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北大雪 平山=ひらやま(1771m)・比麻良山=ひまらやま(1796m)
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北海道 2005.07.01 単独 マイカー 比麻良山 三等三角点
コース 登山口(5.45)−−−冷涼の滝(6.30)−−−稜線分岐(7.50)−−−平山(8.10-8.20)−−−稜線分岐−−−比麻良山(9.15-9.30)−−−稜線分岐(10.15-10.20)−−−冷涼の滝(11.20)−−−登山口(11.50)
平山の稜線から見たニセイカウシュッペ山
≪平山・・・北海道百名山・日本の山1000≫

滝上町道の駅を夜明け前に出て平山登山口へ向かう。R273号を南下、373号線に出ると東進して北見峠を越える。しばらく走ると平山登山口への道標があり右折、あとは道標にしたがって車を進める林道終点が平山登山口となる。滝上町道の駅から2時間ほどだった。

登山届に記入して早速出発する。案内書では標高差約750メートル、5時間の行程。
行雲の滝、冷涼の滝などを見ながら緩やかな上りを行く。左手の沢には残雪が見えたりする。最初に目についた花はキバナノコマノツメやハクセンナズナなど、このあと素晴らしい花たちに出会うことになる。

右手山腹から幾筋も水流の落ちる水辺には、エゾノリュウキンカが群落を作って埋め尽くすように今を盛りと咲き誇っている。夫婦連れに追いつく。しばらく立ち話をしてから先に立って上をめざす。夫婦はすぐに後方に離れていった。
サンカヨウ、ツバメオモト、オオバキスミレ、ミツバオーレンなど花も途絶えない。

ハイマツ、ナナカマド、ミヤマハンノキなど樹相も変り、高度が上がって来ると小さな雪渓を何回か渡る。雪渓の出入り口には赤テープの目印がつけられているので迷うことはない。
ダケカンバなどの高木帯が途切れると目の前に急斜面の大きな雪渓が立ちはだかった。これが第一雪渓だろう。6本爪のアイゼンを着けて登り始める。登ってみると思った以上に斜度があり、滑落の危険がないとは言えない。慎重に足を運ぶ。雪渓左手の縁に沿って潅木のあるあたりにコースをとる。消えかかった足跡だが、同じようなところを登っているのがわかる。雪渓の上端まで登りきって笹藪にぶっつかる。藪の中に踏み分けたらしい様子が残っている。考えもなくその痕跡を追ってしまった。実は夏道は雪渓上端の右寄りにあって、赤テープの目印もついていたのに気付かなかった。
藪の中の痕跡はすぐに分からなくなってしまった。ここで右寄りに藪を分ければよかったのに、左へ左へと進み、小さな残雪に出るたびほっとするのも
比麻良山山頂
つかの間、再び藪へ。そんなことをしばらく繰り返したがどうもおかしい。今度は右手に方向を変えてみると、大きな雪渓らしいものが見えてきた。第二雪渓かもしれない。強引に藪をくぐって抜け出してみると、大きな雪渓の上端に近い位置だった。雪渓の下端に赤テープが見える。赤テープから足跡らしい薄い痕跡が雪渓右寄りに確認できる。それを目掛けて雪渓上をトラバースして行くと、雪渓出口に夏道があった。

あとは小さい雪渓が一つあっただけで、間もなく平山と比麻良山をつなぐ稜線分岐で、目の前に素晴らしい展望が広がった。手の届きそうな位置に大槍小槍を従えた懐かしいニセイカウシュッペ山、雪をたっぷりと残した表大雪の山並み、藍色のシルエットで天塩岳、それに明日登る予定の武利岳などが目を楽しませてくれた。
足元一面のイワブクロは蕾を持ち上げているが、開花にはまだ1週間ほどかかりそうだ。

とりあえず平山の山頂へ向かう。コマクサがあらわれる。チングルマ、キバナシャクナゲ、イソツツジ、エゾタカネスミレなど種類・量とも思っても見なかったお花畑に感激しながら平山山頂に着く。広大な平坦部を持つ山頂は、いかにも名は体をあらわす「平山」らしい頂だった。
しばし大雪、ニセイカウシュッペ山などの展望を楽しんでから分岐へと引き返し、今度は比麻良山へ向かう。なだらかなこちらのコースもまたお花畑の連続だった。イワウメはまさに大群落、ミヤマキンバイ、チシマキンレイカ、イワヒゲ、エゾノツガザクラ、ウスユキトウヒレン、ハクンサンチドリ、エゾオヤマノエンドウなど、まだまだたくさんの花々が登山道沿いにつづく。一つピークを越えて登り返すと岩の重なる比麻良山となる。
比麻良山からはニセイカウシュッペ山の姿がまた異なった貌を見せてくれる。ここからニセイカウシュッペ山までわけなく行けそうに見えるが道は開かれていないという。大雪左方に見える遥かな山は石狩岳、ニペソツ方面だろうか。

花と展望に満足して山頂をあとにした。
下山は雪渓の出入り口を間違えることなく順調に歩いて、稜線分岐から1時間半余で登山口まで降り立った。追い越した夫婦は、どうやら雪渓で登るのを諦めたらしく下山でも会うことはにかった。

白滝村白滝温泉で汗を流してから、武利岳登山口への途中にある丸瀬布村森林公園の駐車場で車内泊とした。
 
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