放置された農薬

現在(2002年2月末)モザンビークの倉庫に山積みになっている農薬の写真  提供:LIVANINGO (在マプート 環境NGO)

放置された農薬の写真1
 
放置された農薬の写真2
 
放置された農薬の写真3

日本が政府開発援助(ODA)としてモザンビークに無償供与した農薬が同国北部のナカラ港などに三年近く放置され、同国政府が処理に苦慮している(写真)。

品質保証期間を過ぎており、コンテナの扉を開けると異臭を放つ。供与ルートが不明な農薬も同じコンテナに収められているが、大半の農薬には日本の援助であることを示す紙やマークがついている。

モザンビークの市民団体リバニンゴによると、農薬放置が問題化した後も農薬が陸揚げされた。農業省関係者によると、九七年度分を最後に食糧増産援助を中止するまで、日本は最大の農薬供与国の一つだった。

国際基督教大の田坂興亜教授(環境化学)の話

日本の外務省は相手国の要請に基づき農薬を供与していると説明するが、無責任すぎる。他のドナー国は農薬供与を制限しており、日本は突出している。農薬がアフリカの農業生産にどれだけ貢献しているのかについて、外務省は「相手国の首脳が感謝している」と言うが、確かなデータはない。

冬に害虫の世代交代が止まる日本と異なり、熱帯では農薬への抵抗力を持った害虫が大発生することもある。害虫発生の状況に関する調査がほとんど行われていないアフリカでは農薬使用に慎重を期すべきだが、日本は歯止めなく供与を続けてきた。

(マプト3月23日共同記事より抜粋)


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