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仲 京 塾




特集 東大大学院へ行こう!



大学院受験について



◎ 大学院とは ◎

大学院とは、大学を卒業した後に更に高度な教育を受ける機関ですが、実際には大学卒業後に更に勉強をするというよりは、卒業論文でやっていた研究を一層深めることによって、大学教員や研究者になり得る人材を養成するものです。授業形式で習って勉強することなどは大学で殆ど終わっているので、講義やゼミなどは週に0〜2コマ程度しかありません。殆どの時間は研究に費やされ、ここでは自分で考え、探求し、今まで誰も見出していなかったことを研究する能力を養成するのです。

独立した大学院大学というのもありますが、通常は一般の大学に併設され、大学卒業後にそのまま同じところで研究を続けるのが一般的でした。ところが近年研究設備や教授陣の充実した大学で大学院の入学定員を大幅に増やす傾向があり、地方大学や私立大学からこれらの大学院を受験することが一般的になってきました。

大学院は前半の修士課程(一部の大学では博士課程前期と呼ぶこともある)が2年間で、これを修了し論文審査に合格すれば、修士号の学位が与えられます。後半の博士課程(修士を博士前期と呼ぶ大学では博士後期)は3年間が標準(優秀な学生は1年以上在籍すればいいことになっているらしいが、現実には不可能)で、同じく論文審査をパスすれば博士号が与えられます。修士号と違って博士号の認定は厳しいので、博士号は与えられずに期間満了で修了ということもあり得ます。

大学では「○○学部△△学科」という名前で分かれていますが、大学院ではなぜか同じものを「○○研究科△△専攻」と呼ぶことになっています。しかし大抵の場合は大学と大学院が一体化しているので、日常的には○○学部△△学科の□□研究室の修士1年とか博士2年と呼ばれることも多いようです。


◎ 東京大学大学院の概要 ◎

大学院の中でも一番研究環境が充実していて、入学定員も多いのが東京大学大学院です。仲京塾では、専らこの東京大学大学院の受験指導を行います。東京大学というと難しいというイメージが一般的ですが、大学院に関してはそれほど難関ではなく、幅広く多くの学生を受け入れる体制になっています。

特に理系の研究科では、学部の定員よりも修士の定員のほうが多いことが一般的で、他大学の学生を多く受け入れることを前提に運営されています。専攻によって異なりますが、修士課程の入学者の概ね3〜7割程度が東京大学以外からの進学者になるようです。入学試験の競争率は1〜2倍程度で、早くからしっかり準備していれば、むしろ合格するのが当たり前なのが大学院入試です。



◎ 東京大学大学院入学試験 ◎

大学院入試が大学入試と根本的に異なるところは、単に学力試験だけで優秀な者を入学させるというのではなく、実際に個々の研究室で研究をするのにふさわしい学生を選抜することです。そのためには、事前に指導教官となる教授または准教授とよく話をして、お互いに納得することが必要になります。大学院に入学すると、入学式が行われる前に既に研究室に席をもらって研究を開始することになります。ですから、受験する前にどの先生に付いて何を研究するかを決めておかなければなりません。

大学院入試の説明会は専攻によって異なりますが、概ね3月〜6月に行われ、入学試験は8月に行われます(文系の一部では年明けに冬季入試を行うところもあります)。説明会で行きたい研究室を決めて、実際に研究室を訪問して相談するのですが、説明会以前に各研究室のサイトを見て見当を付けておくべきですし、事前に研究室に連絡して訪問し、見学、打合せをしておくことも良いでしょう。自分が現在所属している大学の研究室の先生から紹介してもらえればベストですが、そうでなくても、何らかの関連のある研究をしていれば、間接的に紹介してもらえることもあるでしょう。これを「コネ」と呼ぶならまさにその通りですが、自分が師事する「師匠」を選ぶのですから、まったくコネがないところへ押しかけるのはむしろ少数派になります。しかし、コネがなくても早めに連絡を取り、教授とよく相談して、自分を受け入れてくれるように話が付けば、もちろん喜んで受け入れてくれるでしょう。

各研究室の定員はせいぜい2〜3名ですから、内部生(東京大学4年生でその研究室所属の学生)の進学希望者で既に埋まっている場合には、外部生は遠慮してくれと言われることもあります。その場合は、無理せず他の研究室を探したほうがいいでしょう。

