ODA「食糧増産援助」見直しのための調査団派遣について、
外務省との意見交換会への参加呼びかけ

2002年10月22日

外務省改革の動きの中、外務省「変える会」において食糧増産援助の問題点が指摘され、最終報告書では「食糧増産援助(2KR)の被援助国における実態について、NGOなど国民や国際機関から評価を受けて情報を公開するとともに、廃止を前提に見直す」と提言されました。これを受けて外務省も8月21日の「行動計画」において、「現状の食糧増産援助制度については、廃止も念頭に抜本的に見直す。【ただちに検討に着手、本年12月末までに結論】」と明記しました。

私たちは、この動きを評価するとともに、「見直し」作業が外務省の密室で行われないよう、市民の参加と情報公開を求めて外務大臣宛に要請文を提出しました。

要請文について10月15日に外務省と話し合いを行った結果、「見直し」作業のための現地調査団派遣前に、外務省・調査団メンバーと市民との意見交換会を開催することが決定しました。

この意見交換会に広く市民、NGOの皆さんの参加を呼び掛けます。外務省の動きを監視し、しっかり提言していきましょう。食糧増産援助はODAの構造的な問題であると同時に、使用期限切れ農薬など環境問題であり、農村開発、農業協力のあり方についての問題でもあります。多くの、そして多様なNGO、市民の皆さんの参加をお願い致します。

【日時】 10月30日(水) 15:00〜17:00
【場所】 外務省仮庁舎別館 611号室 (JR浜松町駅、または地下鉄大門駅下車)
【テーマ】 食糧増産援助見直しへ向けた現地調査について、外務省側の説明と意見交換
【参加者】 外務省側:無償資金協力課、JICA担当部署、現地調査に参加する有識者
市民・NGO側:「食糧増産援助を問うネットワーク」が窓口となり、参加者を集約
【参加方法】 参加される方は事前に下記までご連絡をお願いします。詳しい御案内を致します。
  kr2-net@paw.hi-ho.ne.jp
または 090-1119-0233(今井)

※要請文の内容は、当HPのトップページより御覧下さい。
  以下、要請文に関する外務省との会合要旨です。


外務大臣宛て要請文に関する外務省との会合 要旨

【日時】 2002年10月15日(火)19時〜21時 外務省1816会議室にて
【参加者】
  • 外務省 無償資金協力課 課長補佐 折笠弘維氏 ほか2名
  • 食糧増産援助を問うネットワーク(2KRネット) 共同代表 田坂興亜、今井高樹ほか4名

<外務省発言要旨>

1.食糧増産援助(2KR)見直しのプロセスについて

  • 11月に調査チーム派遣、調査結果を元に2KRを評価する。12月中には外務省としての見直し案を発表し、ウェブサイトなどでパブリックコメントを募集する。

2.調査団派遣について

  • 2001年度2KR実施国42か国中6カ国(アジア及びアフリカ)に派遣。3つの調査団を編成し、それぞれ農薬、化学肥料、農業機械に重点を置いて2ヶ国ずつを訪問する。各調査団にはそれぞれの専門家(外部有識者)を入れる方向で現在最終調整中。
  • 調査期間は1週間。現地ではFAOや現地NGOとの意見交換会を行う。

3.情報公開、調査結果公表について

  • 相手国との協議内容については先方政府の承認の問題もあるが、極力公表する方向。
  • 調査を元に年内に見直し案を外務省として出し、ウェブサイトでパブリックコメントを募集。それにご批判などを頂きたい。

<2KRネットから>

  • 「外務省側の検討がすんでからパブリックコメント募集」ということでなく、調査段階から市民の意見を入れ、透明性を確保すべき。外務省独自での調査には危惧を抱かざるを得ない。調査団派遣前に、調査内容(調査団の構成、どこの国を訪問し、何をどう調査するのか)について公開し、意見交換の場を設定するべきである。
  • 同じく調査団帰国後にも調査内容の報告と意見交換の場を持つべき。

●後日、調査団派遣前の意見交換について外務省より以下の回答があり、意見交換会開催が決定。

  • 10月30日(水)に、調査団に加わる外部有識者も交えて意見交換会を行う。
  • 今回は2KRネットの要請に応えて行うものであり、外務省として参加者の一般公募はしない。もちろん、2KRネットを窓口として様々な市民、NGOが参加することには何ら問題はない。
  • 会場の都合で参加者は15名程度となるが、若干の追加は可能。

(以上)


(C) Copyright 2KR Monitaring Network All Rights Reserved