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黒岩山=くろいわさん(939m)

長野 2005.06.01 単独 マイカー 二等三角点
コース 平丸峠(4.45)−−−山頂・のろし台跡(5.25−5.35)−−−平丸峠(6.10)
「夏の思い出」を連想する霧の中のミズバショウ
いろいろ事情があって、近ごろ山らしい山へ行くことが出来ない。
午前中だけの時間で登れそうな山を探してみた。地図を広げて眺めていると、飯山市に二つの山(黒岩山・袴岳)が目にとまった。
いずれも登山対象としては無名の山で、ガイドブックやネットなどにも役立つ情報は見当たらなかったが、登ってみると思いがけずも2座ともブナの美しい森が広がる良い山だった。

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地図だけを頼りに最初に目指したのは黒岩山。標高はわずかに939mの低山。飯山市から新井市へ通じる平丸峠からだと簡単に登れそうだ。
夜明け前に自宅を出る。飯山市へ入ると好天の予想に反して霧が立ち込めている。R95号の下水沢信号を左折して平丸峠を目指す。昔の信濃平スキー場ゲレンデの中のカーブの連続する道を上って行く。霧が濃くなって10メートル先も見えにくい。速歩ほどの早さでそろりそろりと走らせる。
峠付近には池があるはずだが霧でまったくわからいな。休憩舎のような建物を通り過ぎ、どうやらいちばん高い地点へ着いたようだ。ここ黒岩山は国指定の天然記念物ギフチョウの生息地であることを説明する看板と案内略図が立っている。しかし黒岩山への道標らしいものは見えない。
さらに先まで車を走らせてみたが登山道が分からずに先ほどの看板まで戻る。明るくなってきたのと、霧がいくらか薄くなってあたりが見えるようになってきた。結局看板から100メートルほど新井市側へ下ったところに『信越トレイル』という道標があり、山道が始まっていた。これをたどれば黒岩山へ通じているものと推測。看板付近に数台の駐車スペースがある。

道標から階段状に丸太で土留めされた上り道へ入る。霧の漂うブナ林が幻想的だ。しばらくすると残雪があったりする。湿地にはミズバョウの群落が見える。霧を透かして見るミズバショウの姿に“夏の思い出”を思い浮かべた。♪霧のなかに うかびくる やさしい影 野の小径 水芭蕉の花が 咲いている・・・♪
信越トレイルの道標で、沢の道から尾根道へと変る。道の両側にはチゴユリの花が列をなすようにして咲いている。カタクリ、イワカガミ、スミレ、ムラサキヤシオ、タムシバなどの花も楽しめる。
道が平坦となり鉄製の建造物の残骸が見えてくる。山のてっぺん近くにいったい何の残骸だろうか。
やがて休憩舎が建つのろし台跡に到着。霧で周囲はうかがえないが、ここが黒岩山の頂上だろうか。三角点は見当たらない。念のために数分先まで行ってみたが、その先はどんどん下っているように思われる。のろし台が多分山頂ということだろう。

下山するまで霧は晴れないままだった。平丸峠付近も相変らず霧に覆われていた。
このあと袴岳へ登るべく斑尾高原へ向かった。

『信越トレイル』についてはhttp://www.shinshu-tabi.com/
 
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