[白い楽譜]小話劇場

■時事ねたで小話。
■基本的にovaエスカレーションで百合。たまに他のキャラ・ジャンルもアリ。偏食はイクナイと思います。
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2004年8月6日(金)の日記


本物はいい
 ドラえもん:
「探偵鼻」…ドラ道具はだじゃれ命名が入ってないとイカンのでは?
 しずかチャンが傘をまちがえた→強行帰宅するのび太、駐輪場の自転車に接触→将棋倒し→イヌがよけた→コンビニおやじコンビニ台車に接触、台車移動→故障車の車止めを外した→坂下の現金輸送車に激突→すわ銀行強盗!
「浮き輪パイプとたばこ」
 パイプのけむりで、雲の浮き輪をつくり、これを装着することで空中遊泳ができる。メルヘンな道具(誉めてます)。

(→例によって)
 早川重工R&D、今回の新製品は、タバコ。
「会長代行、これがその試作品です」
 早川ナオミ。高校生にして早川コンツェルンの実質的代表である。金持ちで美人で頭脳も運動能力も…夜伽の技術さえも完璧な、絶対無敵のおねえさま。
 唯一の欠陥(というか第六天魔王ではなく人間であるという証拠は)タバコを吸うこと。
「見かけも味わいも、タバコそのものですが、唯一のちがいは、燃焼温度であります」「燃焼温度は40度から60度まで、配合比率を変えることで調節できます。あたりまえですが、うっかり人体に触れても危険はかなり低く、うっかり灰皿から落ちても火事になるまでには、ずいぶん時間がかかります」「もともとは燃料電池の水素改質器用・低温熱源だったものをイタズラで応用したものなのですが」以下、科学技術な意味不明語がぐちゃらぐちゃらと。
「ふぅん、そう」
 生返事で白衣メガネらの解説を聞き流すナオミおねえさま。
「あぁ、おねえさま。こんどこそ禁煙なさってください。リエは肺ガンになるおねえさまなんて見たく」「うるさい!おまえはペットのブンザイで、このわたしに意見しようと言うの! おしおきが必要だわね」「ああっ」
 ゆうべはくだらないことで、くだらないプレイに流れ込んだものだ。しかし、禁煙はともかく本数を減らさないと、リエがいいかげんウザくて仕方がない。
 どうやって禁煙しよう、って考えてる矢先に、こーゆーもんつきつけるかね、おまえたち!
 などとは、口が裂けても言えない。
 おともに連れてきたマリが、熱心に技師らに質問してる。温度がどうたら、燃焼時間がこうたら。
 理系なことには興味がないと決めてかかっていただけに、意外といえば意外であった。…おや、おみやげに現物を何本かせしめた様子。
 あんなもののどこが気に入ったのかしら?
 その晩のうちに、ナオミおねえさまの疑問は氷塊した。夜伽の担当はマリだったから。
「ああ、おねえさま、ローソクのかわりにこのタバコで、わたしの肉体に聖なる刻印を」
 リエと似たよーな聖女顔をしてるくせに、よくもまぁ意地汚いことを思いつくわね、このメスブタわ!
 自分(の欲望)に正直なごほうびに、その大きな瞳に根性焼きを入れてやろうかと思ったが、目つぶしと生爪はぎは、天丼のエビ天、いちごショートのイチゴ、もちょっととっとくべき貴重なオタノシミイベントだ。上の目ではなく、ビシュヌ神の目〜陰核〜に根性焼きを入れてやることにする。
 禁煙…まぁいいわ、明日からにしましょう。
 ナオミおねえさまは新アイテムを用いて一夜を楽しんだ。
 翌日。正確には翌晩。
「ああ、おねえさま。不遜で僭越なわたくしめに、犠牲羊の刻印を」「まさかミドリ、そのタバコは」「はい、マリから分けてもらいました」
 禁煙…しかたないわね。
 ナオミおねえさまは新アイテムへの習熟を名目に、一夜を楽しんだ。
「ねえ、おねえさま。ボクにも戦士の刻印をきざんでください。ほとばしれ!ボクのエロス!」
(アリサちゃん、インポート先がちがうわ!それにエロスじゃなくてメロス! 台本、台本)
(あ! ええとすいません)
 禁煙…さっさとぜんぶ吸えば、このいまいましいアイテムは無くなる!
 ナオミおねえさまは新アイテムの消滅を名目に、一夜を楽しんだ。
 翌日。正確には翌晩。
「ひどすぎます、おねえさま。わたしに隠れてタバコ吸ってただなんて」
「なんの話かしらリエ?」
「ぜんぶ聞きました、うっかり口をすべらしたアリサちゃんと、自慢げにアルコトナイコトしゃべるマリと、思い出してはウットリしつつ言葉すくなげに自慢たらたら思わせっぷりのミドリから、ぜんぶ!」
「そう。それで、おまえはどうしてほしいの?」
「ですからタバコはお控えに」
 ナオミおねえさまは、これみよがしにシガーケースから、とっておきのコイーバ(キューバの超レアタバコ)を取り出し、点火し、紫煙を肺胞のすみずみまで満たしたあと。
 リエの乳首に押しつけた!
 さいしょから色が濃い部分なら、ヤケドのあとは目立たない。
「本物」をおしつけられて、「本物」の悲鳴が早川邸に響き渡る。
 途絶しかかったリエの意識が最後にとらえたのは、「あぁ、やはり本物はいいわ」と紫煙の向こうにかすむ、ナオミおねえさまの声だった。

