1999.8.1〜8.15

1999.8.15(日)  帰国
★さらば、パリ。二度と来るかこん畜生、とかいきなり言ってみたりして。

★つーわけで全日程終了、帰国。

★帰りの飛行機で、森博嗣「笑わない数学者」を一気に読了。読んでいて、綾辻行人の館シリーズを連想した。トリックはそんなに鮮やかとは感じなかったが、でも十分満足はできるレベル。やはり鍵はオリオン像?
 少し前に読んだ「そして二人だけになった」と比べてトリック的にはどちらも甲乙付けがたいのだが、読んでみてどっちを気に入るかというと圧倒的に今回の方が良い。何故かと色々考えていたのだが、やはり探偵役の犀川助教授のキャラが立っていると言うことなのではないかと。台詞回しなんかもうかっこよすぎ。しびれます、いやまぢで。そのうち語録でも作るかな。
 …と、よくよく考えると、これってギャルゲーで言うところのいわゆるキャラ萌えと本質的には同じではないかという気が。


1999.8.14(土)  学会最終日
★5日間にわたる学会も午前中で終了。おつかれ。

★午後からフリー。そんなに興味があるというわけでも無いのだが、話の種にルーブル美術館を見物に出かける。はじめは端から真面目にじっくり見ていたのだが、どう考えても数時間で全てを見て回れる量ではなく、ついでに言うと説明書きがほぼ仏語のみなのでじっくり見たところでそれほど詳しいことが分かるわけでもなく、さらに言うと美術関係の知識が無いので何がどう貴重なのかさっぱりピンとこず、だんだん斜め読みならぬ斜め見状態に。最後の方は、もう有名どころだけ見とけばいいやってことで、ミロのビーナスだのモナリザだのだけを見てあとはすっ飛ばし。まあ、雰囲気だけは何となく味わってきたってことで。

★こっちに来てちびちびと読んでいた、有栖川有栖「ブラジル蝶の謎」をようやく読了。火村シリーズ初の短編集。名探偵(と言っても実際は大学助教授だが)が出てきて事件を解決するにしても、その場面の描写がバラエティに富んでいてなかなか良い。バタフライ効果を話に絡ませた「蝶々がはばたく」は秀逸。


1999.8.13(金)  学会4日目
★自分の発表が終わったのでかなり気は楽。ゆっくり発表を聞く。ところどころ聞き取れる単語があるので何となくわかったような気になっているが、実はほとんど理解できていなかったりする。いや、OHPを見りゃわかるのもあるんだけど。

★ミニフランス語講座、その2。「チーズ」は「フロマージュ」。昼飯にパン屋でチーズ入りホットドッグを頼む。「ほっとどっぐ、ふろまーじゅ、あん」。をを、通じとる通じとる。

★なんか飯の話ばかり書いているような気もするが、あまりネタがないので仕方がない。今夜は中華。当然のごとくビールを人数分頼むボス。そう来ると思った。どうもボスと食事を一緒に取る時はアルコールは避けて通れないようだ。私は飲み会でも行かない限りほとんど飲むことは無いので、いまいちしっくりこない。
 ついでに言うと、ボスと一緒にいるとなにげに散財しているような気が。一人だとサンドイッチで終わり、なんて安上がりな済ませ方もできるのだけど。貧乏くさいと思わんでもないが。

★フランス・ゲーム事情その2。昼休みに街中をうろついていてたまたま見つけたゲームショップにて情報収集。ようやくセガのマークを発見…と思ったらジョイスティックだった。しかし、サターンのハード、ソフト共に全く見あたらない。どういうことだ…と思ってよく見ると、PSと兼用のジョイスティックだった。これは日本で売っていたら欲しかったかも。
 それと、をを、これはっ。アスキーグリップ発見。…しかし、フランスで売っているソフトのラインナップを見るに、アクション等の動きの激しいものがほとんどなのだが、そんな状況でアスキーグリップを使う人っているのだろうか。あれでアクションをやるのって結構きついような気がするのだけど。


1999.8.12(木)  学会3日目
★自分の発表の日。発表のデキはまあまあ。ちょっと時間オーバー気味だったが、まああんなもんでしょ。質疑応答の方は、おおかた予想通りの出来。まああんなもんでしょ

