月夜見
  〜阿吽 A


 ルフィが捕まってるってのは、認めたくはないが…まあ信じても良いだろう。腕っ節は大したもんなんだが、どっか抜けた奴で、聞いた話じゃあ、以前にも道化のバギー一味に捕まったことがあるらしい。
<でもあれは、ナミがそうなるように段取りを組んだんじゃなかったか?>
 ゾロのクソ野郎がそんなことを言ってたが、ナミさんがそんなこと企む訳がねぇだろが。いい加減なことを言うなよな。
「まさか、もう殺されてんじゃなかろうな。」
 俺だってそんな事、考えたくはなかったが、つい心配になっちまった。隙を見て捕まったんなら、その隙ってやつに足元掬われて殺
られちまってるかも知れないと。人間より"物"になっちまってる方が扱いは楽だ。生け簀で飼うより、生きの良いうちに活けじめにしといた方が、手間もいらねぇし魚も旨い…って、一緒にしちゃまずかったな、すまんすまん。…と、
「それはなかろう。」
 先を走るゾロが単調な声で答えて来た。
「賞金首として海軍や政府に引き渡したいなら、生きてる方が高額で引き取ってもらえる。」
 さすがは元・海賊狩りで鳴らした奴で、だが、俺もそのくらいは知っている。海賊がともすれば英雄扱いされかねないこの時代。政府としては公開処刑を望んでいて、一応手配書には"生死を問わず"とされているが、死体では3割ほどボラれるのだそうだ。
「ゾロ、そっちじゃねぇ。次を右へ曲がるんだ。」
「おっと…。」
 時々コースから逸れそうになるクソ剣豪をコントロールしながら、俺たちは指示された町外れの倉庫跡に辿り着いた。正面に横へと引き開ける大きな扉が二枚真ん中で合わさった、馬房に似た旧式の倉庫が通りを挟み込むようにして並んでいる。かつては陸路運搬用の倉庫として重宝されていたのだろうが、今では海路中心に転換したらしいことからすっかり寂れ、人の気配もない…ように見える。
「…おい。」
「ああ。」
 判ってると、低い声を交わし合う俺たちだ。あちこちに怪しい気配や影が見え隠れ。それなりに気配を消しているつもりだろうが、逸る殺気を持て余してる圧迫感とやらが白々しいくらいに見え見えで、却って…知らん顔をしてやらなきゃ悪いんじゃないかと気を遣ってやりたくなるほどだ。新しい煙草に火を点けて、辺りを目線だけでぐるっと見回す。ナミさんの言ってた通り、奴らの目当ては海図じゃあない、俺たち自身だということか。冗談じゃねぇぜ、俺は自由な博愛主義者だ。どんな絶世の美女にだって縛られたくはないし、ましてや…蛮刀ぶら下げた野郎なんぞに拉致されるなんて以
っての外だ。
「どっから手ぇつける?」
「そうだな。」
 示し合わせながらも何だかワクワクして来た。すこぶるつきに人相の悪い、不敵そうな顔が余裕で少々にやついてるところを見ると、ゾロも似たような心境であるらしい。誤解しないでくれよ、レディたち。俺は本来、暴力は嫌いだ。力で叩き伏せてゴリ押しするなんて、野蛮なことだからな。ただ、波乱や嵐に向かうとついつい血沸き肉躍る…とでも言うのかな。思いっ切り身体を動かせる機会がやって来て、それも相手は非道な悪党なんだから遠慮なく薙ぎ倒して良いというシチュエーションであることが嬉しいだけなんだ。戦うことを本能にインプットされてる、男の性
さがってやつなんだろうな、これは。勿論、レディたちを守るためにこそ戦うのが正道ってもんだってちゃんと判ってるから、どうか安心しておくれ。それはともかく、ただならぬ雰囲気なことへ妙にワクワクしていた俺たちだったが、
「あ〜〜〜っ! ゾロっ、サンジっ!」
 突拍子もないタイミングで上から降って来た能天気な声に、そろって顔を上げると、
「よくここが分かったなっ!」
「ルフィ〜〜〜っ。」
 中央の倉庫の屋根の上、すこーんっと晴れ渡った朝ぼらけの空を背景に、ちょこんと顔…いや、肩から上だろうか、それだけが何とか見えているのはウチの船長だ。察するに、今やっとこっちに気づいたらしい。
「何しとんじゃ、てめぇっ!」
「とっとと降りて来いっ!」
 こんな半端な一味に何を遊ばれてるんだと、俺もゾロも呆れて怒鳴る。だが、
「いや…それがそうもいかなくてな。」
 途端に語調が弱くなった。
「???」
 さっきの声の調子からして元気ではあるらしい。ならば"そうもいかない"ってのはどういうことだ?
