ヘイスティングス城
Hastings


ヘイスティングス城

イギリス人(正しくはイングランド人ですが)に、「イングランド史上もっとも大きな転機となった出来事は何だと思いますか?」と質問すると、たいていの人は“ノルマン人のイングランド征服(ノルマン=コンクウェスト)”か“ボズワースの戦い”と答えるそうです。

イングリッシュ・チャンネル

イングランド史上の二大ビッグ・イベント言われるノルマン人のイングランド征服は、1066年、ヘイスティングスの戦いでアングロサクソン王ハロルドに勝利したノルマンディー公ウィリアムによって成されました。アングロ・サクソン人のイングランドが、海を渡ってやってきたノルマン人によって取って代わられた、という点では、非常に大きい出来事でしょう。ヘイスティングス城は、そんなヘイスティングスの町と海を見下ろす丘の上に立っています。

*実際に戦いが行われた場所は、しかしながらこのヘイスティングスの地ではなく、実はここから6マイル(約10キロ弱)ほど内陸に入ったバトル(Battle)という町なのだそうです。現在この地には、ウィリアムが建てたという教会が残っています。

パブ

ヘイスティングス城は、戦いに勝利したウィリアムによってこの地に建設され、長年にわたって重要な要塞の一つとして、イングランド防衛の要の役目を果たしました。しかし、1287年に起こった嵐によって崖が崩れ、海の深位が変化し、ヘイスティングスの港としての機能が失われてしまったため、町は衰退し始め、ヘイスティングス城の重要度も共に失われていきました。現在のヘイスティングスは、リゾート地として人気がある町になっています。

町から城を見上げてみると、切り立った石灰岩の崖の上に立つ廃城が見えます。城に着いたのが閉城時間の後だったため、中に入ることはできなかったのですが、城への坂道はきついし、丘の上はかなり風が強いしで、城での生活はかなり大変だったろうなぁ、と想像してしまいました。でも、外部からの侵略を防ぐ防衛の最前線地として、非常に重要な城だったのだ、と思うと感慨深いものがありました。しばらく海を眺めて、昔の人々に思いをはせてみるのも良いものです…。


ヘイスティングスへの行き方 : ロンドンから電車で約2時間。城へは、駅から歩いて15分ほど。




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