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奇妙山=きみょうさん(1100m)〜尼巌山=あまかざりやま(781m)

2003.04.22登頂  2009.02.08登頂

長野県  地図≪信濃松代}≫ 2009.02.08 単独 マイカー
コース 松代岩沢集落上に駐車(8.00)−−−岩窟経由−−−池田の宮コース分岐(8.40)−−−尼巌山(8.50)−−−岩沢集落分岐コル(9.12)−−−奇妙山(10.00-10.05)−−−分岐コル(10.35)−−−岩沢集落上(1055)
尼巌山山頂

奇妙山・・・2等三角点
尼巌山・・・4等三角点


月に一回程度のハイカーをたまに山歩きを楽しむハイカーというのか、あるいはよく山歩きをするハイカーというのか。一昨年あたりまでは、少なくても頻繁に山歩きを楽しむ山好きだった。

今年は元旦に里山への登って以来、1ヶ月余の間をあけて、これも里山の尼巌山〜奇妙山を歩いてきた。例年だとこの時期かなりの積雪があるのだろうが、冬を忘れたような暖冬、街中にはまったく雪が見えない。
スパッツ、アイゼンも持たずに出かけた。

登山道の整備、道標などが最近整備されたということが地元新聞に載っていたが、登山口までが少しわかりにくい。道標が欲しいところだ。
松代の国民宿舎の前を南進、突き当りの小学校前で左折、○○窯などの標識のところで左折、あとは小さな集落の中を山懐へ向かって上っていく。かなり急な坂道だ。岩沢集落の最後の人家を過ぎるたところに無理すれば3台ほどは駐車できるスペースがある。ここに車を止めて出発する。

晴れてはいるが寒さは厳しい。100メートルほどで道は二分して右は奇妙山へ、左は尼巌山。とりあえず尼巌山へ向かう。林道を進むと突然道が消えてしまった。手前にあった登山道を見落としていた。落ち葉を隠す程度の雪を踏み、10分ほどで石仏の鎮座した岩窟となる。この先の道が分からなくなってしまった。強引に岩窟の上へ這い登ることにする。岩窟の左側にとりつく。地面が凍っているので怖い。スリルに脅かされて数メートルの高さを何とか無事に上って岩窟の上に立った。その先ちょっと藪を分けながら上っていくと正規の登山道に合流。

あとは見落とすことのない道をたどり、池田の宮コースの道標、信玄柏ノ岩展望台を経て尼巌山山頂なる。ここまでの高低差は300メートルほど、岩窟で少し時間を食ったために40分ほどを要した。樹間から善光寺平、そして飯縄山や高妻山がよく見える。ことに高妻山の三角錐がいい。

奇妙山山頂 背後に薄く見えるのは飯縄山・黒姫山など
尼巌山からは固定ロープの張られた道を急降下、二つ目のコルには岩沢集落からの登山道が合流している。感じでは尼巌山からこのコルまでの下りは高低差で100数十メートルほどだろうか、だとすればこのコルから奇妙山までは400メートほどの登りとなる。

薄暗い杉人工林の中、比較的緩やかな道がつづく。次第に落葉樹やカラマツが目立っきて、左JA総合研究所・右奇妙山の道標が立っている。ここからは奇妙山へ向かっての雑木林の尾根歩きとなる。
高度が上がってくると気温が低くなってきたことがわかる。北風が衣服の中へ刺し通してくる。ヤッケ代わりに雨具の上着を着込む。足跡が残るほどの雪道となってきた。雪の下は硬く凍っているため、急なところは滑らないように気合を入れて足を運ぶ。軽アイゼンを持参すべきだったかもしれない。

思ったより早く、岩沢コース分岐コルから50分ほどで奇妙山山頂へ到着。6年前に登ったときとぴったり同じ時間だった。石祠や石碑、そして二等三角点標石などがある小広い山頂からは、北の展望が開けて北信五岳(斑尾山・妙高山。黒姫山・飯縄山・戸隠連峰)が一望できる。飯縄山の背後に聳た鋭く天を刺す高妻山が印象深い。

数分の滞頂で山頂をあとにする。岩沢集落への分岐までは来た道を戻り、そこから一気に駐車地点まで下った。山頂では得られなかった北アルプスの眺望が、岩沢集落からは見事に望むことがきた。北ア展望の集落というところだ。
久々にたっぷりと汗を流した半日だった。


