→ back to past diary...  → back to Top...
−2003年7月(前半)−

2003.7.1(Tue)

プログラム修正。仕様変更にともなって関数に渡してやるパラメータが増えたのだが、その関数が孫引き、ひ孫引き、やしゃご引き、…というくらいの入れ子構造になっていて、値の流れがわけわからん状態に。元のプログラム制作者が凝り性だったせいか、やたら細かく関数化してあるのが完全に裏目に出たという状況。確かにプログラムの形としては美しいのだが、もう少しシステム全体の仕様が固まってからでもよかったんでないの。
時雨沢恵一「キノの旅V the Beautiful World」読了。このシリーズ、内容的に関連した短編を、時間軸を前後させて書いている例がいくつか見られるのだが、今巻のとあるエピソードはこれがかなり効果的。うまいなあ。ところで、平時にはけっこうトボけたところのある主人公キノであるが、このエピソードでは「銃の名手」という一面を遺憾なく発揮。強盗(じゃないんだけど、本当は)相手に、傭兵かなんかですかあんたは、とつっこみたくなるほどに八面六臂の大活躍。1対7で相手全滅。ライフルでグレネード弾スナイプ。いや燃える燃える。こういう描写大好き。

2003.7.2(Wed)

プログラム修正はとりあえずできた…ようなのだが、どうも入力するパラメータを変えると挙動不審なような気がする。要検証。
学会準備。とりあえずパワーポイント、発表原稿ともにひととおり完成。あとは発表の練習をしつつ、内容を微調整、というところ。
時雨沢恵一「キノの旅VI the Beautiful World」読了。とあるエピソードで、交通事故の加害者が、被害者の恋人に謝罪の手紙を送り続けたり、お金を送ったりと、さだまさしの「償い」そのまんまな展開だったのだが、まあこのシリーズのエピソードであるから、あの歌のようにきれいに終わるはずもなく。ん〜、ブラックだ。
某所で話題に上がってたから、というわけでもないが。上で書いた「キノの旅」というのは、いわゆるライトノベルというジャンルに含まれると思うのだが、ところでライトノベルの定義って何よ、と言われると明確に答えられないことに気づいたのでちょっと考えてみた。
 とりあえず、何はともあれぐぐって見たところ、のっけから論争が泥沼化していたりする。大元の定義が違う状態で論争しているので話がさっぱりかみ合ってなかったり、作品としての価値(例えば、純文学と比較して、とか)の高低がどうこう、という話にシフトしていったり、自分の好きなものを褒めるならともかく、好きでないものをけなさずにはおれない奴が出てきたりとか、もうしっちゃかめっちゃか。
 まあ、私としては、基本的に面白けりゃ別にどんなジャンル分けされていようが別に知ったこっちゃないのだが、ともかく独断と偏見で定義してみる。
  1. 割と低めの年齢層(中高生?)にも抵抗なく読まれるのがライトノベルである。
  2. 内容的に、現実世界の日常から乖離した世界観の物語(ファンタジー?)を描いたのがライトノベルである。
  3. 表紙や口絵のイラストがマンガちっくで、割と名のあるイラストレーターが担当しているのがライトノベルである。
  4. 上の理由により、マンガ、アニメ、ゲーム等、メディアミックス展開をすることが多いのがライトノベルである。
  5. ということは、登場キャラクターは、いわゆるマンガ的な、かなりデフォルメされた性格付けがなされていた方が都合がよく、また、イラスト等でビジュアル的にイメージが湧いてくることもあり、つまるところ「○○萌え〜」という感想が出やすいのがライトノベルである。
  6. ぶっちゃけた話、富士見ファンタジア、角川スニーカー、徳間デュアル、集英社スーパーダッシュ・スーパーファンタジー、電撃、の各文庫の作品はライトノベルである。
…とまあ、こんな感じ。1、2番はぐぐった結果を基に並べたものだが、3番以降は今まで私が漠然と抱いていたイメージ。要するに、この日記でもたまに使っていた表現だが、侮蔑的、あるいは(それを読んだ自分に対する)自虐的表現としてのヲタ小説というやつである(笑)。そう的をはずした意見でもないと思うのだが、さていかに。
「萌え話」に陥りがち、というのはヲタクの特徴、と私は思っているのだが、そういうのがライトノベルだとすると、例えば、森博嗣のS&Mシリーズは、「犀川先生カコイイ!!」とか「萌絵タン萌え〜」とか言いつつ読んでいるし、そういやマンガにもなっているから、ということはあれはライトノベルか、という論じ方もできるわけで(できねえよ)。
 ちなみに、個人的な見解では、「ヲタク」と「マニア」の違いは、作品について話をするにあたって、萌え話しかできないのがヲタクで、他人の鑑賞に足る「評論」をできる人がマニア、という定義なのだが。いやこれも異論がありそうだけど。
ちなみに、6番の定義については、たぶん他にも該当するものはあると思うが、うちにあった本がこの文庫のものだけなのでとりあえず並べたまでである。で、改めて我が家の本棚を見てみると、ライトノベルが結構多い。所有する小説の中で三分の一くらいは上記のライトノベルだった。やはりこういうの好きなのかもな。ちなみに、残り三分の二のほとんどは推理小説だった。さらに言うと、その推理小説の中の四分の一(全体の六分の一)は森博嗣作品だった(容積比)。まあこの人の本はやたら分厚いから。まあ、それを言うなら、ライトノベルの割合を押し上げているのはひとえに「風の大陸」本編24巻外伝3巻サイドストーリー3巻以下続刊、のせいなのだが。