「どうしたよ、ルフィ。そこに誰か居んのか?」
 何か凶器でも突きつけられているとか?
「誰も居ねぇ。」
「じゃあ、なんでまた…。」
 訊きかけた俺やゾロが"あっ"と息を呑む。それで目一杯らしく、顔のそばまで上げて見せた両方の手首に鈍く光る黒い輪っかが嵌まっていて、両手をくっつけるような格好で1つに括られているじゃねぇか。
「そうか、鉄だ。」
「ああ。奴ら、知ってやがったな。」
 ルフィが食ったっていう"悪魔の実"の話はしたよな? 人に人ならぬ能力を与える果実。グランドラインで生まれたものらしいって事と、海に呪われてるって事以外にも少しずつ判って来てることはあって、悪魔の実の能力者のその能力を封じる方法が、海軍で日々研究されてもいる。海楼石たらいうものが海の力を秘めていることから有効だって話もあるし、そこまで本格的ではないが効果的なものとしてちょっとばかり知られているのが、鉄がある程度は対抗出来るらしいって説だ。海軍でも能力者用に開発された武器に鉄製のネットを射出するランチャーがあって、鉄で作られた枷
いましめはどんな能力にも…絶対的とまではいかないがある程度までは公平に制御効果があるらしい。その鉄製の枷を両手首に嵌められているらしく、しかも鎖か何かで屋根のどこかに繋がれてもいるのだろう。いくら際限無く伸びることが出来たって、枷からは解放されないとなると、成程、自力での脱出は不可能だ。
「絵に描いたような"囮"だな。」
「もしくはネズミ捕りの餌だぜ。」
 チッと舌打ちをしたゾロは、だが、
「どうするよ…って、おいっっ!」
 相談も何もあったもんじゃねぇ。手近な所に積まれてあった樽や木箱を、足場代わりに順々に踏みつけて飛び上がり、倉庫の高めの屋根へと一気に駆け上がって、
「哈っっ!」
 気合い一閃、腰の刀を目にも留まらぬ速さと勢いで抜き放ったから、
「ゾロっっ!」
 何をするつもりかは即座に判ったが、それと同時に無謀すぎるという想いから背条がひやっとしたぜ。あの野郎、ルフィの手首に嵌まってた鉄の枷を、居合いで斬って捨てようとしやがったんだ。考えても御覧、マドモアゼルたち。手首にほぼぴったりへばりついてる手枷だぜ? ほんの数ミリでも太刀筋が狂えば、あいつの腕と名刀の切れ味だ、手首や肘からばっさり切り落とす…なんてことになりかねねぇ。それでなくたって何の打ち合わせもないこと、ルフィが不用意に動けばそれだけで、奴のどこを斬ることになるか判らないんだ。無謀にも程があるってもんだぜ。だが、
「…やったぁ〜っ! ゾロ、ありがとな。」
 風を切る音、そして涼しげな擦過音に続いた、重い金属ががちゃんと落ちた音と共に、ルフィのそんな歓喜の声がした。そうか、無事に切れたのか。驚かしやがるぜ、まったくよ。
「おっと…この野郎っ!」
 遅ればせながら後に続こうとした俺だったが、ゾロの動きが引き金となったか、不細工な隠れ方をしていた賊たちが、あちこちからやっと姿を現しやがった。でっかい蛮刀やナイフを手に手に襲い掛かって来やがるが、勢いばっかりで全然なっちゃいない。右に左に蹴りで掻き分けてから、
「そ〜らよっとっ!」
 少しばかりでかかった奴の頭を踏み台代わりに、俺も屋根の上へと飛び上がる。二人がなかなか降りて来ないのが気になったからだ。もしかしてルフィが怪我でもしているならコトだしな。
「どうした? とっとと戻ろうぜ。」
