「あれ? どうしたんですか?高見さん。こんな木立ちの陰に身を寄せたりして。」
「おや、セナくんじゃないですか。こっちにおいで。面白いものが見られますよ?」
「?? あ。あの土手の芝に寝てるの、あれって蛭魔さんじゃないですか?」
「うんうん、そうみたいだね。」
「あんな大の字になって…珍しいですね。」
「伸び伸びしていて気持ち良さそうじゃないですか。」
「それはそうですけど。…あ、誰か来ましたよ?」
「そうみたいですね。あれはどうやら、桜庭会長みたいですよ。」
「あ、蛭魔さんに気がついた。」
「そぉっと隣りに腰掛けましたね。」
「起こさないんですね。優しいなぁvv」
「そうですかね。」
「え?」
「だって…ほら、周囲を見回してますよ。何か不審ですよね、あの挙動って。」
「それはそうかも…あっ、いきなり抱き着いたっ。//////」
「やっぱりねぇ。」
「あ、あのあの。こんなとこから覗いてて良いんでしょうか。///////」
「構わないんですよ。だって…ほら。」
「え? あ…蛭魔さんの方からも腕が回って来て…あれ?」
「捕まえたぞっ!」
「な、なになに? 妖一ってば、どうしたの?」
「さあ、行きましょうか、セナくん。」
「はい?」
「あっ。何だ何だ。高見にセナくんも。進まで何だよ。」
「あやや、進さんもいたんですか?」
「向こう側の並木の陰にな。」
「何だよ、皆して。」
「何だよ、じゃないでしょうが。
3日も緑陰館に来ないで決済処理をサボっているのは誰でしょうか。」
「うう…。」
「このまま放っておくと運営が立ち行かんそうなんでな。
それで、この俺が直々にお前用の“囮”になってやったんだ。」
「オトリ…。」
「セナくんも呆れてるぞ。何て策を取るんだかな。」
「こんな手段を講じられるような人性しとるお前にこそ、問題があるんだろうがよ。」
「ううう…。」
「さあさ、人間 諦めが肝心ですよ。
蛭魔くんにまで手を焼かせたんです。今日こそお仕事に戻って下さいな。」
「うう〜〜〜。」
「何を唸っとるか…って、おい、こらっ!」
「こうなったらこのくらいさせてもらわなきゃね。チュウしちゃおvv」
「人前で、やめんかっ! こらっ!」
「はやや…。/////// …あれ? 何にも見えません。」
「ふふふ。セナくんを動揺させて守備陣営を撹乱しようたって無駄ですよ、会長。」
「ちっ、進め。目隠しと来たか。」
「そういう下心で人の唇を奪うつもりだったのか、お前はよ〜〜〜〜。」
「ほらほら、蛭魔くんにこれ以上本格的に嫌われても良いんですか?」
「うう〜〜〜〜〜〜。」
「………進さん。」
「???」
「皆さんの中では、やっぱり高見さんが一番強い人なんでしょうか?」
「らしいな。」
*あくまでも“しゃれ劇場”ですので、ご理解下さいませ。

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