温かいもの 冷たいもの
 都内のデパートで家内がサンドイッチを買ってきた。家に持ち帰って開けてみると少々異臭がす
る。よく見ると温かいパンと一緒の袋に入れられており、生ま物が入るサンドイッチが傷んだのだ
ろう。早速売り場へ抗議の電話をした。温かいものと冷たいものを別々に入れるのが常識でほないだろうか。
しばらくしてお詫びの電話が入った。
私が別のデパートでパンを買ったら、店員さんは、 「この食パンは焼きたてのため別の袋にお入れします。」とひと言ことわってくれた。このひと言が大変気 持ち良かった。
食べるものには、温かいものと冷たいものとがある。温かいものは冷めないうちに、冷たいもの
は温まらないうちに食べてもらいたいのが料理を作った人の気持ちである。作る側の気持ちを汲むことがお互い大事ではないだろうか。
                                            1996年
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