それは本当に不意なこと。自身の感覚をほんの数秒ほど奪い取られた坊やであって。自分の意図しないことが突然降って来たものだから、意識が軽く混乱に見舞われたのだろうが。気がつけば…自分の唇に柔らかなものが当たっていた。軽く触れてからわずかに浮いて。それから、舌先だろうか温かいものが下唇をチロリと舐めると、そこをそのままちゅっと吸われた。電光石火というほどにも素早いものではなく、掠め取るような慌ただしさもなかったのだけれど。
「……………あ。///////」
そのまま相手の懐ろへ、その頬をくっつけるように埋められてしまっていて。我に返るまでに数刻ほど費やしてしまったのは、大好きな匂いが久し振りだったからかも。でもね、そこはやっぱり………他でもない“ヨウイチ”坊やだから。
「このスケベ。」
真っ赤になりつつも、ちろりんと。よくもまあ こうまで効果的なそれを知ってることと感心しちゃうほどの絶妙な角度から。少しばかり睨み上げるようにして、容赦ない一言をきっちり突きつけて差し上げるのを怠らない。だがだが、今回はちょこっとほど趣きが違ったか、
「何とでも言いな。」
ルイさん、あんまり動じてはいない模様で。
「開き直んのかよ。」
「まあな。頬っぺにキスってのを先にやられたからな。」
口の傍なんていう微妙なところを舐められていて、そのままそっちまで先に奪われては甲斐性がなさすぎるとでも思ったか。意を決して…お先にいただいてしまった葉柱であったらしく、
「お子様には刺激が強かったか?」
「ば…っ!///////」
響きのいい声で、余裕をもって けろりと言われて。それこそ売られた喧嘩に即座に反応するかのように、一気に熟れたように真っ赤になった坊やのお顔。それをしげしげと眺めてやりつつ、
“あ〜あ、勿体ないなぁ。”
こんな可愛いお顔をするなんて、まずはそうそうないコトだから。ビデオか何かにしっかり収めておきたかったかなぁ、なんて。行為と裏腹、お父さんみたいなことを思ってしまった総長さんだったりするのである。………そんな暢気な感慨に耽っているよりも、坊やからの報復を予想して、それをいかに防御するかを考えといた方がいいと思うんですが。(苦笑) コンクリ仕立ての穴蔵のお外では、めっきりと秋めいた透明な空気の中を、大きめのアゲハ蝶がひらふわと舞っている。卵が冬を越すために、具合のいいお庭を探してる。専門家から“厚もの”と呼ばれる、菊の大きな一輪咲きの鉢が並んだテラスまで出たところにて、
「ルイの馬鹿ーっっ!///////」
おおっと。いきなりの怒声にバランスを崩して、中空でよろめいたりして? 相変わらずな人たちだけれど、その“相変わらず”を久々に味わえた至福を…人知れずこそりと噛みしめて。もうじきやってくるちょっぴり寒くなる季節に向かい合う、史上最強の坊やとお兄さんだったりするのでしょう、恐らくは。
――― その“史上最強”ってのはどこにかかる形容詞なんだ?
勿論、俺んコトだよな?
二人一緒にかかってんじゃねえのか?
だとしたって一緒じゃんか。それともルイは、それだと嫌なのか?
いや、そういう訳では………。
はいはい、もう詰まんないことで揉めないの。とっとと終われ。(くすすのすvv)
〜Fine〜 04.10.07.〜10.9.
*だからほら、秋っていったら盛りの季節ですし…。(終わってろ。)
*『NOBODY』の九条やこ様に、またまた美麗な作品を頂いてしまってますvv
とうとう今回は、厚かましくも余さず頂いてしまいましたvv
だって、マネージャーのメグさんが素敵vv
阿含もカッコいいし、待望の(?)“ちうvv”シーンまでVvv
いつもいつも、本当にありがとうございますですvv
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