5.アドニスたちの庭にて編 A  04.6.16.
 


「まだ梅雨の最中なのに、連日いいお天気で暑いですねぇ。」

「そうだな。」

「でも、このポプラさんがあるから“緑陰館”は随分と涼しい方ですよね。」

「ああ。」

「そうそう、昨日から水泳の授業が始まったでしょう?」

「ああ。」

「お水が気持ちいい季節になりましたよねぇ。」

「うむ。」

「お水の中は、浸かるにはまだちょっと冷たいんですよね。」

「そうだな。」

「でも慣れちゃうと、やっぱり気持ちいいですよねvv」

「ああ。」

「ただ、それがお昼休みの前とかだと困るんですよね。」

「…?」

「お弁当を食べたらもう、何だか眠くて眠くて。」

「そうか。」

「昨日なんて、ボクら2時間体育の日だったから。」

「うむ。」

「5時限目はクラスのほとんどの子が居眠りしてしまって、
 数学の庄司先生に“起きなさい”って全員が叱られて大変でしたvv」

「そうか。」




  「…なんか、物凄い会話だよね。」

  「会話なのか、あれで。」

  「一応、順番こに話してますし、進の応じは ちゃんと相槌ですからね。」

  「一番判らねぇのは、暑いですねぇって会話を ああまでくっついてするかね。」

  「そうですねぇ。いくら木陰とはいえ、この暑いのにお膝抱っこですものねぇ。
(苦笑)

  「何言ってるの。暑さ寒さも恋の前には無力なんだってvv」

  「言っとくが、俺は暑いのは苦手だかんな。」

  「…この暑いのにアメフトの装備つけて、毎日走り回ってるくせに。」

  「何か言ったか? こそこそと。」

  「いたた☆ 頭叩かないでよう、馬鹿になるでしょー?」

  「刺激になって賢くなるわい。」

  「ひっど〜いっ!」

  「だ〜〜〜っ、くっつくなっ!」

  「………何だかんだ言って、
   こちらも“暑さ乗り切れ! 我慢大会”の様相になって来ましたね。
(くすすvv)

  「こら、高見っ。笑ってないで このくっつき虫を何とかしろっ!」

  「そういうことに水を差すことほど野暮はありませんからね。
   学生生協まで行って皆さんの分もアイスを買って来ますから、ごゆっくり。」

  「こら〜〜〜っ!」




  *あくまでも“しゃれ劇場”ですので、ご理解下さいませ。


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