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−2003年11月(前半)−

2003.11.5(Wed)

人知れずコソーリと復活。
別に死ぬほど忙しかったとか、凹む出来事があったとか、もしくはWeb日記書きにありがちなPCがイカれたとか、その手のイベントは全くなく。要するに、その手のイベントが全くなくて、のっぺりまったり平板な日々。これでは日記にならねえ、という状態。手間暇かけて日記書く意味がなくなってしまったわけですな。ゲームもろくにやってないし。ここ2ヶ月、私はいったい何して生きてきたんだろうか(笑)。全く印象に残ってない。
 しかしまあ、2ヶ月も書いていないといい感じに禁断症状が出てくるもので。ちうわけで復活。
とは言え、ネタに困る淡々とした日常なのは余り変わっておらず。数少ないネタだった学会も先週末に終わってしまって、死ぬほどではないが程々には忙しい、という状態から、結構ヒマ、な状態にまでクールダウン。仕事の方は、7年分の衛星データ処理系がようやく固まって、3台のマシンが朝から晩までガリガリ計算しているところ。コマンドを打ち込んでしまったのでやることなし。話によると新しい仕事が入りかけていたのだが、NASDA改めJAXA謹製の「みどりII」がものの見事にあぼーん、で立ち消え。なんまんだぶ。
…結構ヒマ、などと言っておきながら、よくよく考えるとほったらかしの論文書きがあったり、予備校の模試の採点があったり、突然シンポジウム発表が舞い込んだりと、実は結構やることはあったりするのだが。とりあえず、ミーティングの席上で「発表してみたら」などといかにもその場の思いつきで言ってのけるボスは何とかして欲しいと思った。しかも締め切りを1週間も過ぎてから。いやなんかその程度の遅れはどうとでもなるらしいんだけど。

2003.11.6(Thu)

仕事の方は、処理の終わったデータのバックアップくらいしかやることがないので、ここはひとつ自分の研究でも…と思ったが、学会が終わったばっかりなのにそうそうやる気が出るはずもなく、とりあえず論文でも眺めてみたもののさっぱり頭に入らず。
予備校模試採点。最低0点から最高91点まで、見事なまでのばらけよう。40〜50点あたりの答案が結構多いようで、難易度の付け方としてはほぼ理想的なんではないかと。去年の同時期にも模試を作ったのだが、そのときは「ウチの大学受験向け」という売り文句を真に受けて、旧帝大入試問題から全て引っ張ってきたら、その惨状たるやすさまじいもので。今回は去年の轍を踏まないよう、今頃合併論議であたふたしてそうな問題が易しめの大学から持ってきたのが大正解。ちょっと難易度下げ過ぎか、と選んだときは思わなくもなかったが、うまくいった。
ボイジャー1号、太陽系の縁に
 …これ見て、宇宙開発ではアメリカには未来永劫かなうまい、と思ってしまった。だってあなた、Heliopause(太陽圏界面)ですよ。この辺の領域になると、せいぜいがこんなイラストの中の話という認識だったのに、in situでこんな領域の観測をすることになるとは(実際のところちゃんと観測できてるのかよくわからんけど)。すげえ。中国も宇宙に人ひとり飛ばしたくらいでアイヤーとか言ってる場合じゃないよ(注:言ってない)。そういや日本の火星探査機はどうなったんだか(注:禁句)。
 今日たまたま、2010年あたりに日本でも木星に探査機を飛ばすとかなんとか、そんな話をぢょしゅ氏からされたんだけども。とは言っても、メインは惑星間空間を飛翔する際の推進力に関する工学系のテストらしいが。で、そのおまけとして、我々のような理学系の観測器も載せてくれるらしいので、何か測りたいものはないか、と話を振られたわけである。それで、自分の研究も踏まえて色々案を出してはみたのだが、結局ほとんどがアメリカのパクリになってしまうのだよ。たいがいVoyagerかGalileoで既にされてる観測だったりして。やはりアメリカの宇宙開発は偉大すぎ。
※ その場の観測。探査機がいる場所の物理環境(プラズマ密度、温度、等)を直接測ること。ちなみに、これと対になる言葉として、リモセン(remote sensing)がある。要するに、私がやってるような、地上などから望遠鏡、アンテナなどで遠くの物理現象を観測すること。in situはリモセンに比べて、物理環境を直接、詳細に測れるという利点があるが、探査機が時々刻々宇宙空間を動いていくために、現象の空間変動と時間変動を分離することが根本的に不可能。リモセンはこの欠点を補える、というわけで、技術的、経済的、政治的(原子力エンジンを使えない、とか)その他諸々の理由で探査機をなかなか飛ばせない日本の惑星科学の研究者達は、この手のお題目を拠り所に予算をぶんどってくるのである。いやリモセンはリモセンでとても大切なんだけれども、発見の劇的さでいうと、やはりin situはひと味違う、金をかける甲斐があるという感じ。
某yami氏の日記の過去ログ見てたら思い出したんだが。コレ…もう既に予約済みですが、何か?
 とりあえず初回版の文字に釣られてみた。おまけがキャラクターグッズとか、そういうのなら通常版で結構だが、あのメーカーの作るゲームは裏設定とかやたらありそうなので、設定資料集は欲しいなあ。Amazonで28%引きだったし。ヨドバシのポイント込みで考えてもいい勝負の値引率ではないかと。定価\8,800は、あの業界では普通ではないかな。「月姫」の二千ン百円と比べるのはそもそも間違いというか。まあ、あの出来が維持されるのであれば、この程度は払っても惜しくはないが。
 まあ、そういうわけなんで、協力できるかもしれない(何を?)。
ちなみにこのソフト、Win2000での推奨環境がメモリ384MBなので、この際だから増設したろかな、と本気で考えていたりする(笑)。体験版を落としてやってみたんだが、どうもグラフィックのエフェクト処理がややもたつく感じ。CPUのパワーは足りているはずなので、たぶんメモリの問題だろう。…やっちゃいますか、この際。

2003.11.14(Fri)

なんか、この間飲みに行ったときに「是非書いてくれ」と言われたような気もするので、書く。ゼミの話。
 優秀な研究者のゼミ発表ってのは、例えるならば固いレンガのようなもので、多少突っ込み入れたくらいではびくともしない。ていうかそもそも突っ込む余地すらない。まあ実際にはそこまで完璧な発表はなかなか難しく、突っ込み入れられてもリカバリー可能な(=弾性で元の形に戻る)ゴム製のブロック、というのが現実的なところであろう。で、出来が悪くなると突っ込みに対してリカバリー不能な粘土のような感じになり、さらにショボくなると、突っ込みに対して容易に穴を空けられてしまう豆腐になってしまう。
 いや、豆腐は豆腐でいいんだ。形はできてるんだから。あとは固くしていけばいいわけだから。しかし、だがしかし。ペラペラの油揚げを見せられた日には、なあ。厚さのない物体に突っ込みを入れられますかあなた。突っ込んだところで、その下のまな板の感触(=同じ研究をする他の人からのフォロー)が返ってくるばかり。ていうかそのフォローって私がやってるんだけどな。
まあそういうわけだ。これで察してくれ
しかしまあ、内容が薄い割に発表時間がいつも2時間近くかかるんだよなあこの人。この辺はある意味才能だ。
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