 その場に俺が辿り着いたのと、ルフィが妙な動き方で屋根の奥まった方へ向かったのがほぼ同時。
「どうしたんだ?」
 妙な動き方だったのは、足首にも鉄の枷が嵌まったままになってたからで、ぴょんぴょんと不器用に撥ねながらの移動をこなしているのだ。
「帽子だよ。」
「はあ?」
「麦ワラ帽子をな、向こうへ飛ばしちまったらしいんだ。」
 ああ、成程な。あのぼろっちい麦ワラ帽子は、あいつの唯一無二の宝だもんな。それは判ったが、
「足枷は? なんで外してやらんかったんだ?」
 訊くと、剣豪野郎はちょこっと視線を逸らした。
「…さっきほど集中出来んのでな。どこを斬るか判らんから後で外してやるって言ったんだ。」
 ははぁ〜ん、成程。さっきは無我夢中だったから出来たが、いざと身構えてルフィに刃を向けるというのはなかなか難しいことならしい。おっと、のんびり立ち話なんぞしている場合じゃねぇんだ。
「数だけは山ほど居るみてぇだぜ、こいつらっ!」
「ああ、そうみてぇだなっ!」
 四方八方からアリみたいによじ登って来やがるのを片っ端から蹴落としてやる。、ゾロはゾロで、やっぱり片っ端から斬り払ってたが、
「先に行こう、退路を確保だ。」
「え? あ、ちょっと待てってっ!」
 そんなこと言ったって、ルフィはどうすんだって思ったね、ホント。ただでさえ身動きが不自由なんだ。それを置いてってどうすんだって。だが、さっきあれほど…脇目も振らずに駆け寄った同じ野郎だとは思えないほどあっさりと、奴は屋根から飛び降りている。
「おい、ゾロっっ!」
 奴の短髪頭を追うように振り返った俺の視野は、あっと言う間に賊の山で埋め尽くされた。だーっっ、うざってぇ奴らだ。どけどけどけって、こらぁっ! こいつら、ホンっトに数が半端じゃねぇぞ。昨夜はここいらの賊たちの寄り合いでもあったんか? 仕方がねぇから俺も下へと飛び降りる。向かい合った倉庫と倉庫の間の通路には、むくつけき賊たちがあふれ返っていて、どこぞの日曜の歩行者天国か、売れ筋ジャンルが集中したイベント会場みてぇだ。
こらこら そこへズボッと埋まった格好になった俺だったが…気色悪りぃんだよっ。野郎にベタベタ触られてもちっとも嬉しかねぇってば。続けざまの開脚旋回蹴りで寄って来るのを片っ端から跳ね飛ばし、船まで帰るための方向を確保にかかる。…と、
「ゾロっっ、サンジっっ!」
 頭の上から声がして、少し先にいたゾロの頭が振り返った。どれが誰やら全然分からなかったんだが、今の反応は素早くて、おかげで一発で見分けがついたぜ。…って、言ってる場合じゃない。声がした屋根の縁、ばらばらばらっと賊どもが悲鳴を上げながら雪崩を打つようにこぼれ落ちて来て、その次に"ししし…"といういつもの笑顔を覗かせたのが、帽子をかぶったルフィだった。ああ、成程な。手が自由になったから自分の身くらいは守れるっていう判断が、お互いの理解のうちに成立してたって訳かよ。そんで置き去りみたいな段取りになったってか。そーかい、そーかい、てめぇら同士では会話も言葉も要らねぇのかも知らねぇが、ちゃんと言えよな、判っかんねぇだろうが、こっちはよ。半ば呆れて見上げてた俺をもっと呆れさせたのが、
「来いっっ!」
