一気呵成 (お侍 習作86)

        *お母様と一緒シリーズ…かな?
 


 申し分なく明るいそれであるのに、秋の陽はどこか玲瓏で儚くて。その有り様は、夜陰に降りそそぐ月光に似てもいて。照らしたものを明々と浮かび上がらせての目映いものの、それ自体は力を含まず、ただただ透き通っての素っ気なく。空の青にいや映える、木々の梢の彩り、赤やら黄やら欝金の錦をいよいよもって冴えさせて。少しずつ移りゆく季節と時の流れをば、ただただ黙って見送ってござるかのよう。


  「…っと。そう来るか。」


 そんな晩秋の静寂だが、ここ神無村では例年と違った趣き、息をひそめてのそれながら、力強い活気や闘志に満ちてもおり。その周縁を切り立った断崖に縁取られ、正しく“陸の孤島”という態であるのを生かしてのこと。武力支配をされたも同然の野伏せりには隠密裡、こそりと準備を進めているものが これありて。本来ならば進めねばならぬ、稲刈り・収穫も二の次としての、村を挙げての大仕事。毎年毎年、武力を笠に着、強襲を仕掛けて来ては、傍若無人にも作物を強奪してゆく、無頼も同然の野伏せりたちめを、今年こそは返り討ちにするべく。お力になって下さいと招いた侍たちの指示の下、決戦場となろう村を強固な守りで固めている最中であり。そして、士気を高めるためにと、農民たちもまた、造成作業の傍ら、弓を射る習練を積まされていて。物量・設備の充実のみならず、気合いの方も重々、研ぎ澄まされつつある今日この頃。

  ―― そんな中

 練達とされる腕のほどを見込まれ、どうかご助力をと請われたお侍様がたではあるけれど。今は…戦さに手慣れている点のほうを重視され、その準備や指導への統率を手際よく発揮することへと駆り出されておいで。あの大戦からはや十年。それでも鈍ることのない身体の切れや鋭い反射は、村までの道中でも遺憾なく発揮なされており、その手腕に問題はなし。よって、わざわざ彼ら自身の鍛練をしておく必要は、今更あるまいとされており。だというのに先程から、作業場とされた辺りからはちょいと離れた木立ちの中の、とある広場の只中にて。その練達の君たちが幾たりか、味方である同士で丁々発止の競り合いを勇ましくも展開中だったりし。

 「…っ。」

 ざっと、風を撒いて軽々と宙空へ飛び上がる、それは鮮やかな動作の鋭い切り返しに煽られて。長い裳裾がばっさと、力強くも打ち振られた軍旗の如く、木々の梢が間近い高みで大きくひるがえる。くるぶしまであろうかという長さの裾から膝上まで、深々と切れ込んだスリットから、自在に伸びるは すらり締まった御々脚で。痩躯の彼であり、身が軽いこともまた武器となっている双刀使い殿なれば。その身との均整の取れた長い脚もまた、がっつり筋骨がまといついてはなくての、細いめのそれであるけれど。これがなかなかしたたかなバネを備えていての、しかも蹴り出すコツのようなものをしっかり身につけてもいるらしく。ひゅっと風籟まとわせて、カカトじゃ爪先じゃが疾風
(はやて)のように飛んでくる威力は、なかなかどうして大したもので。片や、

 「ならばっ!」

 勿論のこと、圧倒されてのやられっぱなしではいないところが、こちら様もまた、百戦錬磨のその末に、あの大戦で生き残った剛の者。銀髪の壮年殿の側も、臨機応変への心得は豊富。横合いからの回り込み、こめかみ目がけて打って来た相手の足の甲、ぐっと握っての真っ直ぐ固めた手首を盾に、故意に受けるとその勢いを殺しての受け流し。しかもそのまま、手首を返すと、

 「…っ!」

 何と相手の足をそのまま捕まえてしまったから、
「おお、これはっ。」
 どうなることかという驚きの展開に、見物もまた自分の拳をいきおい握ってしまったほどだったが、
「…これで終しまいってことには、ならないのでしょうね、恐らく。」
「あ………。」
 いつの間にやら、新たに加わっていたらしき傍観者さんの、妙に座ったお声を耳にし。しまった〜という種の冷や汗が、こめかみ伝わって たらりと出たヘイハチ殿だったりする。

