senanque

ゴルドの村から、約2キロ北西に行ったところにある
セナンク大修道院です。

1148年シトー会の修道院として建てられたロマネスク様式の修道院で、現在でも修道士たちが祈りと労働の日々を送っているそうです。前に広がるラベンダー畑のラベンダーたちは、満開になるとさぞきれいでしょうね。





プロヴァンスの猫たち

プロヴァンスでは、たくさんの猫ちゃんたちが見られます。しかも、みんなフレンドリー。猫好きの私には、天国のようなところでした。でも、不思議だったのが、出会う猫ちゃんたちがみんな黒猫か白と黒のぶち猫たちばかり。まさかみんなご親戚??そんなわけないか…。




ベジエ
 Beziers

オール川に面した丘の上にそびえるベジエの町です。
プロヴァンス地方の町ではなく、ラングドック地方の町になります。

町の中心に立つ教会は、城塞と見紛えるほど堅固な壁によって守られています。12世紀後半からこの地方に吹き荒れたアルビジョワ十字軍によって、ベジエの町は徹底的に掠奪され、教会の中に逃げ込んだ住民たちが全員焼き殺されるという痛ましい悲劇が起こった地でもあります。

堀田善衛著の「路上の人」には、アルビジョワ十字軍の中で、異端とされたカタリ派を殲滅しようとするローマ教会のやり方に疑問を持ち苦悩する法王付大秘書官の騎士と、臨時に彼に雇われた放浪者である主人公の旅が書かれています。ラングドック地方を訪れる前に読むと、より感慨深い旅ができると思います。





カルカッソンヌ
Carcassonne

ヨーロッパ最大の城塞といわれるカルカッソンヌです。こちらもプロヴァンス地方の町ではなく、ラングドック地方の中心地として、早くから栄えてきました。

地中海岸と大西洋岸とを結ぶ希少な平地にあったため、紀元前の時代からガリア人の砦がこの地に築かれ、のちにやってきたローマ人によって街道と堅固な城壁を備えた城塞都市が築かれました。中世時代には、カルカッソンヌ伯の居城として、ピレネー山脈を越えて攻めてくるアラゴン王国の侵略に目を光らせる重要な国境地点でもありました。

オード川からカルカッソンヌの全景を眺めると、その強大さに驚かされます。難攻不落の城塞とは、きっとカルカッソンヌのことをいうんでしょうね。内外二重の城壁に囲まれ、合計46の塔によって守られているのだそうです。かつてこの地方にやってきた侵略者たちは、カルカッソンヌの堅固な姿を見て驚いたことでしょう。

この町も、カタリ派の主要中心地のひとつとして、13世紀初頭に吹き荒れたアルビジョワ十字軍によって弾圧された悲しい歴史をもっています。