2003.7.8(Tue)

学会絡みで少々忙しかったのですよ。というわけで以下ダイジェスト。
札幌で行われた(ていうか今週いっぱいやってるんだが)国際学会に2泊3日で参加。自分の発表だけこなしてとっとと退散。
 発表の方は、質疑応答込みの持ち時間15分を目一杯使って発表してしまったため、「時間はないけど質問ある? …ない? あ、そう。じゃ次(意訳)」ということで質疑なし(笑)。発表前に、「発表は10分ね」などと念を押されて、「OK」とか言っておきながらこの体たらく。全然OKじゃねえ。まあ、英会話能力の貧弱ぶりがばれることは避けられたものの、飛行機代と宿代かけて何しに行ったんだかよくわからん状況に。もっとも、私の直後の発表者(ほぼ同業者)が時間をきっちり守ったのにもかかわらず、こちらも質問皆無だったことからして、要するにあんたらこのネタ興味ないでしょ、という客層だったせいもあるのではないかと思われ。
以前asahi.comにも載っていたのだが(ここの記事は少し経つと消えるのでgoogleキャッシュ)、学会会場で「世界初のフルカラープラネタリウム」という奴が展示されてたので見てみた。…結果から言うと非常に微妙な出来。「プラネタリウム」という言葉の定義にもよるとは思うのだが、これが「任意の時刻、場所での星空を半球状スクリーンに投影できる機械」だとすると、「フルカラー」という売り文句に意味があるんだかどうだかよくわからん。黒地に白っぽい点々の集合で「これがフルカラーですっ」などと言われてもわからねえよと突っ込むしかない。実際のところ、256色に減色してても見た目に大差ないような気がするのだがいかに。でまあ、さすがにこれではフルカラーの利点を生かせないと思ったか(ホントのところどうだか知らんが)、探査機や人工衛星等からのカラフルな拡大画像、CGによる想像図などを色々取り混ぜて(要するにNHKスペシャルなどでやっているような番組風に)番組を構成しているのだが、どうも半球面に投影する際に補正をかける、などということを全くやっていないようで、こういうイメージがゆがんで見栄えの悪いこと。この記事を初めて目にしたときには、半球面に投影する際の画像の補正、などということは当然やっていてしかるべき、というように思っていたのだが、実際は上記の通り。何というか、わざわざプラネタリウムという形式でやる意義がほとんど感じられない。これなら普通の平面スクリーンに投影した方がいいんではないかと。結局のところ、PC用の液晶プロジェクターとどう違うのかというあたりがよくわからん代物。
最終日(ていうか今日)、飛行機に乗る前に2、3時間ほど時間が空いたので、学会会場(西11丁目付近)からJR札幌駅に向かってブラブラ歩きつつ、


