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積丹岳=しゃこたんだけ(1255メートル)  余別岳(1298m)
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北海道 2005.07.08 単独 マイカー 積丹岳 三等三角点
コース 積丹岳休憩所登山口(5.30)−−−ランベツの沢(6.20)−−−ピリカ台(7.10)−−−積丹岳(7.55-8.00)−−−余別岳への途中でUターン(8.25)−−−積丹岳(9.00-9.30)−−−登山口(11.40)
積丹岳山頂は霧の中
≪北海道百名山・日本の山1000≫

    
・・・・・余別岳は敗退・・・・・

余市市内のビジネスホテルから積丹岳登山口へ。道はR229号の一本道。積丹婦美付近で登山口への分岐を探すが道標らしいものが見当たらない。
ふと見るとハイキング姿のイラスト看板がある。「農免道路婦美原野地区」という看板、これにちがいない。国道の小川橋という小さな橋のたもとである。帰りに見ると「登山口」というバス停もあった。
この農免道路ヘ入って行くと、ほどなく積丹岳休憩所のある登山口だった。

山菜採りのおじさん二人が登って行くところだった。
大きくて立派な休憩所の中へ入り登山届を記入。出発するところへ数人の登山グループが到着した。
歩きはじめると登山道はまるで泥田状のぬかるみ道となる。長靴の方がよかったと思うが、余別岳への藪は長靴というわけにはいかない。

積丹岳へのルートは地図を見てもわかるが、だらだらとした緩い登りが延々とつづく。道さえよければ足はどんどん前へ進むところだが、滑りやすいぬかるみに気を配り思うようなスピードは出ない。それにしても何というぬかるみか。無数と言いたいような新しい足跡が残されている。
50分ほど歩いたところで「ランベツの沢」と書かれた小沢を渡る。コースは終始深い樹林の中、緩い勾配も相変らずで高度が稼げない。樹林の林床は笹竹、今朝ほどのおじさんたちはタケノコを採りに入山したものだった。途中で「どうですか、採れますか」と聞くと「いやあ、だめだなあ」と返事が返ってきた。

ぬかるみということを除けば道はわかりやすく良い道と言える。
ランベツ沢から50分「ピリカ台」の標柱地点を通過、そのすぐ先が8合目の標識だった。変りばえのしない同じような道をさらに歩を進めると小さな雪渓に出あう。少し傾斜はきついが小さな雪渓でもありアイゼンは不要、この雪渓を過ぎて笹竹の間をひと登りすると積丹岳の山頂だった。三角点標石は見るも無残に欠けている。山頂標識はその少し奥の岩頭のところにあった。南側は深く切れ落ちていて、天気がいいとかなりの高度感が味わえそうだ。

一休みしていよいよ余別岳へのルートへ入る。ガスで視界が悪く、今は雨が上がっているが今朝ほどまでの雨で、藪の中は雨以上に濡れることだろう。
始めはしっかりした道がコルへ向けて下っていたが、それはつかの間、笹や潅木の藪に何とか人の歩けそうな痕跡を追うようになる。数年前測量のために切り開かれたというが、それからは多分放置され、ときどき訪れる登山者でかろうじてコースの痕跡が保たれているのだろう。痕跡と赤テープを頼りに進むが、ほとんどは藪漕ぎ同然、その上寝ている笹に足が滑ったりしてなかなかはかどらない。すでに露で全身びしょ濡れとなっている。そう言えば登山口の休憩所には、危険だから一般登山者は入らないようにと、国土地理院の名前で注意書きがあった。
余別岳一等三角点を何とか踏みたという思いは山々だが、さらにこの先困難が多そうだ。比較的生々しいクマの糞を見る。今日も私以外には人は入っていないはずだ。薄気味悪い。

引き返そう、引き返そうと思いつつ、それでも最初の小さなコブらしきところまで進んだ。積丹岳から30分余、時間的には余別岳の往復は可能とわかっていたが、クマへの不安、霧で見とおしがきかない藪こぎの不安、我慢できなくなってついに引き返す決断をする。
こんな山はやはり相棒が欲しい。年月がたつとさらにこの山は登りにくい山になるかも知れない。もう登るチャンスは多分ないだろう。焦がれながら永久に登れない山が、一つや二つあったっていいじゃないか。それもロマンというもの。そんな言い訳を考えながら積丹岳へと引き返した。

積丹岳を後にして雪渓まで下ると、山頂に青空が広がっている。そこへ今朝ほどのグループが登って来た。もう一度山頂までとって返したが、またガスがかかってしまいついに展望は得られず、余別岳の姿も目にすることができなかった。
下山後、積丹岬の観光をしてから、明日登る予定の小樽市郊外遠藤山・塩谷丸山登山口へと向かった。

翌日登った小樽市郊外の塩谷丸山から積丹岳と余別岳を遠望、さらに小樽港からの帰りのフェリーからも両山の山影を眺めることができた。

積丹岳の下山途中、ものものしい警察の一行に出会う。警察犬も同行している。4日前に山菜採りに入った女性が帰らないため、その捜索中とのこと。連日の雨もいとわずの捜索で大勢の人が入山、そのために雨で濡れた赤土の道がこねまわされて泥田状になってしまったことがわかった。ふだんだともう少し歩きいい道ということだろう。

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