★注:予想通り=まったくさっぱりすっかりダサダサ。

★夜、日本からの学会参加者7人全員で集まって食事。ちょっと高そうなフランス料理の店(フランスに行ってフランス料理の店って言い方もなんか変だが)。相変わらずメニューがわけわからん。テキトーに頼む。初日で思いっきり胃にもたれたので、あっさり目のやつ…と思ったらあっさり過ぎた。生野菜と生魚のマリネ?みたいなやつ。まずくはないのだろうが今ひとつ口に合わなかった。しかもやはり高かった。190フラン也。財布の残高が…。


1999.8.11(水)  the last total solar eclipse in this millennium
★…と学会のWebページには書いてあった。「ミレニアム」と言う単語に何やら妖しげな響きを感じ取ってしまうのは、多分その手の本の読み過ぎだろう。と言うわけで、学会は皆既日蝕観望ツアーのためお休み。私はツアーに参加せず、パリ市内をブラブラしつつ、99%の部分日蝕で妥協しておく。散歩ルートは、ホテル → セーヌ川沿い西進 → ルーブル美術館(単に敷地内素通り) → コンコルド広場 → シャンゼリゼ大通り → 凱旋門 → エッフェル塔 → セーヌ川沿い東進 → ホテル、と言う、とりあえず有名どころは押さえておこう的なルート。
 日蝕見物は主に凱旋門周辺。怪しい減光メガネをかけて空を見上げる人々多数。私もその一人だが。天気の方は曇りがちで今ひとつだったのだが、怪我の功名と言うか、雲のおかげで太陽光がちょうど良く減光されたので、手持ちのカメラで写真を撮りまくる。ちゃんと撮れているといいが。
 昼ごろに食の最大を迎える。思ったほど空は暗くはならず。ほぼ日没後と同じくらい。さすがは母なる星、太陽。光量が2桁落ちた程度ではまだまだ明るい。
 んで、結局何か起こったのだろうか? >グランドクロス説支持者

★と、ふつーの観光客みたいなことばかり書いていても面白くないので、ここは一つ独自色を出してみよう。題して、「フランス・ゲーム事情」(笑)。日本では劣勢気味のNintendo64がかなりの勢力を誇っている。ゲームボーイを含めると全体の6割以上は占めていそう。テストプレイでは「ゼルダの伝説」を展示中。日本語表記が仏語になっている以外は日本語版とほぼ同じ模様。リンクの声の出演も吹き替え無しでそのまま。まあ、「えい」だの「やあ」だのと言ったかけ声だけだから別に仏語訳する余地など無いのだが。あとはPSも結構ある。日本で見るタイトルだと、「鉄拳」「XI」(悪魔のダイス、と言う意味の名前に変わっていたが)など。ちなみにセガ勢力は影も形もなし。ドリームキャストはこれから入るのかな?


1999.8.10(火)  学会2日目
★英語がちんぷんかんぷん…と言うわけでもないのだが、かと言ってちゃんと話が理解できているかというとそういうわけでもなく。

★晩飯で早くも日本料理に手を出す。スシハウス「MATSUYA」。なんかそれらしい名前。他に「YAGIU」と言う店もあったけど(「柳生」ね)。メニューを見ると結構いろんな種類の寿司がある。さすがに納豆巻きは無いようだが。
 そしておもむろに人数分のビールを頼むボス。やっぱり飲むのね。私、別に飲まなくても良かったのだけど、他の人に先手を打って断られてしまったので、断りにくくなってしまったでないの。まあおごりだからいいけど。
 頼んだのは串焼き定食みたいなもの。前菜でキャベツの芯の酢漬けが出てきてちと意表を突かれたが、あとは、ご飯が長粒種でちょっとパサパサ気味なのを除けばまとも。味噌汁(しかも具は豆腐だ)が出てきたのは意外。鰹ダシが利いていてうまかった。しめて70フラン(約1400円)也。
 ところで一つ言いたい。隣の席で味噌汁をすすりつつ赤ワインをちびちびやっていた地元民らしき人。その組み合わせはいかがなものかと思うのだが。いや、他に何か食べてたらそうは思わないんだけど、テーブルの上にそれしかなかったんだもんだから、思わず突っ込まずにはいられない。


1999.8.9(月)  学会初日
★学会初日。…何だかとても眠い。11:00PM〜7:00AMと睡眠は十分に取っているはずだが。時差ボケかとも思ったが、よくよく考えるとJSTに直せば6:00AM〜2:00PM。普段と大して変わらんではないか。もしかして英語聞いてると眠くなるのか?