長野県 2003.04.22 単独 マイカー
コース 松代岩沢集落上(8.15)−−−尼巌山分岐(8.40)−−−雑木の尾根上(9.00)−−−奇妙山二等三角点(9.30-45)−−−雑木の尾根上(10.15)−−−尼巌山分岐(10.25)−−−尼巌山(10.55-11.00)−−−尼巌山分岐(11.20)−−−岩沢集落上(11.35)
奇妙山三等三角点から北信五岳3座をのぞむ。
(右から妙高・黒姫、飯縄山)

奇妙山とう同名の山が、隣接する長野市と須坂市にあるが、この日登ったのは長野市にあって標高の低い方の奇妙山である。

長野マラソン42キロを走ってから中一日空けただけの登山、しかし思ったほど疲労の残りも感じずに、いつもどおりの山歩きができた。
松代の街から岩沢集落へ向かう。入り組んだ細い道を集落の上へ上へと車を進めて、舗装の途切れたあたりで、ようやく1台分の駐車スペースを見つける。この先からは林道となるが進入がためらわれるような道である。林道はごく短く、歩いても10分とかからない。

林道入口に「奇妙山登山口」の古びた小さな板切れが1枚、山頂まではこれが唯一の道標である。薄暗い杉植林の林道を終ると山道へ入る。作業道が分かれたりしていて少しわかりにくいが、木の幹に記された赤ペンキが目印である。今日の山は5万図、2.5万図とも登山道は載っていない。

枝打ちされた枝の始末も悪く、乱雑な道という感じだ。歩き始めて25分、尾根状の小さなコルへ着く。左が尼巌山、右が奇妙山への分岐である。右への道を取る。相変わらず陰鬱な杉植林の中を登って、やがて落葉樹が見えるようになるとすぐにはっきりとした尾根となる。これまでと打って変って気持ち良い落葉樹林の明るさにほっとする。
道もしっかりとしてきて歩きやすくなる。
わずかに芽吹きをはじめた雑木林を透かして、残雪の北アルプスがうかがえる。朝の陽光を受けて山襞の陰影も鮮明だ。
樹種豊富な雑木の道を、厚く散り敷いた落ち葉を踏んで高度を上げて行く。芽吹きはほんのわずかで、浅緑、黄緑、萌黄などいずれも柔らかな色あいは、まだ冬枯れの彩りとまではいかない。

切り立つ巨岩の縁を通ったりして山頂までは1時間15分ほどの行程だった。
山頂には大きな石が10個前後、中には刻字されたものもあり「国常立尊」と読めるものもある。角が欠けてセメントで補修された三等三角点、石の祠などがあって、結構広い。木の幹に手製の山名板が一つぶら下がっていた。
展望は北側に限られるが、北信五岳(斑尾山、妙高山、黒姫山、飯縄山、戸隠山)はすべてのぞむこが出来た。高妻山の鋭角的な姿が印象深い。眼下には善光寺平が広がり、その中を千曲川の流れが龍蛇のごとくうねっている。さらに展望を求めて先へ進んでみたが無駄だった。

同じ道を尼巌山との分岐まで戻ったところで、立ち止まって思案。心配したマラソンの疲れも感じない。予定してなかったが、尼巌山を往復しようかどうしようか。結局足は尼巌山へ向かってしまった。
薄い踏跡程度のルートを伝って行く。すぐに笹をかき分ける道となるが長くはない。その先も道形はやや不明瞭で藪漕ぎ模様がつづく。しかし案ずるほどのこともなく進める。道を外して尾根通しに鞍部へ向けて岩っぽい急坂を下る。足場の悪いざれた急登をよじ登ると尼巌山のピークだった。尼巌山は“あまかざりやま”と読む。雨飾山を連想してしまう名前だ。
山頂にはきれいに保存されている四等三角点があるが、山名表示のたぐいは一切見当たらない。周囲もカシワ、ヤマザクラ、ミズナラなどの雑木に囲まれていて展望はない。かろうじて樹間から北アルプスの銀嶺が垣間見えるのみ。ちょっと期待外れの感があった。

再び分岐まで戻る。尼巌山往復は約1時間だった。分岐から駐車地点までの下りはあっという間だった。
岩沢の集落からは、ピンクに染まった桃畑を前景にして、中景は長閑な農村集落、その先には眩しく輝く残雪の北アルプス。一幅の絵を見る心地であった。
 
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