実際の入試は研究科や専攻によってやや異なりますが、概ね以下のようになります。

 ・語学(通常は英語のみ、人文社会系などの一部では外国語1〜2科目)
 ・専門科目等(数科目)
 ・口述試験等

研究科や専攻によって、学力試験を重視するところと、口述試験を重視するところがあります。前者の極端な例は農学生命学研究科の一部の専攻で、口述試験は行わず、英語、一般教養科目(化学、生物などから2科目)、専門科目の合計点だけで決まります。そのため、実際にはやらないほうがいいですが、教授からうちの学生で一杯だから遠慮してくれと言われているのに敢えて強硬指名して、内部生よりも高得点で合格すれば蹴落として入学できることになります。(でも、後々の人間関係を考えて自重しましょう。)

多くの研究科では、事前の合意を重視します。そもそもそれほど倍率が高くなく、普通に勉強していれば受かるような専攻の場合、指導教官と話が付いているかどうかが一番のポイントになります。それが口述試験(入学したらどういう研究をどうやるつもりかなどと質問されるはず)の点数となって反映されるのです。繰り返しになりますが、自分がどの先生の指導の下、どんな研究をしたいかをよく考え、その先生と十分に相談して合意を形成しておきましょう。



◎ 東京大学大学院の入学試験の実際 ◎

英語はかつては独自に問題を作成していましたが、現在では多くの研究科でTOEFLを用います。ですから、TOEFLの問題集で勉強すればいいし、実際にTOEFLを受験してみるのもいいでしょう。一部の研究科では、自分で受験したTOEFLのスコアを提出すれば認定される場合があります。この場合、練習のつもりで受けたTOEFLが会心の出来だったら英語はそれを使い、試験前は専門科目の勉強に集中することも可能です。

口述試験は上述のように入学後の研究の打合せが出来ているかどうかが重視されます。理学系や工学系研究科などで内部生が有利と言われるのは、内部生の場合は既にその研究室で研究を開始していて、当然指導教官との合意というか、目標の共有が完全になされているからなのです。

専門科目等は研究科や専攻によって大きく異なります。以下に当塾から実際に受験・合格した研究科や、受験を検討している学生のいる(またはいた)研究科のいくつかについて、専門科目だけでなく入試の特徴を個別に検討しましょう。



◇ 農学生命学研究科応用生命化学専攻 ◇

専門科目とは別に、一般教養科目として化学ともう1科目(生物学が多いが、数学、物理学も選択可能)の試験があります。レベル的には高校の学習内容に、若干の大学の内容(有機化学の比較的新しく発見された反応名や、原子の構造など近年のゆとり教育で高校から削除されたものなど)を加えたもので、高校生でもかなり解ける内容になっています。東京大学の入学試験に比べれば、むしろ基本的で平易な内容です。高校の内容を応用レベルまで理解していて、大学の教養で習った話をある程度忘れていなければ、十分に高得点が取れるでしょう。

専門科目は、1)分析化学、2)生物化学、3)有機化学・天然物化学、4)微生物学、5)分子生物学、6)環境土壌学、7)植物栄養学・植物生理学、8)食品化学 の8科目から、任意に3科目を選択します。通常は事前に絞って勉強していくでしょうが、当日問題を見てから選ぶことも可能です。自分の専門とそれに関連するものを選ぶのが建前ですが、実際には点の取りやすそうな科目だけを選んでも構いません。研究室ごとの受験科目の指定はありません。

入学定員は34名です。実質的に一体として入試が行われる応用生命工学の43名と合わせた合計77名が正式な定員となっていますが、寄付講座が多数あることなどもあるのでしょう、例年双方合わせて100名前後が合格します。出願時に希望の研究室を第3希望まで申請します。競争率はせいぜい1.5倍まで。口述試験はなく、英語、一般教養、専門の合計点だけで合否が判定されるので、とにかく1点でも多く取れば勝ちです。特定の研究室に合格者が集中した場合、低得点の人は第2、第3希望の研究室に回されますので、説明会の時には一応3つ以上の研究室に挨拶しておきましょう。