リエ、校舎大事
「母、マンション大事」
 築15年のマンション。…クギ刺しても大差ないって査定額。
 大工道具けとばす母。…戻りぎわにまたけとばすのは予測できずヤラレタ!
「おまえはコンタクトなんぞしてたか?」「くつしたはいたままツメ切るのか」いいわけが姑息(本来意味)な母、父には通用しない。
 いろんなブツの賞味期間つうか賞美期間。
 母は45? やいユズヒコ! ちょいとこれは笑えないぜ!

(→例によって)
 聖アザレア学院、学生会室。
 今年のあるじである、小松崎リエは、温厚なおねえさまだと評判なのですが…。
「ダメよアリサちゃん! なんとも思わないの!」「でもぉ、いまさらクギの1本や2本くらい、どーせボ」「ボロじゃないのよ! 歴史があるって言うのよ!! 伝統ある校舎は大切に使わなくちゃ」
 ああっリエおねえさまがさめざめ泣いてますよいつものことですが。リエおねえさまを泣かせると、マリせんぱいに殴られ、ミドリ先輩にいびられるのも、もれなくセットでついてきます。
 その場で反省はしても、なかなか改まらないのが、アリサちん。
 ま、まずい。
 手にしたペンで壁うっかりひっかいた! たったてすじがびーっと!
「ほら。こうやって適当に汚した修正液で、上から塗るの」
 とおりがかったミドリ先輩が助けてくれました。
「文字通り失敗を粉塗するんですね!」「調子に乗らない」「ふへーい」
 その場で反省はしても、なかなか改まらないのが、アリサちん。
 ま、まずい。
 じゅうたんにインクが!
 って、誰よインクつぼのフタ締めずに放置しやがったボケわ! …てめぇじゃあーりませんかトホホのホ。
 アリサは自分で自分の頭を軽くこづいた。
 さぁどうしよ?
「あら。模様替え?」
「あ、はい、ははははは」
「なんかアヤシイ!」ええ、マリはクダラナイことにカンがするどいのですよボケリエとちがって。
「なにこれ。インク? つけたばかり? さっさと牛乳持ってきな!」
 …どこで調達してきたかは、ナイショだ(給食のを残したなんて、言えない、偏食王アリサちん)。
「こーやってトントン叩いて、シミを浮かび上がらせるの」「へぇ〜へぇ〜へぇ〜」「どっかのボタンを連打してないで、ジュウタンを叩く!」「うきゅう!」マリがぽかぽか叩くのは、じゅうたんではなくアリサのアタマ。
「ふぅ。ようやく取れたわね」「はい。良かったですぅ」
 手に手を取り合ってよろこぶ、マリとアリサ。
 ああ、恩讐の彼方に! 菊池寛。
 遺恨をのりこえ、共同で偉業を達成したふたりに、マリア様の祝福を!
「あんたたち、ブァッカじゃないの?」
 ぎぎぃ、と学生会長室のドアを開けて、ずっと見てましたを存在を誇示するミドリは、
「あんたたち、制服の替え、あるの?」
 牛乳と黒インクでウシ模様になってしまっている、ふたりのスカートについて、冷静に指摘したのであった。どっとはらい。

