ジェフユナイテッド市原
2003年観戦記。
2003年11月23日 ジェフユナイテッド市原VS大分トリニータ
生観戦。
優勝争いといっても、相手は大分。いつもの閑散とした臨海を想像してたのに、行ってみたらなんじゃこりゃ!?優勝してこのまま観客動員もスパークしちゃったらやだな〜なんて複雑な心境でスタンドへ。去年も磐田戦以外1万人以上動員したこと無かったのに、今年はその磐田戦に続いて2試合目。半年かけてバックスタンドを2階建てにするっちゅーのに、このまま工事始まっちゃったら益々ゴール裏の混雑が激しくなる・・・。
スタメンはGK櫛野 DF永輔・ジェレ・大輔 MF阿部・勇人・坂本・村井・羽生 FW大柴・崔龍洙。サブがGK立石 DF茶野・結城 MF中島 FW巻。大分トリニータのスタメンはGK岡中 DF三木・サンドロ・若松・有村 MFエジミウソン・瀬戸・梅田・寺川 FW田代・吉田。サブはGK江角 DF片野坂 MF小森田・木島 FW松橋。
主審は砂川。今季市原臨海での唯一の負け試合をサバいた主審・・・。しかも、意外と堅守の大分相手に、サンドロ(まぎらわしいから以下ドスサントス。笑)と林を出場停止で欠く布陣。三木・サンドロ相手にスピードでかきまわす選手が大柴じゃぁちょっと厳しい。案の定、大柴は中央では何もさせてもらえず、やむを得ずサイドに開いては村井とかぶっていた。大分の攻撃力はウィルと高松の出場停止によって大きく低下。問題は大分の堅守を崩せるか否か。だと思ってた。
ところが、試合が始まってみると大分が主導権を握っているかのような展開。中盤で確実にプレスをかけ、市原にボールをキープさせない。で、何より堅いディフェンスラインが崔龍洙・大柴に全く仕事をさせない。いつまでもどこまでもピッタリ貼りつきついていく金魚のフンのようなディフェンス。高さとポジショニングだけは相変わらず強いサンドロがことごとく崔龍洙へのパスを駆逐すると、前線で全くボールをまわせない。必然的に、中盤でボールをまわす時間が長くなってきた。そして、試合の温度は低く低く。
逆に、市原にとって大分が攻めてこなかったのは予想外の展開だったのではないだろうか。残留争いに早くケリをつけようと、勝ち点3を狙って攻めてくると思った。ところが、大分は守った。大分の攻撃はほぼカウンターのみ。しかも、ツートップの役割が明確過ぎるほど明確。田代に当てて吉田が走る。今日の3バックに任せておけば完封できる筈だった。元ジェフ・寺川はサクサク右サイドをえぐり、田代めがけてセンタリング。それをおとして吉田っつーパターンばっかり。で、ひそかに良かったのがボランチのエジミウソン。こいつ結構やるなぁ。攻撃の起点は全てエジミウソンといって良いくらいエジミウソンからの攻撃が多かった。
で、大分先制。田代に当てて吉田っつーパターンで、中西が裏を取られてボレー。この時点で、ジェフが2点を取るイメージが無かった。このまま1点を守られて完封負けのイメージしかなかった。というのも、市原のターゲット・崔龍洙は金魚のフンまみれ。大柴は金魚のフンを避けてサイドで村井とかぶりまくり。本来なら林の投入で大分DF陣の裏を取る攻撃をしたいところなのだが、ドスサントスも林もいない。となると、両サイドから揺さぶって、ターゲットになる選手を増やさなければならない。そのためには、崔龍洙のほかにもう1枚必要。それは、巻。ということで後半から大柴に代えて巻投入。これは今までのオシム監督にしては早い選手交代。
おそらく、ジェフの戦術としては巻が空中戦でサンドロを凌駕し、前線で無理矢理ボールキープしてやろうという目論み。これが見事的中。大分DF陣はこれで混乱をきたす。サイドから揺さぶって、FW陣がシュートというパターンが多くなってきて、おしいシュートも何本か出始めた。特に、村井からのクロスが上がり始めた。精度は去年のよかった時期と比べると若干落ちている感も否めないが、村井からのクロス→巻が落とす→大分DFが巻につられてラインを下げる→空いたスペースから崔龍洙がシュートというパターンで、ジェフにとってはゴールが確実に近づいてきた。しばらく左右からのクロスで揺さぶりつづけ、大分DFはすっかり混乱。その隙に乗じて得点してしまえば逆転も容易だと思っていたのだが、ジェフの前にもう1人の男が立ちはだかった。
GK岡中。マジでこの試合ノーミスだったんじゃないの?っていうくらい安定していた。ポジションもよく、危なげないボール処理。うーん、これは厳しい・・・。
しかし、丁寧に左右から揺さぶりつづけた結果、岡中からついに得点。阿部のミドルを岡中がはじき、それでも崔龍洙が落ちついてシュート。一気に臨海が沸点に近づく!
もう1点。もう1点取れば悲願の優勝が現実のものになる!サポーターの心はひとつ。試合はジェフが圧倒的に支配している。残り時間も30分近くある。しかし、支配していた試合を自ら投げ出した形になってしまった。オシム監督の言う、「成功への恐怖」なのだろうか。左右からのクロスはどんどん精度が落ち、格好のカウンターの餌食に。結局、木島を投入した大分とのカウンター合戦になり、林がいない分ジェフが不利に感じられたが、大分の決定力もかなりの重症で、結局1−1のまま。
残り1試合。味スタでの試合でどこまで意地を見せてもらえるのか。1st・2ndともに最後まで優勝争いをしたチームはジュビロ・マリノス・ジェフの3チームのみ。この結果を来年以降の糧にして、さらに、優勝に向けてどんな対策を取るのか。これが非常に興味深い。
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