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人民元と中国経済
「人民元と中国経済」
日本経済新聞出版社、2004年10月(単著)
目次
はじめに
第1章 人民元をめぐる論点
中国経済の現状
拡大する二極分化現象
二極分化、八つの論点
論点(1) 中国の対米貿易黒字は人民元切り上げによって修正できるのか
論点(2) 日本国内で高まる人民元切り上げ論の是非
論点(3) 人民元は大幅に過小評価されているのか
論点(4) 中国はインフレ発生源なのか、デフレ発生源なのか
論点(5) インフレ圧力は人民元切り上げによって抑えることができるのか
論点(6) 短・中期的に中国が採るべき為替制度とは何か
論点(7) 長期的に望ましい為替制度とは、変動相場制への転換タイミングとは
論点(8) 人民元は国際通貨となりうるのか
第2章 貿易構造と人民元切り上げ
拡大する加工貿易
(1) 貿易構造の高度化
(2) 拡大する東アジア領内の生産・貿易ネットワーク
(3) 直接投資との深い関わり
(4) 中国を介した対米輸出の拡大
無制限に存在する余剰労働力
過熱する外資系企業の優遇政策
(1) WTO加盟により外資優遇政策はどうなるのか
(2) さまざまな外資優遇政策
(3) 地方政府による外資誘致競争
人民元切り上げが中国の貿易構造に及ぼす効果
(1) 対米輸出関数の計測
(2) 対日輸入関数の計測
補論1
中国の対米輸出関数の計測
補論2
中国の対日輸入関数の計測
第3章 人民元は本当に過小評価されているのか
国際収支、為替介入および中国の動向
(1) 国際収支の基礎概念
(2) 無視できないほど大きい中国の誤差・脱漏項目
(3) 近年の外貨流入増大の要因
(4) 外貨準備と為替介入の関係
(5) 中国で外貨準備が急増する理由
アセット・アプローチと適正レート
(1) アセット・アプローチの基本的な考え方
(2) アセット・アプローチは中国に適用できるか
貯蓄・投資(マクロ経済)バランスと適正レート
(1) 貯蓄・投資ギャップと経済収支の関係
(2) きわめて高い中国の貯蓄率と投資率
(3) 持続可能な高い貯蓄率
(4) 限界が近づく投資率
(5) 経常収支の黒字幅は持続可能か
購買力平価説と適正レート
(1) 購買力平価説と実質為替レートの関係
(2) 実質実効為替レートと対ドル・対円実質為替レートの動向
(3) 購買力平価と人民元
(4) ビッグマック指標と人民元
ファンダメンタルズ・アプローチと適正レート
(1) バラッサ=サムエルソン効果とは
(2) 経済発展段階とバラッサ=サムエルソン効果
(3) バラッサ=サムエルソン効果は中国で存在するのか
(4) 交易条件が実質為替レートに及ぼす効果
(5) 純対外債務残高が実質為替レートに及ぼす効果
(6) ファンダメンタルズ・アプローチと人民元
補論3
実質為替レートと非貿易財価格
第4章 インフレ抑制策としての人民元切り上げ
中国はデフレなのかインフレなのか
なぜデフレが起きているのか
(1) 増大する企業数と改善する生産性
(2) 国内企業の台頭による生産能力の拡大と飽和状態にある需要
(3) 低迷する農村部の需要
インフレの構造的要因(1)政府の需要拡大政策
(1) 公共投資による景気拡大政策の開始
(2) 国有企業中心の固定資産投資
(3) 固定資産投資が招いたインフレ
インフレの構造的要因(2)銀行融資の増加
(1) 中国の銀行部門の特徴
(2) 一九九九年から二〇〇〇年にかけて低迷した金融仲介機能
(3) 銀行セクターの不良債権問題の背景
(4) 四大国有商業銀行の不良債権問題
(5) 改善する不良債権問題と拡大する新規融資
インフレの構造的要因(3)貯金の増大
(1) 貯金資産への集中化現象
(2) 未成熟な中国株式市場
(3) 未発達な国債市場
(4) 低迷する社債市場
インフレの構造的要因(4)金利規制がもたらす歪み
インフレの構造的要因(5)不胎化政策の限界
(1) 不胎化政策とは何か
(2) 不胎化政策は中国で有効なのか
(3) 顕在化する矛盾
切り上げ論の妥当性
(1) 人民元の切り上げと構造的問題
(2) 信用抑制政策は適切か
第5章 国際通貨システムと人民元
短・中期的に望ましい為替制度とは
(1) 人民元切り上げと変動幅拡大は同じ効果をもたらすのか
(2) 人民元切り上げは誰に打撃をもたらすのか
(3) WTO加盟がもたらす影響と人民元切り上げ
変動相場制への転換のタイミング
長期的に望ましい為替制度
(1) 通過バスケット制
(2) クローリング・ペッグ制
(3) ターゲット・ゾーン制
(4) 変動幅付きの調整可能な通過バスケット制
(5) 管理フロート制
(6) 中国にとって長期的に望ましい為替制度とは
人民元は国際通貨となれるのか
(1) 国際通貨とはなにか
(2) ドイツ・マルクが西ヨーロッパ域内で国際通貨となった背景
(3) アジアで圧倒的に強いドルのプレゼンス
(4) 人民元は東アジア域内において国際通貨となれるのか
第6章 中国経済の課題と政策対応
顕在化する政策間の矛盾
中国が採るべき短・中期政策と長期政策
短・中期的な課題(1)貿易権の付与と外貨保有枠の拡大
短・中期的な課題(2)経済安定化に寄与する財政政策
短・中期的な課題(3)銀行部門の改革
長期的な課題(1)株式市場の改革
長期的な課題(2)国債・社債市場の育成
長期的な課題(3)知的財産権・行政の整備
長期的な課題(4)戸籍制度の段階的な撤廃
長期的な課題(5)地方債発行の解除
国債資本移動の自由化と経済危機
(1) 一九九八年のロシア経済危機からの教訓
(2) 一九九七年の東アジア危機からの教訓
(3) 人民元の非国際化から国際化へ
参考文献