第1回公開学習会『食料増産援助(2KR)の在り方を問う』の御案内

拝呈
春暖の候、ますます御清栄のことと御喜び申し上げます。

さて、当ネットワーク主催の食糧増産援助問題に関する第1回目の公開学習会を下記の要領により開催致します。

食糧増産援助とは、日本の政府開発援助(ODA)のうち、無償資金協力と呼ばれるものの一つで、途上国に農業資機材(農薬、化学肥料、農機具など)を供与するものです。特にアフリカ供与分では3割から5割を農薬が占めています。十分な事前調査なしに大量の農薬等を供与するこの援助は、農薬の危険性、日本の受注企業の談合や相手国政府による援助物資売却益の不正使用といった問題があり、国内外から批判を浴びてきました。

97年度にモザンビークへ供与された農薬の一部は、配布されないまま3年以上も港の倉庫に放置され異臭を放っており、その処分が現地で大問題となっています(共同通信、2002年2月24日配信記事)。同様の問題はエチオピアでも確認されており、国連食料農業機関(FAO)報告書では、期限切れ(オブソリート)農薬問題の要因の一つに、日本の食糧増産援助も関係していることを示唆しています。

農薬に限らず大量の資機材を供与するこの援助は、特に流通システムのあまり整備されていない途上国においては、途上国の食糧増産を支援する目的に使われるどころか、深刻な被害さえもたらしかねません。この配慮に欠けた、国際的にもそのあり方を問われている「援助」は、2000年度も40カ国以上、年間200億円の規模で実施されました。ODA1割削減となった来年度も128億円がこの食糧増産援助分として計上されています。

今回は第1回目ということで、食糧増産援助が構造的に抱えていると思われる問題の概観について話し合います。

御多忙とは存じますが、万障お繰り合わせの上、是非とも御参加下さいます様、御願い申し上げます。
敬具

平成14年3月14日
食糧増産援助を問うネットワーク
共同代表  田坂興亜、今井高樹
日時: 平成14年3月28日(木)午後2時-4時まで
場所: 参議院議員会館1階第5会議室「2KR学習会」
(東京・千代田区永田町2‐1‐1 営団地下鉄永田町駅・国会議事堂前駅下車)
内容: - 世界的なオブソリート農薬の問題の指摘
- 日本の食糧増産援助の関わりと具体的な事例
- 食糧増産援助概説(歴史的背景)
- 質問主意書と答弁からのコメント
- まとめ・質疑応答・意見交換
報告者: 田坂 興亜 国際基督教大学教授(農薬分析専門、当ネットワーク共同代表)
今井 高樹 (当ネットワーク共同代表)他当ネットワーク賛同団体を予定
会費: 500円(資料代)
主催: 食糧増産援助を問うネットワーク(略称2KRネット)
* 要事前予約。入館証を15分前より会館ロビーにて配布します。身分証明書をお持ちください。
* お問合せ・お申込みは共同代表 今井(TEL: 090-1119-0233 / e-mail: kr2-net@paw.hi-ho.ne.jp)まで。
以上

(C) Copyright 2KR Monitaring Network All Rights Reserved