世界の中心で誰より目が赤いのは

                 2005年8月6日 世田谷パブリックシアター
                  世界の中心で、愛をさけぶ 観劇レポ
      

それは、幸太朗さんです。

見てきました、せかちゅの舞台。

とてもよかったです。

原作より映画より、ドラマより舞台が一番気に入りました。

なぜかって?

それはサクちゃんが"入れ替わらない"から!

高校生の時に終始している(や、前後は大学生らしいけど)ので、珍妙な違和感を感じずに済みました。それがいいのよ、と仰る方には申し訳ないが、ゆずポンは納得いかなかったのですよ。小学生の時の物語を高校生になって回想してるならともかく、高校生が十年経ってもあんなに顔、変わりませんよ。

と言う訳でサクちゃんですが。

なんですかあれ、あんなに可愛くていいんですか?あなたに一体、なにがあったんですか。そのまん丸サラサラの頭はエサですか、ゆずポン引き寄せるエサなんですかっ!

以下、ネタバレは殆どありませんが気になる方は閲覧ご遠慮下さい。

今回の席も最前列でした。だから最初から諦め、すべてのシーンを"サクちゃんガン見"で通しましたよ。恐らく彼は「…見てるなー」と思ったことでしょう。見たさ。見たともさ。何度も目の前に立つから鼻の穴も、右手の甲の虫さされの痕(恐らくダニ。三つ並んでたから)も見たさ。ツバだって飛んできたさ。

冒頭に書いた通り、サクちゃんもアキも入れ替わらず、シーンも比較的無理のない展開で見やすかったです。舞台オリジナルの脚本なので、映画やドラマとは違った驚きの展開もあったんですけど、それもすんなり受け入れられるっていうか、短い時間(舞台は装置変換やなんかで実際の公演時間は映画より短くなってしまいます)で二人の出会いから恋愛期間、ラストシーンまでをうまくまとめて演じられていました。

アキ役のには、正直初めは抵抗があったんですけど、舞台で見たらなかなかよかったです。可愛くて、清潔感があって、彼女なりのアキになっていたのではないかな、と。

…まあどうしてもゆずポン、アキはドラマが一番好きなんで、偏った意見になるんですけどね…ほほほ。

しかしこの舞台、なにが一番驚いたってアナタ…

会場に、男性がひとりで見に来ている度合いがものすごく高い!

さっきも言った通り、最前列で鑑賞したのですが二人以上で来ていた人は少ないです。二列目も、見た限りではひとりで観劇している人が多かったような。更に!ゆずポンの両隣二人ずつは男性で、しかもひとりで泣いているという状況…

つい先日ニュースで「男性が泣くために集まるセミナーがある」というのをやっていましたが、なるほどそういう世の中になったらしい。

アキが倒れ、病室のシーンに入る前にも泣き所が用意されていましてね。そこでウルウルっと来るのですが、左右で「うっうっずずっ(鼻を啜る音)」が一斉にするので困りました。いや、いいの。一緒に泣こうよ。でも低音で「ううっ」ってやられると気になるじゃん!同人屋魂が揺れるじゃん!

また俳優人がね…いいからさ…

木枯らし紋次郎(上条恒彦さん)とまっすん(升毅さん)ですよ。悪いはずがないんですよ!まっすんはね、ちょっとハイテンションな役柄だったので、いちいちオーディエンスを笑わせるのですが、一緒になって笑ってるのが幸太朗。

あのね、笑っちゃダメでしょ。まっすんをチラチラ見てちゃいけないでしょ!その幸太朗を見てゆずポンも笑っちゃうから始末が悪い。笑ってる場合ではないシーンでも、つい釣られてニヤニヤしてしまった…くっ。

で、紋次郎はね…あの通りいい声してるからまたダメ。

これもまたちょっとニヤついちゃった。男の人の低音響く美声には弱いのですよ…その昔“尾てい骨直下型の君”と字されたマンガのキャラがいたっけ…

ブラックワイドショーの細川中佐が出演した舞台の時も最前列だったことがあって、その時、友達四人と見たんだけどみんな旅行から強行軍で来ていたこともあってつい…ついウトウトしてしまったのです…数秒だけど、確かに意識が遠くなって「イカンっ」と気力で目を見開いたら目の前には中佐が…ニヤニヤしながら立ってました…

前から三列くらいは完璧見えてるよ、と以前とある舞台で役者さんから直接言われたことがあるのですが、すると今日のニヤニヤも見られていた訳ですね。

いいよ別に。笑わせたのは幸太朗だから。アンケートにそう書いてやったから!!

でもホント、彼のあの可愛さはなんでしょうね。

劇中で「たちばな」と「ひでちゃん」という級友が出てくるのですが、あの時はものすごーく格好良かったのに。(ってゆーか、その人物名設定はなに?サービス?)キラーだって、ヤツデンワニと一緒になって「ミコさまぁぁぁ」と悶えていたのに! ※ヤツデンワニとは、アバレンジャーに出てきた怪獣(というかなんというか)の名前です。壬琴役の幸太朗に懐いて、下僕と化していた可愛いワニなんですよ〜

頭が小さい、足が長い、スタイルがいい姿勢がいいと、かなりいいことずくめな幸太朗が、意気地なしサクちゃんを演じると本当に可愛いんですよ!

チマッと手足を縮めて座っているときなんか、取り敢えずなんでもいいから抱えて走って逃げたい感じ。そして押入に入れたい感じ!たまに出して餌をあげて、お母さんに見つかったら捨ててこいって言われるから我慢してねって言いたい感じ。

もうね、こんな具合に幸太朗しか見てなかったんですけどね(だって全景が見えないんだもん…)、やっぱり一番キたのはラストシーンです。

バックライトになると、涙がポロポロ零れてるのがはっきり分かるんです。ものすごくヘビーなシーンなのに無理なく台詞も言えてるし、感情移入しすぎってほど泣くんだけど嫌味もない。上手な役者なんだなと改めて思いました。

カーテンコールなんか、その真っ赤な目のまま、アキと手を繋いで出てくるんだから堪らないです。やっぱり抱えて帰って押入に 以下略


こんな感じで、とにかく観劇時間のすべてを幸太朗に注いだゆずポンですが、後悔はしていません。とてもいい舞台を見ることが出来て大満足です。最近、ミュージカルは結構…脚本に自分的ハズレが多くて残念ですが、ストレートプレイはまずまず楽しんでいます。
幸太朗の演技はとても好きなので、次回の彼の出演作も是非見ようと心に決めた一作でした。