hkk-006  ≪山岳巡礼≫のトップへ戻る  

 雁田山(759m)

長野県 2009.11.27 単独 マイカー
コース 中国近代美術館j前(8.05)−−−尾根上の道標(8.50)−−−雁田山(8.55-9.05)−−−中国近代美術館前(9.45)


木島平村カヤノ高原から“高標山”へ登るつもりだった。ところがカヤノ高原への道は冬季閉鎖になっていて通行不可。そこで日課の早朝運動の代わりに小さな里山“雁田山”へ登ってきた。

雁田山はこれが3回目か4回目、登山口付近にある中国近代美術館に駐車して山頂を往復した。

毎度同じ道というのも気が進まない。いきなり道のない斜面へ分け入って、適当に山頂を目指すことにする。藪は薄く、かつ落葉したあとということで隙間はいくらでもある。潅木につかまりながら、落ち葉のふかふかした斜面を、ほぼ一直線に尾根へ向かう。傾斜はかなりきつい。

40分ほど汗を流して尾根上に立つと登山道があり、道標が立っている。ここからは歩きやすい登山道をたどって数分、一等三角点のある雁田山の山頂となる。

天気がよく、北信五岳(斑尾山、妙高山、黒姫山、飯縄山、戸隠山)が一望、妙高など頚城山塊の山々はすでに雪化粧をしている。

帰りは登山道を下った。


長野県 2003.01.29 単独 マイカー
コース 中国近代美術館j前(11.30)−−−ニノ岩−−−雁田山(12.35-50)−−−中国近代美術館(13.20)
須坂基線最初の増大一等三角点
雪の下の三角点が掘り出せなかった
『一等三角点の100名山』−(一等三角点研究会選定)−というのがあって、2年ほど前にこれを完登しました。最近三角点に関心が向くようになり、できれば三角点のある山へ登りたいと思っています。

明治時代に日本全土の精密な地図を作るための測量が始りました。そのとき測量の基礎となる「基線」といものを作りました。平坦地に長さが3、4キロのきわめて正確な直線を決めます。精度は100分の1ミリです。季節、晴天、雨天など条件を変えながら測量をくり返して長さが決定されました。
基線の長さが決まると、次にこの基線を底辺として、見通しの良い山頂などに目標点を設けて測量を開始、この目標点が一等三角点で、底辺と目標点との角度から距離を割りだすと(三角測量)、それを底辺としてまた次ぎの目標点へと網の目のように一等三角点が増大していきます。 一等三角点網はだいたい25キロ間隔で、二等は8キロ、三等は4キロ、四等は2キロというよに標高点が設置されていきました。

基線は全国に14ヶ所、本州には神奈川、静岡、滋賀、鳥取、山形、長野、青森の7ヶ所です。これを元にして三角測量の網の目が広がっていったのです。
長野にある基線は、私の住んでいる長野市に隣接した須坂市にあって『須坂基線』と言います。 須坂基線を底辺として最初に目標点である一等三角点が設置されたのが、先日(1/16日)に登った井上山と、この雁田山です。

雁田山は標高759m、山国信州では丘ほどの小さな山ですが、三角点マニアにとっては是非とも登ってみたい山だと思われます。
小布施町のおぶせ温泉、またはその先の中国近代美術館の駐車場からスタートするのがいいようです。
美術館下のせせらぎ遊歩道を少し東へ進むと、案内板がありあます。ここから登山道へ入ります。この季節は夏道は雪の下に隠されていますが、ときおり丸太の階段が顔を見せて、登山道としてもよく整備されているようです。

山頂までずっと冬枯れの雑木林がつづいています。いい雰囲気です。天気が良いと背後には北信五岳がきれいに見えているはずですが、この日は生憎の小雪模様、眼下に広がる墨絵のような小布施の町が見えるだけです。
物音に気づいて見まわすとカモシカが2頭、じっと私を見つめています。哲人の風貌と形容されますが、ほんとにうそんな雰囲気でしばらく目を合わせていました。

大雪の後歩いた人の足跡が残されています。それを拾って行きますが、雪はかなりの深さで一歩外すと股下まで潜ってしまいます。二日ほど気温の高い日がつづいたために表面がいったんは融けたあと、今朝の寒さでそれが氷化、クラスト状態で実に歩きにくく、ふだんの半分ほどのスピードの上に、けっこう体力も使います。
途中ベンチのある平坦部を過ぎて、もうひと登りする三角点の山頂でした。かなり汗をかきました。
「一等三角点 雁田山」と標柱が雪の上に頭を出していたので周囲を掘り起こして見ましたが、目指す一等三角点の標石は見つかりませんでした。多分少し離れた場所にあるのでしょう。
姥石経由で岩松院へ下りることも考えましたが、トレールもないし、深雪を敬遠して同じ道を下ることにしました。

自宅からもごく近くの山ですし、雪のないときにもう一度標石を確認に来たいと思います。

(2003.03.31の小さな縦走はこちらへ)

『須坂基線』について
 
≪山岳巡礼≫のトップへ戻る