3.アドニスたちの庭にて 編 @  04.6.1.
 

 
「あれ? どうしたんですか?高見さん。こんな木立ちの陰に身を寄せたりして。」

「おや、セナくんじゃないですか。こっちにおいで。面白いものが見られますよ?」

「?? あ。あの土手の芝に寝てるの、あれって蛭魔さんじゃないですか?」

「うんうん、そうみたいだね。」

「あんな大の字になって…珍しいですね。」

「伸び伸びしていて気持ち良さそうじゃないですか。」

「それはそうですけど。…あ、誰か来ましたよ?」

「そうみたいですね。あれはどうやら、桜庭会長みたいですよ。」

「あ、蛭魔さんに気がついた。」

「そぉっと隣りに腰掛けましたね。」

「起こさないんですね。優しいなぁvv」

「そうですかね。」

「え?」

「だって…ほら、周囲を見回してますよ。何か不審ですよね、あの挙動って。」

「それはそうかも…あっ、いきなり抱き着いたっ。//////」

「やっぱりねぇ。」

「あ、あのあの。こんなとこから覗いてて良いんでしょうか。///////」

「構わないんですよ。だって…ほら。」

「え? あ…蛭魔さんの方からも腕が回って来て…あれ?」


  「捕まえたぞっ!」

  「な、なになに? 妖一ってば、どうしたの?」


「さあ、行きましょうか、セナくん。」

「はい?」

「あっ。何だ何だ。高見にセナくんも。進まで何だよ。」

「あやや、進さんもいたんですか?」

「向こう側の並木の陰にな。」

「何だよ、皆して。」

「何だよ、じゃないでしょうが。
 3日も緑陰館に来ないで決済処理をサボっているのは誰でしょうか。」

「うう…。」

「このまま放っておくと運営が立ち行かんそうなんでな。
 それで、この俺が直々にお前用の“囮”になってやったんだ。」

「オトリ…。」

「セナくんも呆れてるぞ。何て策を取るんだかな。」

「こんな手段を講じられるような人性しとるお前にこそ、問題があるんだろうがよ。」

「ううう…。」

「さあさ、人間 諦めが肝心ですよ。
 蛭魔くんにまで手を焼かせたんです。今日こそお仕事に戻って下さいな。」

「うう〜〜〜。」

「何を唸っとるか…って、おい、こらっ!」

「こうなったらこのくらいさせてもらわなきゃね。チュウしちゃおvv」

「人前で、やめんかっ! こらっ!」

「はやや…。/////// …あれ? 何にも見えません。」

「ふふふ。セナくんを動揺させて守備陣営を撹乱しようたって無駄ですよ、会長。」

「ちっ、進め。目隠しと来たか。」

「そういう下心で人の唇を奪うつもりだったのか、お前はよ〜〜〜〜。」

「ほらほら、蛭魔くんにこれ以上本格的に嫌われても良いんですか?」

「うう〜〜〜〜〜〜。」



  「………進さん。」

  「???」

  「皆さんの中では、やっぱり高見さんが一番強い人なんでしょうか?」

  「らしいな。」






  *あくまでも“しゃれ劇場”ですので、ご理解下さいませ。


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