[白い楽譜]小話劇場

■時事ねたで小話。
■基本的にovaエスカレーションで百合。たまに他のキャラ・ジャンルもアリ。偏食はイクナイと思います。
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2004年9月20日(月)の日記


ほんとうは恐ろしい女子校
(→堪忍袋の緒が切れた)
 よく誤解されるんですが、ね。
 わたしは「マリみて」はそこそこ(かなり)「好き」です。
 乃梨&志摩とか、由乃×令とか。
(前者が攻め、&は甘々、×は鬼畜)

 たんに、ボケ裕巳(だけ)が、ちょっと(うんと)嫌いなだけ。
「何のとりえもない」くせに、モテモテ。おろおろして百面相してるだけで、モテモテ。
 ボケ裕巳にかぎらず、こーゆーキャラは基本的にアレルギーです。
 つうわけで、以下のShortStoryは、裕巳ファンの方は、自己責任で見てください。

<発火点>
20040919日 マリみて「青い傘」
 由乃の友愛に対し、なんの対価も支払わず、フリーライドしてるボケ裕巳。
 ちょっと(うんと)由乃んがカワイソウだと思った。

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あやまれ!! 由乃や聖様にあやまれ!!!

 勝手に落ち込んで、とちくるった行動して、周囲に心配とメイワクをかけまくり、そのくせひとりで勝手に浮上して、あまつさえ翌週は祥子様とルンルン気分だぁ?
 死ね、ボケ裕巳!!


「福沢さん、少々、“お茶”をご一緒しませんこと?」
 ボケ裕巳を誘った彼女らは、もと祥子様ファンクラブの面々だった。
 行った先は、ミルクホールではなく、裏校舎の女子トイレ……ふだんは誰も来ません。
「てめぇが祥子様にフられたからってイジイジしてんじゃねぇよ!」
 でかいオトコオンナに、ボケ裕巳は乗馬ムチで打ち据えられた。
「そうよそうよ。自業自得でしょー。ボケ裕巳のくせに!」
 筋肉女に、ボケ裕巳は背負い投げをキめられ、タイル床に叩きつけられた。
「あなたの不徳が原因ですのに、まるで祥子さまが悪役みたいじゃありませんの!」
 こましゃくれた背が低い女に、ボケ裕巳は爪に針をぶっさされた。
「…きょうはシヴァ神が天罰をくだす日」
 無口無表情な女は、ボケ裕巳の下半身をひんむくと、股間に巨大な張形を突き立てた。めりめりと音を立て、黒い張形は破瓜血で赤く染まる。
「ボケ裕巳さんのくせに、悲劇のヒロインぶるなんて、とっても卑怯です。許せません」
 ちょっと足りなさそうな天然女に、ボケ裕巳はフライパンで打ち据えられた。
「おーっほっほっほっ。苦しいでしょう。みじめでしょう。恨むなら、じぶんの天然な無神経を呪いなさい!」 黒髪女は後輩なので、先輩方のしたことを、ぜんぶおさらいして繰り返した。
 みぞおちに決まった蹴りに、おもわず吐いた汚物。その上に転がされて、5本のヒール(校則違反)で足蹴にされるボケ裕巳。
「あっそーだ。お茶しなくちゃいけねぇよな」
 リーダー格のオトコオンナのロングスカート(校則違反)から、ごそごそと取り出された空き缶。
 …湯気と、不愉快な臭気が立っている。
「ほら、淹れたてだ。せいぜい味わっておくれ」
「立ちションくらい、してくだいよ、リーダー」
「失敬な、いちおうあたしもお嬢様なんだぞ、ったく」
 どぽぽぽぽ、と制服の上から、黄色い液体をふりかけられたボケ裕巳。
「ほら! うちらのリーダーの聖水、きりきり味わってよね」
「まぁ。ステキにずぶぬれですわ。水もしたたるいいオンナ。お似合いですことよ」
「……レイニーイエロー」
「泥まみれの血まみれの尿まみれ。まるでブタのエサ以下ですね〜」
「納豆がないっぺ〜、でも糸ひいてやがるっぺ〜」
 黒髪女が、ボケ裕巳の股間に突き立った張形を、数回、抜き差しすると、ねばっこい糸が引いた。
「け。メスブタの淫乱が! いろんな意味でイっちまいやがった。ま、ちょっとしたストレス解消にはなったかな。さて、午後の授業だ。おまえら、撤収〜」
「そうそう。きょうのことは黙ってませんと、撮影した写真とビデオが、さる筋に大量流出いたしますのよ。ってきこえてませんわね、もう」
「ほっときなさいよ。あとで環境整備委員が回収して、生ゴミの日に出してくれるわよ」
「……えんがちょ」
「あしたが燃えるゴミの日でよかったですぅ」
「ああ、正義ってすばらしいですわ先輩方!」

