1-1.人間と文化
1-1-3<新しい若者の姿>
3 次の文章を読み,下の問い(問1〜5)に答えよ。
今日,「青年らしさの衰退」という指摘がしばしばなされる。例えば,「ボケベルコ
しかし,青年らしさが衰退したと本当にいいきれるだろうか。実際のところ,今日の青年たちも,思考様式における質的な転換を前提とする,青年期に特有の発達的特徴を
そもそも,青年期が発見され制度化されはじめたのは,18,19世紀のヨーロッパにお
いうなれば,今日の青年は,伝統的な青年期の姿の上に,新しい装いを身につけはじ
今日の社会や人々の問題を,地球的な規模で捉え接近しようとする感性が,新しい青年
問1
文中の 1 , 2 に入れるのに最も適当なものを,次のそれぞれの@〜Cのうちから一つずつ選べ。
1 @ ルソー A レビン B ユング C ハビガースト
2
@ 精神文化の浸透 A バブル経済の崩壊
B 人間疎外の状況 C 自然環境の破壊
問2 下線部aに関連して,その性格を記述したものとして適当でないものを,次の@〜Cのうちから一つ選べ。
3
@ 既成社会にある価値観や権威に対して批判し,抵抗する傾向や内容をおびやすい。
A 社会全体の文化の中にありながら,下位文化として部分的にそれとは異なった性格を示す。
B 社会全体の一般的な文化に対して,地域文化として特定の地域内において創造され普及する。
C 社会全体の文化の中に根づくものもあるが,一時的な流行に終わってしまうものも少なくない。
問3 下線部bに関して,次の表は,18歳から24歳までの青年を対象として,「どんな
@ 1993年の結果では,日本の青年は,他の4か国の青年に比べて,「スポーツや趣味に打ち込んでいるとき」が最も多く,「社会のために役立つことをしているとき」が最も少ない。
A 1993年の結果では,日本の青年は,他の4か国の青年に比べて,「家族といるとき」は最も少なく,「友人や仲間といるとき」が最も多い。
B 1993年の結果では,日本の青年は,他の4か国の青年に比べて,「勉強に打ち込んでいるとき」と「他人にわずらわされず,一人でいるとき」は,それぞれ最も少ない。
C どの国の青年も,「家族といるとき」は16年間で増加しているが,その増加の幅は,日本の青年が最も大きい。
D どの国の青年も,「友人や仲間といるとき」は16年間で増加しているが,その増加の幅は,日本の青年が最も大きい。
E どの国の青年も,「仕事に打ち込んでいるとき」は16年間で減少しているが,その減少の幅は,日本の青年が最も小さい。
表「どんなときに充実感(生きがい)を感じるか」についての青年意識調査(複数回答)
(%)
総務庁青少年対策本部篇『世界の青年との比較からみた日本の青年-第5回世界青年意
問4 下線部Cに関連して,青年期の発見と関わった社会変化についての記述として最も適当なものを,次の@〜Cのうちから一つ選べ。
6
@ 産業革命後,人々の生活の多様化に伴い,伝統的な作法や考え方が継承されなくなったために.年少者が文化の創造の中心となった。
A 産業革命後,工業生産の担い手として多くの年少者が参加し,そこで得た賃金によって,人々の生活が物質的に豊かになっていった。
B 産業革命後,食生活をはじめとして生活全般が豊かとなり,年少者の身体的,精神的成長が大人たちに近い水準にまで促進された。
C 産業革命後,継承すべき知識や技能が複雑,多様なものとなり,年少者を一定期間,労働から解放し組織的に教育を与える機関が設立された。
問5 本文の趣旨に照らし,文中の A に入れるのに最も適当なものを,次の@〜Cのうちから一つ選べ。 7
@青年期の発達をもたらす社会変化の流れの中で気持黒髪ゆれ動く青年の姿
A 青年らしさの衰退ではなく,社会変化と結びついて変貌する青年の姿
B 子どもと大人との間の過渡期にあって,悩み混迷を深める青年の姿
C 社会変化とは関係なく.進路の選択にじっくりと取り組む青年の姿
〔8-本,現社〕