 男臭い横顔をほころばせ、にやっと笑ったゾロがそう怒鳴ったことだった。ちょっと待てって、高さを考えろ。倉庫の屋根だぞ? 使われてた頃は、奥の方なんか荷馬車が中に入っての直接の積み降ろしをしていたんだろうし、海沿いの町なんだ、湿気を嫌って床だって高い。吹き抜け3階建てほどは優にあるんだぜ? そんな建物の屋根の上なんだ、ただの二階家の倍近くはあるんだぞ? 普段の奴だったら俺だって心配なんてしねぇ。最初に"とっとと降りて来い"って怒鳴ったくらいだから放っておくさ。けど、今のあいつは足が利かねぇんだ。鉄の枷が嵌ってるんだから、もしかしてそこだけゴムになってねぇのかも知れねぇんだ。足首だけ、人並みに骨折するかも知れねぇ。それを思や、そう簡単に飛び降りて来れるもんじゃなかろうに…っ。
「…っ?! ルフィっ?!!」
 後から思や、例えば…腕は伸びるんだから、どこかに掴まってその収縮を利用して降りて来るとか、いくらでも安全な手は繰り出せた。あまりに突発的だったから、俺も結構パニクってたのかも知れねぇな。俺だけじゃねぇ、相手の賊たちまでもが付き合いよく、あんぐりと口を開けて見守った瞬間だった。何たって…飛んだんだぜ? にやって笑い返したルフィがよ。屋根の縁に手をかけたかと思ったら、クルッと逆立ちになり、そのまんま…後ろざまに倒れ込んで足から飛び降りて来やがった。高いところからの落下ってのは、実は足から飛び降りる方がバランスを取りにくいって知ってっか? 人間は頭の方が重いから、足から飛び降りるってのは随分な無理を強いてるってことなんだと。だから、足から飛び降りた時ってのは、無意識に自転車こぐ真似をしてみたりバタバタと足踏みしてみたりするだろが。目標目がけての飛び込みなんかは頭から行った方が確実なんだそうで…いや、そんなことは今はどうでも良い。その足をがっちり封じられてるってのに、少しも怯まず、まるで何かしらの冒険のオマケみたいに晴れやかに、高い高い頭上から そ〜れは勢いよく降って来やがったルフィもルフィなら、
「おおっし…っ!」
 一本だけ抜いていた刀を持ってはいなかった方、片腕だけでナイスキャッチで受け止めやがったゾロもゾロだ。文字通りの"俺の胸へ飛び込んで来い"ってか? おいおい やってらんねぇよ、まったく。呆れ返ってるこっちに構わず、
「行くぜっ!」
 肩越しに声をかけて来ると、受け止めたそのままの"変型・両腕抱え"から、肩の上へとルフィを担ぎ上げ直して駆け出したゾロであり、確かに無駄な長居は無用だよな。いつまでもぽかんと呆気に取られてちゃあ始まらねぇ。勢いよく駆け出した俺たちで、今度は時間稼ぎや退路の確保なんてもんじゃねぇ、まんま逃走するためだったから、速い速い。
「しまったっ!」
「追えっっ!」
 焦ってみたところでもう遅い。連中に追いすがる隙も与えぬまま、一気に倉庫から遠ざかった俺たちだった。
「なあ、サンジ。」
ゾロの肩の上で丁度後ろ向きになったルフィが呑気そうな声をかけて来る。どうでも良いが、そんな…親方の肩に乗ってる猿回しのおサルみたいな格好になってて喋ると舌を咬むぞ? てめぇ。
「昨日、食いもん沢山買ってたよな。」
「ああ。それがどうかしたか?」
「帰ったら何か作ってくれよ。俺、昨夜っから何にも食ってねぇんだ。」
「判〜かった。」
 ああ、せっかく補給したのに半分以上はなくなっちまうかもな、こりゃあ。

           ◇

 え? それからどうしたかって? どうもこうもねぇさ。ゴーイングメリー号まで駆け戻ると、そのまま慌ただしい出航と相なった。ルフィの足枷はナミさんがちょちょいのちょいで外してやり、俺たちは無事に航路へ乗ることが出来たって訳さ。海軍の分艦隊が入港予定だったってのはホントだったようで、