◇ 理学研究科生物科学専攻 ◇

専門科目は、1)分子生物学・細胞生物学・生化学・遺伝学の問題−4題、2)生物化学・生物情報科学分野の問題−3題、3)動物学・植物学・人類学分野の問題−3題から任意に4題選んで回答します。問題のレベルとしては、意外にも高校の学習内容の応用レベルから大学の基本レベルです。受験を意識している人は大学1年からでも解いてみましょう。

英語と専門科目の試験の結果から口述試験対象者(いわば一次合格者)が発表され、1週間後に口述試験に臨みます。競争率は1.5倍程度でやはり教官との事前の打ち合わせが重要であると考えられます。出願時に第3希望までを申請するのですが、第1希望の教官に事前に了解を取ることが求められています。第2、第3希望の先生にも挨拶はしておいたほうがいいでしょう。



◇ 理学研究科地球惑星科学専攻 ◇

専門科目は数学2題、物理学3題、化学2題、生物学2題、地球科学2題の計11題から計4題を選択しますが、指導教官ごとに受験すべき科目を指定している場合があるので注意してください。問題のレベルとしては、やはり高校の学習内容の応用レベルから大学の基本レベルです。受験を意識している人は大学1年からでも解いてみましょう。英語と専門科目の試験の他に、小論文があります。これは入学後に行いたい研究内容について、 明確にかつ論理的に述べることが求められています(60分、800字程度)。

筆記試験の結果から口述試験対象者(いわば一次合格者)が発表され、口述試験に臨むのですが、この際に小論文の内容に基づいてグループ分け(大気海洋科学、宇宙惑星科学、地球惑星システム科学、固体地球科学、地球生命圏科学)されます。小論文の内容によっては、複数のグループの面接を受験し、複数に合格することもあります。競争率はそれほど高くなく、最終合格者が入学定員を割ることもあるので、小論文と口述試験が重視されると考えられます。

合格発表後に、自分が合格したグループの教官を訪問して希望の研究室を決め、希望者が集中した場合には再度希望調査して決定します。このような形式なので、自分が指導を希望する教官と事前にしっかり打ち合わせ、それに沿った小論文を書き上げるべきなのか、あるいはむしろ事前の打ち合わせは不要なのかは、現在のところ未確認です。しかし、内部生の受験も多いはずですから、自分の研究内容と特定の教官の研究内容を結び付け、そこで研究を発展させるというストーリーが出来ていることが、やはり重要となるでしょう。



◇ 工学研究科建築学専攻 ◇

初日に英語(TOEFLスコアを提出した場合は受験しない)、2日目に専門課題I(建築学に関する基礎的な課題、コンパス、三角定規持参)、3日目に専門課題II(4群から選択、選択によってコンパス、三角定規の他、T定規、物差し、着色用具を持参)。過去問題は公開されていませんが、建築を学べば普通にやるような作図、設計などの基本的な能力と、選択によっては設計のセンスなどが問われ、建築をまじめに学んでいる学生なら対応できる内容でしょう。

専門試験から中1日空けて口述試験が行われますが、出願時に「将来の研究について」と題する別紙を添付することになっていて、第1〜3希望の指導教官と専門課題の選択を記入する欄もあります。これを元に口述試験が行われるのでしょう。募集定員は32名となっていますが、例年200名前後が受験し、100名弱が合格するようで、大学院入試としては倍率が高いほうです。内部生の合格率が高いので、やはり教官との事前の合意形成が重要だと思われます。



◇ 人文社会系研究科基礎文化研究専攻 ◇

専門分野別の試験で、分野によって夏季・冬季の2回試験を行うところと、冬季のみの試験のところがあります。全体で55名の定員ですが、定員に満たない場合でも全員が合格するわけではないと明記されているので、事前に準備(勉強よりもむしろ論文の準備と教官との打ち合わせ)しておけば合格するものと思われます。

外国語は心理学が英語のみ、考古学は1科目選択、それ以外は2科目の選択で、専門分野によって選択できる科目が異なりますが、必ずしも英語を選ぶ必要はありません。専門科目はそれぞれの分野ごとに作成されています。

筆記試験の数日前までに、「卒業論文もしくはそれに代わる論文」を提出することが求められています。これと筆記試験の結果から第一次試験合格者が発表され、翌週に第二次の口述試験を受験することになります。








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