［白い楽譜］小話劇場

ほんとうは恐ろしい女子校２

（→例によって）
　某リリアン女学院。
「なぁ。クソムカツクよな、あの女［アマ］。島津ちゃんがどんなキモチで、『がんばれぇ。あとで話は聞くからね』っつったのか、ずえったい、分かってないぜ、ありゃ」
　オトコオンナは、ボケ裕巳が校内放送で呼び出され、さきの花寺生徒会長＆さきの赤薔薇とともに、祥子さまがらみで急遽早退する現場に、不幸にも居合わせていた。
「リーダーもあたしも、由乃さんのひとりごと聞いちゃってるからねー。『どうして同学年どうしだとスールになれないのかな』って。アレは痛々しいわよ、どう見たって」
　脳筋娘も、義憤にかられていた。
「おのれの欲望を押し隠し、しのぶ恋。萌えますわ～。“あの”パワフル由乃さんが『“へた令”様も“天然百面相”も、両方ゲットだぜ！』ってチカラ押ししないんですもの。ううっ、想いの深さを実感すると、わたくしも泣けてきますわ」
　こましゃくれチビ女の情報分析能力には定評がある。
「……葬式につけこんで好きと言わせた卑怯者」
　信仰あつい彼女は、全身をぶるぶる震わせている。怒りだ。
「勝手に落ち込んで、勝手に元気になって、勝手にけなげぶりっこして、自分勝手もあんまりですぅ～」
　アタマに花が咲いてるのほほん娘でも、ドタマに血がのぼることはあるのだ。
「花寺のさきの生徒会長の自動車…双子の弟たちが泣いてましたわ。あの女がうんこケツで座席を汚したって。ええ。弟たちの無念、復讐させていただきますわ」
　黒髪ロングの下級生は、いたいけな弟たちのぶんまで怒っていた。

　というわけで。
　呼び出して、タコ殴りにして、ひん剥いて、縛って、吊して、異物ぶちこんで、ぐりぐり出し入れして。
　福沢裕巳さんを丁重におもてなしする、祥子様ファンクラブの面々である。
　今回は、メンバー６人のほかに、ゲストがいる。
　そのへんで捕まえた、うすら汚れたホームレス中年男である。
「あのぉみなさん？　ほんとうによろしんで？」
　くたびれた中年ホームレスのくせに、ヒゲだけ立派な中年は、股間の持ち物も立派な中年だった。
「いまさらエクスキューズはいらねぇだろ、ヒゲのくせに。現役女子校生とヤれるんだ。くされマンコを前にして、ビンビンにおっ立ててるくせに、しらじらしいタテマエほざいてんじゃねーよ！」
　ヒゲ中年に、オトコオンナの乗馬ムチが飛んだ。
「さっさと白濁液まみれにしちゃってよ。あ、ぜんぶ中出しでお願いね」
　脳筋女は投げやりに言った。
「前戯は必要ありませんわ。ローションはなるべく少な目で、きつきつな穴を味わってくださいな。なんなら後ろをご利用なさってもかまいませんのよ」
　準備万端、こましゃくれチビは、すでにビデオを回していた。
「ひーげ、ひーげ、ひーげ」
　一同のヒゲコールにあわせて、中年男の逸物がボケ裕巳の汚穴で往復をはじめた。
「……淫乱発情ブタタヌキ」
　無口女は、じぶんから腰を振り出したボケ裕巳に、ツバを吐いた。
「ボケ裕巳さんはなんでもくわえるんですね。キュウリでもナスでも、男性のソレでも。まるでシンクの生ゴミ受けですぅ」
　花咲天然女は、台所の下水管のほうが、まだキレイだと思った。
「イカくさい白濁液にまみれて、股間でじゅぶじゅぶ泡ふいてる、ブタタヌキ。さあ、直視なさい。これが現実。なにが福沢時空よ。ぜんぶあんたの脳内妄想よ。出せるもんならバラの海くらい出してごらんなさい、おーっほほほほ」
　黒髪後輩は、楽しそうに高嗤いした。
「ぐへへ。ちんくしゃとはいえ、ホンモノの少女小説のヒロイン。いやぁ、現物はいいですなぁ」
　あうあう言いながら、中年男は何度も射精に至った。
「おう、さすがねちっこいな、ヒゲ。溜まりまくってるもん、ぜんぶぶちまけていいぜ。ま、せいぜい楽しんでくれ。さて、みんな、そろそろ午後の授業だ」
　ねちっこく腰を振るヒゲ中年は、まだまだ終わらんよ、という様子。
　残飯をあさる野良犬は、キレイに平らげてくれるだろう。
　おつかれ～、と一同は教室へ引き上げて行った。

＜出発点＞
20040926日　マリみて春　最終回　パラソルをさして
　さわやかな令様、かっこいい柏木＆水野、らぶらぶ乃梨志摩、ドリルぽよんぽよん。歯ぁくいしばって耐えた甲斐はあったかな。
　正直、終わってほっとしてます。これでジレンマから解放。
　はよ死ねやボケ裕巳！
　これだけ主人公“だけ”に殺意を覚える作品っていったい何？　