★お昼、ファーストフード店でハンバーガー。ここならシステムはわかる(笑)。だいたい英語でも通じてるみたいである。どうも向こうがどれくらい英語を認識できているのかいまいちわからんので不安なのだが。
 ミニフランス語講座。「小さい」は「プティ」。「いりす・ぷてぃ・じゃんぽーる」のぷてぃ、ですな。って誰も知らんか。いや、たまたま聞き取れたもので。

★夜、学会の懇親会に参加。世間話ができるほど英語が堪能なわけもないので、ちょろちょろ歩き回って(立食形式である)食うだけ食ってとっとと退散。まあ、周りが全員日本人の学会でも私の場合あまり大差なかったような気もするが。


1999.8.8(日)  学会出発
★徹夜明けで家を出る。のっけから体がだるい。当たり前だが。駅の新幹線ホームで待ち合わせ。研究室の大・中・小ボス揃い踏み+D2が2人。ちなみに今回参加の学会、この5人の他には日本からの参加は2人のみ。少ないなあ。まあマイナーな内容なのでこんなもん。
 12:00成田発→パリまで約11時間。着いたところで空を見るとまだ陽が高い。日本と比べての時差が8時間(サマータイムのため実際は−1時間)もあるせい。まだ1日が終わらんのかあ。いい加減疲れてるぞ。
 地下鉄経由でパリ市内、ノートルダム寺院近くのホテルに到着。さっそく街中に飯を食いに行くことになったのだが、どうも中ボスの体調が思わしくない模様。どうやら出発前、給料に見合わないぐらい働いていたせいらしい。いやよく知らんけど。てなわけで残りの4人で食事。適当にその辺のカフェテラスみたいなところに入る(入る、と言うか、歩道沿いの屋外に出ているテーブルに付いた)。で、おもむろにビールを4人分頼むボス。いきなり飲みですかい。直前の国際学会に同行した人の話では毎日のように飲んでたらしいが、どうやら誇張ではなかったようだ。
 実はこの店、よくよくメニューを見たらちゃんとした食事があるところじゃなかったようなので、他の店に行く。こんどはちゃんと食事になりそうな店。メニューを見る…が、さっぱりわからん。どれをどう選んだものやらちんぷんかんぷん。とりあえず、前菜、メイン、デザートを選べばいいらしいことがわかったので、それらしきものを頼む。…が、なかなか来ない。この辺は緯度が高くて昼も長く、夜9時でもまだ明るいので、ゆっくり時間をかけて食事を楽しむものなのかもしれんが、3皿で3時間もかかった。いつもこんなものなのか、それとも単に混んでただけなのか。
 そうそう、味の方はなかなか良い。がしかし、すんごいボリューム。量もだし、バターもたっぷり。疲れた体にはちときつい。思いっきり胃にもたれた。


1999.8.7(土)  出発前夜
★観測機器の梱包作業。大きい、重い、数が多い。てなわけで非常にめんどくさい。学会の準備ももう少し残っているのに、これはちときつい。

★…なんてなことを思っていたら、うちの中ボス、どうやら徹夜明けらしい。そりゃそうだ、同じく明日からの学会に参加するのに加えて、観測機器の梱包の方も手続きなど色々あるだろうし。おかげで、「いいなあ学生は寝られて」などと、取りようによっては皮肉とも取れそうなことを言われてしまったので、こちらも負けずに「給料もらってませんから」と返しておく。まあ、給料分は頑張って下さい。

★研究室の人の勧めにより、週刊マガジンの「MMR」とかいうマンガを立ち読み。見た感じ非常にシリアスな雰囲気なのだが、読んでいて笑ってしまうのは何故だろう。同じノストラダムスがらみの話でも、五島勉の本なんかだとそう言うことはあまりないのだが。
 とりあえず、11日の日蝕の時にグランドクロスが起こって、惑星の引力が大暴走するという、一見すごそうでその実何がどう暴走するんだかよくわからん話であった。地球に働く重力の大部分は月と太陽のもので、他の惑星がどう並ぼうが大勢に影響はないような気もするのだが。ちなみにこの日の惑星の配置はこんな感じ。グランドクロス、と言っても結構各惑星のずれは大きいような気もする。まあ、十字って言えば十字だけど。