道庁赤れんが → 時計台、というベッタベタな観光ルートを辿り、大通公園に立ち寄ってラムネ(ビー玉入りの本物)を所望し、そこらのラーメン屋で食事をして、とどめにおみやげ屋で「白い恋人」を買う、といういかにも観光客なコンボをかましてまいりました。天気がよくて何よりだった。梅雨とは無縁の、暑すぎもせず、かといって肌寒くもなく、歩き回るにはいい感じの天気。
というわけで学会も終わり。これでしばらくのんびりできそう。
時雨沢恵一「キノの旅VII the Beautiful World」読了。ああ、既刊全部読み終わってしまった…。

2003.7.9(Wed)

学会終了直後くらいゆっくりしたい…ところであるが、なんか急に書類書きが舞い込んできて黙々作業。

2003.7.10(Thu)

頼まれ仕事で、夜空の全天画像を入手する必要が出てきたので、google駆使して探索。NASAあたりでバイナリデータを公開してそうなもんだとたかをくくっていたのだが、探しても見つからず、あったのはjpg画像のみ。しかも、エイトフ図法とか言う、特殊な投影法(全球が楕円状に投影される)だったため、このままでは使えない。使うには経緯線が直交してないといけない(いわゆるひとつのメルカトル図法)ので、こうなったら元画像を変換して使うしかない。と言っても変換法なぞわかりゃしないので、図書館に行って「地図投影法」なる本を借りてくる。目当ての変換式はあっさり見つかったが、一口に地図、と言っても色々あるのだなあ、とちょっと関心。昔、地理の試験勉強で正距方位だのモルワイデだのホモロサインだの、実際の投影方法も理解せずに丸暗記していた覚えがあるが、こういうのをもう少し突っ込んで(数式も交えて)話をしてくれると、もうちょっと面白かったと思うのだが。もっとも、sin、cos、tanなんてものに抵抗がある人だとますますわけわからなくなりそう。

2003.7.11(Fri)

研究室でパンフレットを作る、という話が前から出ていて(オープンキャンパスで見学に来る高校生に配ろう、という腹づもりらしい)、まわりで色々侃々諤々喧々囂々(漢字、間違ってないな?)。おおざっぱな話の流れを説明すると、まずボスが作った素案があって、それをプロのデザイナーに見せて意見を伺ったところ「字、多すぎ」とにべもない返事で、それを元に我らがぢょしゅ2氏が改変したら何故か元の素案よりさらに字が増えて、しかもデザインも大幅改変、あげくにそれを見た学生連中から「元の方がよかった」と身も蓋もないブーイングの嵐(笑)で、あんなのを決定稿にされちゃたまらんと、学生の有志連中が独自に動いている、とまあそんな感じ。ま、たしかにあの第2案に反対、ってのは同意するが。パッと見ゼミ資料かと思ったし。あの手のデザインセンスに関してはあまり人のことは言えないのだが、さすがにあれはどうかと。
 で、その対案について学生連中が私の部屋で色々しゃべってたので、一応話だけ聞いてたのだが、この研究室のウリはなんだ、というところでまた侃々諤々喧々囂々。…そんな、研究室のウリを考えるのに侃々諤々喧々囂々やらないといけないというのは、元々そんなもんないからなのでは、などと突っ込みたい気分なのをとりあえず押さえておくので手一杯。実際のところ、うちみたいに特に世の中の役に立つでもない研究が主であるところが、ことさらに研究意義とやらを探そうとしても、正直言って白々しかないか、と思われ。君は何故山に登るのだ → そこに山があるからだ、の精神でいいじゃん(笑)、と言いたかったなあ、言わなかったけど。まあ、実際のところそれでは研究予算取れないし、その辺はなんか理屈つけてるんだろうけど。ていうか私も学位論文のイントロに書いたりしてるけど。しかし、どうもこの手のネタは書いていて白々しさが拭えんなあ、と思ってしまう私は研究者失格ですか。