片付けないアリサ
 あたしン家:
「片付けないみかん」
 使いっぱの放り出しっぱのみかん。怒る母。不自由だわ恥かくわ。わざと仕込んでおく母、気付かないみかん。真実を知るユズヒコ。
(→例によって)
 聖アザレア学院、学生会室。
 今年のあるじである、小松崎リエは、きちっとして礼儀ただしいおねえさまだと評判なのですが…。
 ホチキスはつかいっぱの出しっぱなし。はさみは、刃を開いて放りっぱなし。ティーポット&カップはティーバッグ入れたまんま放置。
 彼女のせいではありません。学生会長あずかりにされた、ある劣等生の偉業なのですよ。全部。
「アリサちゃん! なんとも思わないの!」「たはは。ちょっと散らかり気味?」「さっさと片付けなさいっ! あなたは退学かかった行儀みならいってことで、ここに居るのよ!」
 ああっ温厚なリエおねえさまがブチ切れてますよ、めずらしく。それでも改まらないアリサちん。
 見かねたマリは、一計を案じた。
 あらかじめ適当に散らかしておいて、アリサに不便を実感させ、反省させて片付けさせる。
 なぃすあぃでぃーあ〜。
 神の名のもとに正義を行使することは楽しいですからね、どっかの帝国主義国家大統領もやってることだし。
 らん、らん、るー。細工はりゅうりゅう、しこみは上々。
 ぎぎぃ〜。扉のひらく音。
「アリサちゃん! なにこの散らかしようは! ちゃんと片付け」
「どしたのマリ?」
 きょうの花瓶当番はミドリだった。花瓶のまわりだけ、片付けてある。…ついでにぜんぶ片付けてくれてもいいのに。
 こんどこそ、アリサちんが来ました。
「アリサちゃん! なにこの散らかしようは! がみがみがみ!」「ふへーい、ごめんなさ〜い」
 ミドリは思った。
 あらかじめ仕込むマリもマリだが、気付かないアリサもアリサだ。
 平手ぱんち! リエの背後に逃げこんで、あかんべぇ!
 …やっぱりあのふたり、好きであーゆー関係なのかしら?
 どうでもいいけど、後かたづけぜんぶやるのは自分なのよね結局、とミドリは思った。

ライン川のほとりでコンサート
 0803火のミルモ:「沙織とアクミ」
 …毎回楽しいけどさ。通常の3割り増しに傑作の予感!
 平井さん、全員の荷物を片手で。
 鉄のかたまりが空を飛ぶなんて信用できるか!

(→例によって)
 ドイツに音楽留学中の小松崎リエ。
「アリサちゃん、元気してる? こんどライン川のほとりでコンサートやるから聴きに来てね」
 いちおう付き人として、ミドリとマリが随行してたんだけど、ふたりはなんだかうまくいってない。
 会場の設営作業中、
「のわんですってぇえぇ!」「フフンばーか」
 マリがふりおろした拳を、ひょいとミドリがかわして、それは「小松崎さんゑ」の花輪に当たって、それが将棋倒しになって、大型アンプと照明機材が、ピアノの上に落ちて。
 ぐわっしゃん。
 ピアノ、壊れちゃった。
 どおしましょ。
「マリ、あんたのせいよ!」「よけたミドリが悪い!」ってもう一戦しようとして、はたと気付く2人。
 んな場合じゃない。なんとかしなきゃ。
 あわてて代わりを手当しに奔走する2人、ようやく代わりのStain(ピアノ)をつけて帰ってきたら、
「どこへ行ってたの、おまえたち、言いつけを放り出して!」
 ナオミおねえさまが、さくさくっとリカバリーしてました。
 ああ、わたしたちって無能。フ、いても意味ないわね。
 ふたりは家出しちゃいました。…後半へ続く?

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