「ああ、あいつらが話してたぜ。丁度今日来ることになってた海軍に、俺たちをまとめて引き渡すつもりだって言ってた。かなりの賞金が手に入るだろうから、全員気を抜くなって大張り切りだったぜ。」
 ルフィが直に聞いた話だと披露したもんだから、
「それをすぐ傍で見聞きしてたワケ、あんた。」
 ナミさんが美しい眉を寄せて呆れ半分、苛立ち半分という顔になる。くぅ〜〜〜っ! 美人はどんな顔をしても綺麗だねぇ。
「だってしょうがねぇじゃん。」
「しょうがねぇじゃないでしょうが。大体、何であっさり捕まってたりしてたの? あんた、強かったんじゃなかったっけ?」
 ナミさんってば、挑みかかるような目がまた鋭くっておステキだったら。こんなキャンキャンまくし立てちまうのは、恐らくは途轍もなく心配した気持ちの裏返し。不安だった気持ちの清算や、今になって、なんでこのあたしが不安がったりするのよと癪になった反発もある。ぎゅうぎゅうと押し潰されかけてた気持ちを広げるには、こうやって発散させるのが一番なんだ。こういう時は、男は黙って、もしくは逆らわずに聞いてやらにゃあな。朴念仁で野暮ったいルフィに、まさかそこまで判っているとは思えなかったが、
「ああ、お前が捕まってるって言われたからだ。」
「…はあ?」
「女航海士を捕まえてあるって。返してほしけりゃついて来いって言われてさ。」
「………。」
 何てんだろうかねぇ、これって。同じ手をエンドレスで使った相手も相手だが、
「ば、馬鹿ねぇ。」
 ナミさんがやや言葉を詰まらせたのは、意外な矛先が向いて…それもさりげない言い方でとっても優しい構われ方をされたから、不意を突かれてたじろいでしまったのだろう。天然野郎なくせに、いいツボつきやがるぜ、まったくよ。本人に自覚がないのがまた、粋じゃねぇか。(そうかなぁ。) とはいえ、ナミさんとしては言い負かされるわけには行かない。後々の説教の機会に響きかねないからで、
「いぃい? あたしはそんな簡単には捕まらないの。だから…今度からは知らない誰かの言うことなんか頭から信用しないで、ゾロやサンジくん、ウソップにちゃんと確かめるのよ? いぃい? 判った?」
「そっか。うん、判った。」
 特に思うところも無さそうに頷くルフィであり、俺はオーブンから取り出したばかりの骨つき肉のローストを、テーブルへどんと載せた。
「ほら。リクエストの食いもんだ。とっとと食え。」
「おおぉ〜〜〜、凄げぇっっ!」


 それにしても…ナミさんやウソップには"わざわざ言うほどのことでなし"と黙ったままでいるんだが、よくもまあ、あんなクソ恐ろしい救出劇をやってのけたもんだよな。まるで自分をこそ叩き斬りに来たようなノリで突っ込んで来て、問答無用って勢いでぎらつく日本刀を振り下ろされたんだぜ? 怖くはなかったのか?って聞いてみたさ、こっそりと。そしたら、あいつ、何てったと思う?
<ゾロが失敗する訳ないじゃん。>
 にししし…っていつもの笑い方して、あっさり言いやがるんだからなぁ。へいへい、そうですかってとこさ。やってろ、まったく。


                                 〜Fine〜  (01.7.17.〜7.18.)


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