2003.7.12(Sat)

自宅マシンにCD-Rドライブでもつけるか、と思って5件ほど店を回って見るも、結局値段確認だけして撤退。どうも私はハードウェアを買うときって躊躇することが多いのだが。基本的にメカ音痴だからかもしれない。たかだか1万円弱の買い物、値段的には躊躇するようなもんでもないのだが、もしかしたら動かない可能性とか、作業中にぶっ壊す可能性(笑)、などを考えるとイマイチ積極的になれんのかも。これでは自作PCを導入したメリットがないな。まあ、1、2週間ほどこの気持ちを寝かせておくと、徐々に買う気になってくるので、たぶん来週あたり買う予定。我ながらまどろっこしい。とりあえず、TWO-TOPにあった製品が最安値。読み書き速度も取り立てて遅い、というわけでもないので、あれで決まりかな。
その代わり、というわけでもないが、ソフトに関しては割とホイホイ金を出してしまうのか、プリンセスソフト「Phantom -PHANTOM OF INFERNO-」購入。知ってる人は知ってると思うが、このソフト、PC18禁ゲーのコンシューマ移植版。元々そっちの要素はかなり薄くてコンシューマ移植しても全然問題なし、という話は耳にしてはいたのだが、確かにそんなのいらねえわな、という感じ。マフィアだのギャングだのヤクザだの、その手の連中が入り乱れてかなり濃いぃ話。まあ、この手のハードボイルドな話だと、たまにそっち要素なシーンが出てきたりもするが。あ〜この辺、元はそーゆーシーンが入ってるんだろうなあ、と想像はできる程度。
 それより何より、銃器関係の説明がやたらめったら細かくてマニアにはたまらん、というところだろうか。任務に赴くときに銃を選ぶ選択肢がいちいち出るところなんかもう。デザートイーグルは大仰すぎるよなあ、マグナム…なんてダーティーハリーじゃあるまいし、とか何とか言って結局いつもベレッタを選択してしまう私。無難すぎ。組織一のヒットマン(←主人公)の名が泣きます。次の任務では「あぶない刑事」を見習ってコルトパイソンくらいは選べるように精進しよう(笑)。ちなみにこの選択が物語の進行にどう絡んでるのかイマイチ不明。実は全く関係なかったりして。

2003.7.13(Sun)

そりゃまあ、新しくゲームソフト買った次の日の日曜ですもの、こもりますわな、普通は(…普通か?)。

2003.7.14(Mon)

予備校講義。月曜の担当なので、何かと祝日等でつぶれることが多く、全体では夏休み期間に入っているにもかかわらず講義の割り当てはあったのだが、予備校側で「休み前は先週で終わり」などという張り紙をしてくれたため、生徒がいやしねえ。事務に言ってやったら、そこら辺かけずり回って一人だけ生徒を捜してきたので、無駄足にならなくて済んだが。その生徒、講義があることを認識してなかったようで、いかにもやる気なさそう。まあ、やる気があろうがなかろうが、講義してしまえば給料は同じである。

2003.7.15(Tue)

ここのところ、隣の研究室の仕事について上から指令がさっぱり降りてこなくて放置プレイ状態。マジでやることないんすけど。おとなしく自分の研究してろってことですか。
→ back to past diary...  → back to Top...