Notes on Notes


Sorry Japanese only
音楽を中心に、自分が思ったこと、感じたこと、好きなものを書いて みたいと思います。私のほかのページのように他の人に向けた情報ではなく、 自分のための記録としてみたい。
タイトルは「音についての雑録」という程度の意味で、 私的なレコード評でもあり、形を変えた日記かもしれません。

Ana Caram / Bossa Nova

昨日、こんなコーナーも見てくれている人がいるということを知って、 久しぶりの更新。
休みの日の朝にかける音楽を探していて、「夏はボッサかな?」という 安直な発想から買い始めたボサノバ系で一番気に入っている一枚。 ただCHESKYレーベルだからというので手にしたのだけれど、 不思議な魅力があって、つい手にとってしまう。
Ana Caram という人、老成しすぎず、若すぎず、若い頃の Chris Connerのような(て、この人も良く知っているわけではないけど) いい感じです。 (2000.10.8)

Claus Ogerman - Michael Brecker / Cityscape

このアルバム(LP)を渋谷TOWERで手に取った時の感覚は妙に生々しく 覚えている。'83年ごろだったはず。
当時渡辺香津美→STEPSの関連でマイケル・ブレッカーに興味を持って、 思いがけず見つけたアルバムでマイケルが吹きまくっているのに とにかく驚いた。映画音楽的なオケの上で音を紡ぐマイケルの サックスにとにかくひたる一枚。真空管アンプの火を眺めながら 聞くのがよろしい。 (2000.7.16)

Django Bates / Winter Truth (And Homes Blaze)

英国ジャズの気鋭のピアノ弾き+コンポーザ。この人には、Bill Bruford の Earthworks シリーズを経て出会ったのですが、音楽の進歩を引っ張っていく 人だと思います。
ピアノソロのAutumn Fruits などは、少しテクニカルにやりすぎか、とも思えますが、 このアルバムは無条件に楽しい。ロック的な部分もあって本当はもっと広い 層に受け入れられてもいいんですが、多分あまり売れてないんでしょう(笑)。
思索的な部分も含んでいます。
"You can't have everything"のフレーズは、精神的に厳しいときにフッと 思い出したりする。
コード進行だけでできた "Early Bloomer" とか、7拍子かつベースラインが 前から読んでも同じと言う"...And A Golden Pear"とか、 実験的な曲もありながら、とにかく楽しい。 (2000.3.5)

Bjork / Post

あのキュートさがどうも媚びているようにも見えて、あまり積極的に聞こうと 思っていなかったのですが、最近になって急接近。80年代の Kate Bush の役割を 90年代はBjork が果たしていると言っている人がいましたが、なるほど実験的 かつ美しく繰り返し聴ける音楽です。
Postは、今までの作品の中では一番よく聴きます。ビート感が強いので、過激では あるんだけど、聴きやすさもあるという、Kate Bush でいう The Dreaming にあたる 作品なのではないかと思います。
ジャケットに「招福丸」という、大漁旗のようなものが見えるのを知っていますか? (1999.8.27)

Bill Bruford / Feels Good To Me + One of a Kind

この2枚は、私の中ではほとんど一体のものになっていて、10代後半に聞きこんだ レコードとして不可分なものになっています。 今にして思えば、このレコードにほぼリアルタイムで出会うことができたことは、 その後の私の音楽の嗜好に大きな影響を与えているようです。
いわゆる「クロスオーバー」ではないジャズ+ロックの試みとして、 Brufordは一流だと思います。技術的な面はともかくとしても、 リーダアルバムがあんなにつまらないHoldsworthを上手に使っているのには 驚かされます。
さらに"Back To the Beginning", "The Sahara of Snow" などで聞ける Arnette Peacock のアンニュイなボーカルの衝撃。
とりわけ、"Back To the Begininng"は、落ち込んだ時などに大音量で聞いて すっきりするという、治療的な役割も長く果たしてくれました。 今はあのころのように自虐的になることも少なくなったけど、 あのころ聞いていた音のCDをまた集めてみたくなっていたりする。 (1999.7.7)

Pat Metheny / Secret Story

悪名高い(?)"Zero"に至るまでは、Patもアルバムが出るたびになんとなく手にとって しまうアーティストの一人でした。 このアルバムは、「パーソナルで回顧的」とライナーに書かれている通り、1つの 集大成になっています。とかく「あれはジャズではない」とか、「いろいろやるんで 本当に何がやりたいのか、主張が感じられない」とか、いろいろ書かれますが、 インタビューでも、ジャズ界をしょっているという自覚が強く感じられるように なり、このアルバムに結実しているようです。
前の車には、Travelsのカセットが入っていて、長旅ではそれをエンドレスで かけることも多かったのですが、このアルバムはそうもいかず、それなりに 落ち着いて気合を入れないと、跳ね返されて "The Truth Will Always Be" の 静謐な美しさにまでたどり着けません。 (1999.3.6)

Jaco Pastorius / Jaco Pastorius

この人も若くして故人となってしまった人です。これはソロデビューアルバム。
ジャズ、ロック、ソウル、ブルース、クラシックといろいろな音楽的ルーツを 束ね合わせた欲張りな作りですが、ペース弾きとしての個性が際立っている。 10台のときにこのアルバムに出会ったことが、その後に聞く音楽の傾向を決めた (あるいは広げた)とはっきり言うことができます。
このアルバムは、後期のビッグバンド形式のジャコバンドなどでは味わえない 力と美しさがあります。一番多く"針を通した"アルバムかもしれません。 Portrait of Tracy をギターでコピーしたことが あるのを思い出しました。 (1999.1.12)

Michel Petrucciani / Notes'n Notes

昨年末のKenny Kirklandに続いて、ペトルチアーニも逝ってしまいました。 そう言えば今年は喪中葉書が目立ちます。悲しい世代になってきたということか。
ペトルチアーニのピアノには力強さとか、リリシズムとかそういう一言で括れない 魅力があって、分析不可能なのです。つい手が伸びる理由は自分でも分からない。 ある評には、「僕がジャズピアノに求める要素が全部ある」とありました。 そういうことなのでしょうか。無個性に見えて人を引きつけるのは大変なことなのかも しれません。
Note'n Notes は、オーバーダブによる一人2重奏(または3重奏)です。 このページの名前はこのアルバムから借用しました。 聞いていると彼は本当にピアノが好きだったんだとしみじみ思います。合掌。 (1999.1.10)


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Sozo YAMAMOTO