★明日からの学会参加の準備。1週間の長丁場なので、旅先で聞くテープを作っておく。なんか、長崎巡礼を思い出すなあ。
 ちなみに、明日は始発の新幹線に乗るので、今日は徹夜である。ますます長崎巡礼のようだ
 と言うわけで明日からパリ行き。帰国は16日の予定。とりあえず、世界が滅亡する原因になるかもしんない日蝕だけはちゃんと見てこようかと思う。…晴れればいいけど。


1999.8.6(金)  広島の空に、祈る暇もなし
★シンポジウム出席のため、相模原の某研究所まで出張。行く前からなんとなくそういう予感はしていたのだが、同業者があまりいないようなシンポジウムだったので、自分の発表の時の場が寒いの何の。長時間かけて出かけていった割に、実りの少ない発表であった。やれやれ。まあ、途中で寄った相模原の本屋で欲しかった本を見つけたからまあ良しとしよう。

★七夕でにぎわう人々を横目に、大学に戻る。この時点ですでに夜10時近く。ボスの前で学会のリハーサル。OHPが昨日完成したばかりだというのに、いつ練習しとけというのか。おかげで往復の新幹線の中で原稿を眺めるという、真面目な学生のような真似を余儀なくされてしまったではないか。ったく。その割に全然頭に入ってないし。

★ボスからの指示により、OHP及び原稿の手直し。つ、疲れる。午前様…どころか終わったらとっくに夜が明けていた。しかし、ここ1ヶ月で国際学会に1週間おきに3回参加し、しかも3回とも別の内容の発表をし、その間にも細かい出張を重ねているボスを前にしては、勘弁してなんてことは口が裂けても言えない。うちのボスってばすごいバイタリティである。

★そう言えば、「長崎から」BSで生中継とは、ずいぶんと扱いがよくなったものである。と言うわけで、実家の方でちゃんと録画してもらいました。見たい方はダビング、貸し出し等いたします。 >関係者各位


1999.8.5(木)  
★明日のシンポジウムのために準備しなきゃならんのだが、屋上で花火を見ながらビールを飲んだりして。こんなに余裕をかましていていいのかしらん。


1999.8.4(水)  
★学会の準備もいよいよ佳境。しかも観測機器の荷造りも同じく佳境。どっちかにせんかい、と言いたくなるが、そういうわけにもいかない。しかしまあ、何でこうも用件が重なるかね。冬場は結構ヒマしてたのだが。


1999.8.3(火)  
★学会の準備…があんまり進まない。いかーん。


1999.8.2(月)  開き直り
★…どうも、自分の研究はかなり隙だらけ、ってのを認識せざるをえない。今まではメッキかけてりゃごまかしは利いたんだろうけど。今回はそうもいかん。
 ここはもう開き直って行くしかないか。研究室の人とも話したんだけど、今回は口頭発表だから。持ち時間15分、うち質疑応答がだいたい3分。この時間をしのげさえすればいいんだから。大したことないない。しかも、発表時間を伸ばせば伸ばすほど、質疑の時間も減るわけだし。まあ、これは研究者としては使っちゃいけない禁じ手だろうけど、状況的にしのごの言ってられんのである。


1999.8.1(日)  ちと壊れ気味
★タイムリミットが迫る中、学会準備の方は遅々として進まず。あうう。

★こういう時は、ちょっとした息抜きにやるゲーム(こんな時までやるのかと言われそうだが。ほんの30分位なんだけど)にも気を使わなければならない。こう、何と言うか、明日への活力となるような、元気の出るゲームをやるべき。間違っても「えいえんのせかいはあるよ」なんていうのをやったらいかん。気分がブルーになる…どころか、別の世界に行きたくなってしまいそう(笑)である。くわばら、くわばら。

★ちなみにこのゲーム、個人的ポイントかなり高し。シナリオで大打撃食らった。



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