ヒポクラテスの誓い(原文:小川鼎三訳)

 

『医神アポロン、アスクレピオス、ヒギエイア、パナケイアおよびすべての男神と女神に誓う、私の能力と判断にしたがってこの誓いと約束を守ることを。

この術を私に教えた人をわが親のごとく敬い、わが財を分かって、その必要あるとき助ける。

その子孫を私自身の兄弟のごとくみて、彼らが学ぶことを欲すれば報酬なしにこの術を教える。

そして書きものや講義その他あらゆる方法で私の持つ医術の知識をわが息子、わが師の息子、また医の規則にもとずき約束と誓いで

結ばれている弟子どもに分かち与え、それ以外の誰にも与えない。

 

○私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない。

○頼まれても死に導くような薬を与えない。それを覚らせることもしない。同様に婦人を流産に導く道具を与えない。

○純粋と神聖をもってわが生涯を貫き、わが術を行う。

○結石を切りだすことは神かけてしない。それを業とするものに委せる。

○いかなる患家を訪れるときもそれはただ病者を利益するためであり、あらゆる勝手な戯れや堕落の行いを避ける。

   女と男、自由人と奴隷のちがいを考慮しない。

○医に関すると否とにかかわらず他人の生活について秘密を守る。

○この誓いを守りつづける限り、私は、いつも医術の実施を楽しみつつ生きてすべての人から尊敬されるであろう。

   もしこの誓いを破るならばその反対の運命をたまわりたい。』

 

説明:ヒポクラテスは紀元前460年頃から375年頃のギリシャの医師です.当時,医術の数々の偉業を成し遂げ,医学の父とも呼ばれました.

医師としての倫理観を述べられましたが,医療の発展と共に,価値観は薄らいで来ました.

しかし,医師のモラルの指針として私はこれからも大切に守り続けたいと思います.

今でも不滅の医学の父であると固く信じています.

どんな時代でも何らかの倫理観と指針を私たち医療人は持つべきだと考えるからです.

http://www.kanazawa-med.ac.jp/mic/rinri/hippocrates.html(金沢大学医学部)

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