シャーボーン城
Sherborne




イギリス北西部のドーセット州にあるシャーボーンという小さな町のはずれに、廃墟と化したシャーボーン城はあります。

12世紀初頭、最初に建てられたシャーボーン城はソールズベリ大司教の居城でしたが、まもなくイングランド王家の所有となり200年余りを過ごします。当時のシャーボーン城は、現在の内郭にあたる部分ですが基礎の部分しか残っていません。塔を配した城壁で守られ、南北には城門が作られましたが、現在最も良く残っているのは南側の城門で、お城見学の際の入場口として使用されています。お城は17世紀半ばの市民戦争の時代に破壊されてしまったため、かなりぼろぼろになってしまっています。

実は、シャーボーン城という名前のお城はもう一つあります。廃墟になったお城から少し歩いたところにある新しいお城の名前もシャーボーンといいます。16世紀末、時の女王エリザベス1世の愛人の一人でもあったウォルター・ローリー(イギリスに最初にタバコを持ち込んだ人物としても有名)がシャーボーン城の所有者となります。当初、彼は古い方の城を改修するつもりだったそうですがすぐに断念し、近くに新しいシャーボーン城を作ることにしたのだそうです。その城が、現在も見られる4階建で四隅に六角形の塔を備えたシャーボーン城なのです。この城に10年ほど住んだウォルター・ローリーはその後大逆罪で処刑され、国王に没収された彼の所領は1617年にディグビー家の所有となり、現在に至っています。



古い方のシャーボーン城は、現在ではイングリッシュ・ヘリテッジの管理にあります。




イングランド スコットランド ウェールズ