7.アドニスたちの庭にて ?   04.7.11.



  ――――― ごとり。


「…た、高見さんっ。い、今、何か音がしませんでしたか?」
「…そうですか?」
「しましたよう。な、なんか屋根裏の方から、ごとりって。」
「ふむ…。」
「ネズミさんでしょうか?」
「さてねぇ…。」
「退治しないといけませんよね、ここには大切な書類だって置いてらっしゃるし。
 ああ、そうだ。皆さんの大好きなハーブティのお茶葉や、
 お茶請けにって買ったばかりの堺屋の羊羹だって置いてあるし。」
「それは…そうなんですけれどもね。」
「高見さん?」
「…そうだ、セナくん。学生食堂でパフェでも食べませんか?」
「ははは、はい?。」
「ウチの学食のスウィーツは、
 女性職員さんからのリクエストのせいで結構品揃えが豊富なんですよね。」
「あ、はい。」
「セナくんは何が好きですか?」
「あ、えっと…。」
「チョコパフェですか? イチゴパフェかな?」
「あのあの、プリン・ア・ラ・モードが好きですvv」
「ああ、あれは絶品ですよね。プリンが限定品の特別な牧場ミルクので。」
「はいvv」
「じゃあ、それを食べに行きましょう♪」
「えと、でも。進さんがまだ…。」
「書置きを残していけば大丈夫ですよ。すぐにも追って来てくれます。」
「桜庭さんや蛭魔さんは…。。」
「実は捕まえ損ねたんですよね。一応メールを打っては置いたんですが。
 もしかして、電源を落としたままでおいでかもしれないし。」


  ――――― ことり。


「…また。音がしましたよ?」
「あはは、そうみたいですね。でもま、大丈夫ですって。」
「??? 高見さん?」
「さあさ、行きましょう。早く行かないとプリンがなくなってしまいます。」
「あ、は、はいっ!」



         ◇◇◇



「…ったく。なんで携帯の電源を落としたまんまでいるかな。」
「だってうるさいのは敵わないしさ。」
「うっさい。そもそもガッコで盛るのが一番悪い。」
「う???、妖一が色っぽいのはいけなくないの?」
「しらねぇよ。ほら、下へ降りるぞ。」
「もう良いじゃんか。セナくんは高見が連れ出してくれたんだしvv」
「馬鹿か、聞いてたろうが。進も来ることになってるらしいんだぞ?」
「あ、そっか。う???、残念だな。」
「それと、高見から回ってくるパフェの代金の請求書もお前持ちな。」
「え???? なんで?」
「俺に出させようってのかよ。こんな暑いところで息を殺す羽目にさせたその上にっ!」
「…はぁ?い。」



  *あくまでも“しゃれ劇場”ですので、ご理解下さいませ。




戻る