■2KRネット提言書 「『食糧増産援助』から『飢えをなくすための農業・農村支援』
への抜本的転換を求めて」発行のご案内


■2KRネット提言書
「『食糧増産援助』から『飢えをなくすための農業・農村支 援』への抜本的転換を求めて」発行のご案内

食糧増産援助を問うネットワーク(2KRネット)では、このたび、ODA「食糧増 産援助」(2KR)の問題点と今後の改革の方向性について取りまとめた提言書を発 行いたしました。

2KRネットは2002年の発足以来、「食糧増産援助」について現地調査を含めた調査 ・研究活動を実施し、外務省との意見交換会等を通じてこの援助制度を抜本的に改革 する必要性を訴えてきました。今回はこれまでの活動を踏まえた上で、現行制度に対 する問題点の指摘だけでなく、「途上国」における「飢え」の問題の原因とその解決 へ向けての農業・農村支援のあり方について、現地農民グループやNGO、国際機関 の取り組みに学びながら提言させていただきました。

本提言書は10月22日に外務大臣宛に提出致しましたが、改革はまだまだこれからの課 題であり、今後とも市民・NGO、研究者、援助関係者等が広く協力していかなけれ ばなりません。本提言書に対して皆さまから忌憚のないご意見、ご感想をいただけれ ば幸いです。

【本提言書の送付を希望される方へ】
作成費用実費(1000円)+送料にてお送りいたします(本文96頁+巻末資料)。
kr2-net@paw.hi-ho.ne.jp までお申込み下さい。


【提言書の内容(目次)】

第1章 はじめに

1.提言書の趣旨 〜過去から未来へ〜
2.提言書の構成


第2章 2KR制度の概要

1.概要と目的(ODA白書より)
(1)事業の開始時期・経緯・目的
(2)事業の仕組み
(3)最近の活動内容
2.2KR成立の歴史的背景
(1)GATTケネディ・ラウンドと食糧援助(KR)
(2)化学肥料業界の要請と2KRの成立
3.2KRを巡る動き(年表)
4.地域別供与額の推移


第3章 2KRの制度的問題 ―2KRにおいて特徴的な問題点―

1.外貨支援、財政支援の側面を強く持つ2KR
(1)2KRの3つの「効果」
(2)プログラム援助としての2KR
2.資機材援助への偏重
(1)農薬、化学肥料、農
業機械の投入に限定
(2)技術協力が伴わない
(3)日本の商社、化学業界は利益を享受
3.日本型「プログラム援助」=生産現場(農村)軽視
(1)生産現場の軽視と事前事後調査の欠落
(2)一国レベルでの食糧自給率アップが目的
(3)外交手段としての2KR
(4)2国間協定による援助
4.財政支援(見返り資金)
(1)小農の手には届かない物資
(2)複雑な制度、不正・着服を助長
(3)活用分野の拡大解釈
5.まとめ


第4章 事例

1.対カンボジア「農薬援助」と、その教訓
2.オブソリート農薬問題
(1)オブソリート農薬とは?
(2)アフリカでのオブソリート農薬大量発生
3.モザンビークに対する2KR
(1)外交政策の一環として始まった2KR
(2)行方不明の資材 そして存在しない記録
(3)環境と地域の健康に日本の支援が与える影響
(4)誰のための援助か?
(5)教訓
4.「成功例」?としてのホンジュラスの事例
(1)平成13年度現地調査報告書の検討
(2)問題提起


第5章 2KRネットメンバーによる現地調査報告

1.2KRネット現地調査:フィリピンの事例
(1)現地調査に至る経緯
(2)調査にあたっての問題意識
(3)フィリピン2KRの概要
(4)インタビュー・調査内容への回答
(5)見返り資金プロジェクト視察
(6)現地NGO訪問
(7)調査から分かったこと
(8)今後に向けて
2.2KRネットのJICA/外務省現地調査同行報告:スワジランド・レソトの事例
(1)現地調査同行の経緯
(2)スワジランド・レソトにおける2KRの概要
(3)スワジランドでの調査から
(4)レソトでの調査から
(5)調査全体の所感
(6)まとめ
3.FAO本部(ローマ)訪問
(1)経緯
(2)面談の概要
(3)全体的な感想


第6章 2KRの制度的問題についてのまとめと私たちの見解

1.外務省の「2KR見直し」(2002年12月)について
2.JICA「食糧増産援助(2KR)実施計画手法にかかる基礎研究報告書」について
3.2003年以降の「2KR見直し」について
4.抜本的な変革の必要性


第7章 「飢え」をなくすための農業・農村支援への抜本的転換を!

1.「飢えている」のは誰か?
(1)誰が飢え、世界はどう対応してきたのか?
(2)一国レベルの「増収」の落とし穴
2.「飢え」の根本的な要因は何か?
(1)「飢え」に関する新しい理解
(2)個人レベルの「飢え」と女性
(3)どのような政策が必要か?
3.「農業の近代化」論の限界
(1)「農業の近代化」の諸問題
(2)「脆弱性」低減の重要性
(3)「脆弱性」の低減・発展的な生産/生活改善のための具体的方策


第8章 国際的な先駆的試みと日本の道

1.英国国際開発庁・研究機関・NGO協働 ― アジア・アフリカ・ラテンアメリカでの 試み
2 .アジアの経験と新しい試み
(1)アジアにおける「緑の革命」の経験
(2)農薬・化学肥料大量供与のオルタナテイブ
(3)日本のNGOの挑戦:アジア学院の事例
3.アフリカでの試み
(1)適正技術の発達
(2)日本のNGOによる取り組み
4.日本の政策 ― 変化のために
(1)JICAの「貧困削減」のための動き
(2)外務省の「貧困」についての考え


第9章 おわりに


巻末資料集

以上



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