 彼女らの立ち去ったあとに、顔面に「天誅!」と大書された、もとボケ裕巳であった生ゴミが放置されてた。
 昼休みは、もう終わりだ。

雲の切れ間
(→例によって)
 このごろ、リエが元気ない。
 ナオミおねえさまと、ナニカあったらしい。
「なんでも相談してね」と言ったのに、なーも言ってくれないどころか、ひとりで悶々としてくれて。
 同室のわたしさえも、瞳に映ってない状態が続いてる。
 先日は、雨の中さまよってずぶぬれになってるし。
(リエの部屋は、わたしの部屋でもあるけれど……じぶんちに帰ってくるのに気をつかうバカがどこにいるかね!)
(うちへ帰ってくる前に、アリサちゃんのところに寄って服を乾かして、ってのが、ますますムカツク)
(いまさら、つまんない遠慮する間柄じゃないでしょうに)
 口を割らせようとあれこれ訊いても、強引に迫っても、「ごめんなさい」だけ連発して、貝殻の中にとじこもっちゃうし。
 雨が続くと、空気が重い。
 空気が重いと、気まずい。
 しかし、やまない雨はない、らしい。
「マリ。いままで、いろいろありがとね」
「なによ急に」
「わたし、ひとりでうじうじするばかりで。…なにもしてないままじゃ、いけないわよね、やっぱり」
「良かったぁ。もうわたしたちオシマイなのかなって思っちゃって」
「バカなこと言わないで。ずっと“オトモダチ”でしょ、わたしたち。黙って見守っててくれて、ありがとね」
 カラ元気を集めて動ける程度には、リエは元気になったらしい。カフェルームにミルクココアを飲みに行く、と出て行った。
 −−勝手にふさぎこんで、勝手に立ち直って。もう! ばかリエなんか、知らない!
 マリは、おもしろくない。
 リエが自力で元気になったから。マリのおかげでは、ないから。
 −−そしてわたしは、いつまでも“オトモダチ”。

 ヒトは多くをむさぼろうと、つい不相応に求めてしまう。
 マリア様は、それは罪だとおっしゃる。

 つかつかと窓へと移動したマリは、大きくガラスを開け放った。
 窓の外、木の枝の上に、ミドリがいた。
(はぁい、お元気? よく分かったわね)
(さすがに分かるわよ。毎回毎回、こののぞき魔!)
「で、こんどは何をたくらんでるの?」
「べつに、なにも。どっかのだれかさんが妄想たくましいだけよ」
「あんたがナオミおねえさまと必要以上にべたべたしてるからいけないのよ」
「わたしは、シゴトでナオミおねえさまと一緒にいるだけよ。フフフ」
「信じらんない」
「ま、絶好のチャンスを棒にふったやつあたりを、わたしにされても困るわね」
「ううっ」
 マリが反論をひねり出す前に、ミドリはじゃあね、と伸身宙返りを決めて、どこぞへ行ってしまった。

 より多くを求めてしまうことが、罪なものか!
 ヒトは神様の家畜じゃない。多くを求め、多くを得ようと工夫するからヒトなのよ!

 わたしがもっともリエのそばにいて、わたしがもっともナオミおねえさまのお役に立てる(はず)。
 リエにつられて落ち込んでた自分が、どうかしてた。
 −−Fight !!
 なんとなく、マリにも雲の切れ間が見えた気がした。

<発火点>
20040919日 マリみて「青い傘」
 由乃の友愛に対し、なんの対価も支払わず、フリーライドしてるボケ裕巳。
 ちょっと(うんと)由乃んがカワイソウだと思った。

好きな薔薇は何色?
(→例によって)
 聖アザレア女学院、学生会室。
 ダイエットとおまじないと発情の手ほどきという世俗情報の塊である、そのティーン誌は、こんな山中の宗教系全寮制女学院で、いったい何の役に立つのか? はなはだ疑問であるにもかかわらず、なぜかそのへんの机の上に落ちているのだった。

 赤い薔薇が好きなあなた、ね。
「赤い薔薇は勇気の印。前向きに積極的に行動するあなたは、クラスの人気者。リーダーシップを発揮して、みんなから頼られたり、世話役を引き受けて、みんなのまとめ役になったり。でも、たまにはワガママを押さえて、周囲の言うこにも耳を傾けましょうね」
 人気者、ね。
 目立たず騒がずマイペース、おいしいトコだけかっさらう。がわたしの信条なんだけどな。
 占いなんてちっとも当たらない。ミドリはその雑誌を放り出した。

 白い薔薇が好きなあなた、と。
「白い薔薇は正義のあかし。でも、あまり融通が利かないのも困りもの」
 正義、ね。
 ナオミおねえさまと遠くまで来てしまった自分には、異郷の外国語のように響く単語。
 占いなんてちっとも当たらない。リエはその雑誌を放り出した。

 黄色い薔薇が好きなあなた、あった!
 ほんとは橙色が好きなんだけど、まぁ近いところで。
「黄色い薔薇は勝利のコブシ! 元気なあなたは、ぐいぐいと周囲を引っ張って、まわりを明るくする才能に恵まれています。でも、たまにはおしとやかに女の子らしく振る舞ってみましょうね」
 おしとやかに、ね。
 わたしはいつだっておしとやかで女の子らしいもん!
 占いなんてちっとも当たらない。マリはその雑誌を放り出した。

 なんだかずいぶん痛んだ雑誌。
 でも、これってば今号だよね? どっかで拾ってきたのかな?
 先輩方が、そんなはしたないことをするはずはないので、きっと何度も読み返したのだろう、とアリサちんは判断した。
「先輩方、これ読んでもいいですか?」
「さぁ。つまんないんじゃないかな、きっと」「アリサちゃん、もっと“役に立つ”ご本を読んだほうがいいと思うの」「でまかせばかりだからやめときなさい」
 ミドリリエマリの3先輩が口を揃えて非難囂々のこの雑誌、 先月号もあったような気がしたんだけど、まぁいっか、とアリサちんは思った。

 ps.
 頭髪のセットは、貴人でも賤民でも、等しい時間がかかります。
 ケータイ持ち込んでシゴトする向きもありますが、ナオミさんはリフレッシュタイムに使ってます。
 ひごろは見ないような雑誌など、見たりして。
 …。
 選択肢に黒バラがないのはお話にならないわね、と放り出したナオミおねえさまは、“卒業”しちゃったことを少々さみしく思いつつ、世界遺産写真集を眺めることにいたしました。

<発火点>
20040919日 マリみて「青い傘」
 次回予告より。
 性格悪そうな(誉めてます)柏木に萌え!

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