結論から言うと、森山未來は


                 2005年8月19日 天王洲 アートスフィア
                    モダンミリイ・ダンスコンサート 
                    「WONDERLAND」 観劇レポ
      

美しい。

行ってきました。未來のダンスはチケットが取りにくく、初めから平日の昼という会社員にあるまじき日程でどうにか取ることが出来ました。

今回のステージは、コンセプトを不思議な国のアリスにしてあってストーリーが組み立てられていた分、とても見やすかったです。台詞がないし、芝居かがったボディランゲージを入れる訳にはいきませんからね。ダンスのみでやるなら、こういう分かり易い題材が当てられていると助かります。

で、これから鑑賞予定の方は、以降ネタバレですのでご注意。

未來はウサギ?を飼っている、というか友達なのかな。とにかくあまり活動的な子ではないようですが、ウサギの方は本ばかり読んでいる未來に「ダンスはいかが」と誘ってきます。でも興味なさげに本を読み続けていると、ウサギは踊りつつどこかに消えてしまいます。

散々迷って仕方なく跡を追うことにしたみらいは、その後様々なダンスを踊る不思議な生物たちに出逢うのでした。

と言う訳で、ダンスの種類は様々です。

モダン、ジャズ、クラシック、バレエ、タップ、ヒップホップなんかも入ったりと、とにかくステージ中でありとあらゆるダンスが踊られます。が…

ゆずポン、幾つかのダンスチームを見てますが、こちらの女性ダンサーはあんまり好きじゃありません。なんて言うか、花が感じられないくってねー。好きな方がいらしたら申し訳ないですが、やっぱり女性の動きにはしなやかな美しさが欲しいのです!退団してしまいましたが、宝塚の娘役トップだった映美くららさんという方のダンスは本当に素晴らしいので、機会があればぜひご覧になって頂きたい。

そしてアリスは

ウサギを探し、あちこち走り回るみらいですが、見付けても周囲に阻まれなかなか追いつくことが出来ません。

しかもダンス強要ですよ。

みんなで寄ってたかって引きずり回して踊らせようとするのですが、冒頭から15分以上はすべて逃げ切り踊りません。

あのー、アナタのダンスが見たいのですよ…

それが目的で必死にチケット取ったのですよ…

と散々焦らされ、やっと見られたターン。

美しいとは、こういう動きを言うのでしょうね。熊川哲也さんのバレエもそうですが、男性のしなやかな動きというのはどうしてこう綺麗なんだろう。女性の動きとはまったく違って、独特の美が含まれています。

加えて姿勢がいいですからね。すっと腕を伸ばされただけで「おおっ」と身を乗り出してしまう程に美しかった。とても数年前にプールサイドをドタバタ走り回っていた子じゃないよ!

で、本当に様々なダンスを見せてくれます。

ゆずポンが一番好きだったのは、なんだかダークサイドに落ちたみたいなシーンのダンスです。ポスターにも使われている部分で、実に艶めかしい感じがとてもよかった。でもね、ステージに寝転がってるんですけどね…そんな、そそそんないやらしい顔されると困るんですよ…ハアハア喘がれたらどこに視線をやっていいのかホンット困るんです、いもしない進藤ちゃんをステージに探すほど狼狽えるんです!

また今日もよく顔が拝見出来る位置だったので、ものすごーく恥ずかしかった。で、視線を転じたら明らかに立松コスのお嬢さんがいて色んなものが毛穴から吹き出る気がしました。

いつしかアリスは

ダンスの楽しさとか、自己表現とか、そう言うものに気付いたように、激しく、狂おしく舞い踊る訳です。

食い入るように見詰めてしまうのは、なんていうんだろう、「ダンスのみの舞台」というと前衛舞踊とか、そういうのを想像しがちな素人考えを抜きにして、非常に分かり易く、かつ訴えかけるものを多分に含んでいるからなんでしょうかね。

理屈は抜きにしてとにかく美しく、スマートに、大胆に、しかも現代風。見やすさというのは、舞台における一番大切なものだとゆずポンは思うので、未來のダンスはその点においても大変良く出来たものなのだと思います。

そしてダークサイドからもどうにか抜け出し、様々な生物と踊っているうちにいつしか元の世界に戻っています。

この辺はしょってますが、なんか占い師みたいな人が導いてるんですけどね…黒マント黒頭巾で、ちょっとエッチな感じのおじさん(と決めてみました)が、未來に手を差し伸べたりするとちょっとモジモジします。

元の世界で、未來はそれまでのことを憶えていないのですが、占い師が時折未來に見せたタロットカード?が、本の間に挟まっています。ウサギはまたもや相手にしてもらえず、ひとりステップを踏んでいたのですが、気付くと隣にみらいが…

ラストは二人で、満天の星空の下踊るのですが、ホント可愛かった。

中でも未來のピルエットは本当にすごいと思います。

重心が狂わず、あれだけ連続して回転出来るのは上級のバレエダンサーにならないと無理だと思いますからね。まあゆずポンはバレエに詳しくないですが、とても感動しました。勢いづいて32回転くらい出来るよ、きっと、きみなら。(無理難題)



そんな訳で大満足のステージでした。
前述した通り、彼のダンス公演チケットは大変確保しにくいプラチナチケットと化していますので、興味のある方はあの手この手で入手にチャレンジして下さい。ファンクラブに入会するのが一番の近道なのは言うまでもないですけどね。

2006年、新春早々には「BAT BOY」の再演もあります。
こちらはね…脚本がちょっと…悲しい感じなんですが、初演との違いを見出すためにもぜひ、見に行こうと思っています。
舞台はナマモノなので、出来る限り自分の目で見て、感じたいと思います。何事も“体験”がものを言いますからね!

と言う訳で、レポ終わり。