 「シ、シチさん、どうかこの仕儀、カンベエ殿へはご内聞に〜〜〜。」

 そもそもは、ゴロベエ殿がヘイハチへ、機巧躯である野伏せりらの身体的な弱点というところを訊いていたもの。例えば、鋼の躯は途轍もなく頑丈だろうし、侍の手による以外の打撃も刃もなかなか通じぬかもしれないが。ならば、関節を攻めるのはどうだろか。合気道などから生まれたもの、各種格闘技へ“サブミッション”として応用されているそれらは、人体の仕組みや重心などを知り尽くした上で、その弱点を巧みに突く代物。因って、並外れた膂力も体格も必要なく、

 『そうですね。
  確かに多勢に無勢というような戦いとなったれば、
  一体一体をいかに少ない手間で倒せるかも重要になって来ましょう。』

 そうと納得しての、ヘイハチが語ったのが、
『機巧躯も基本的なところは人間と同じです。』
 例えば、その関節にしても。多少は、無理と言いますか自在が利くような者もおりましょうが、そもそも一定の方向にしか曲がらないとか上がらないとかいう枠があるってことは、関節を曲げた上で、尚且つ、かなりの荷重にも耐え得るという利点あっての仕組みなのですよね。
『どの方向にでも自在に曲がるという関節部にすると、その分、重いものを支えることへの限度が生じる。』
 それを補おうとするならば、頑丈な資材を使うか駆動力を上げるか。どっちにしたって機体は重くなり、となると、体躯が大きくなりの、敏捷な動きが要求できなくなる…といった具合で、どこかしらにほころびが生まれます。
『痛いという感覚も、ゲインが低められてはおりましょうが、それでもね。痛覚ほど自己防御に最適な反射感覚はないですから。残してあるはずです。』
 痛いと感じるのは大切なこと。そこにのっぴきならぬ支障があることを知るための、一番判りやすい信号です。大きな怪我を放っておいたら失血死や何やにつながるのですし、戦い続けるにしても“思うように身体が連動しない、なんでだ?”なんてな事態に陥りかねない。
『人間の体は本当によく出来ているのです。』
 力と器用さ、思ったことを実行へ移す反射の素早さなめらかさ。この大きさの中に、これほどのあれこれがそれは精密に詰め込まれての、しかも絡まり合うことなく機能しているのって、実は物凄い奇跡なんですよね。
『機械での再現はまだまだ追っついてはいませんからね。』
『ということは。』
 はい、刃で突き通す以外に、村民の皆さんが会得なさろうとしている弓矢で、関節部を攻めるというのもいい着眼点だと思います、と。大きく頷いて見せ、
『ましてや、ゴロさんほどの体格があれば。大きめの甲足軽
(ミミズク)が相手でも、羽交い締めくらい軽々と出来そうですし。』
『うむ。組み手も得手ではあるな。』
 キクチヨにはさすがに敵わぬかも知れぬがと、豪快に笑ってののち。例えば、腕をこう取ってのこう回り込んでひしいだら? ああ、はい。そうされると、兎跳兎でも振り払いは出来なくなりますね。あやつは脚こそ収納出来るほど深々と畳めますが、腕の関節は刀を振るう仕様になっている関係で人と同じです。なので、この辺りの継ぎ目をどんと押してやれば…などと。最小限の動作で搦め捕る技の話なぞ、進めていたところへと。何を取っ組み合っておるかと関心を招きでもしたものか、通りかかったのが金髪紅衣のお仲間さんであり。

 『やや、キュウゾウ殿には必要のない話。』
 『さようさ。そなたには必殺の双刀さばきがあろう。』

 刀であの かまいたちのような自在な切れ味を駆使出来る存在には、敢えて組み手格闘が必要とも思えぬと、苦笑を見せた大柄屈強な銀髪の壮年殿の視野の中、
『…お?』
 ふっと一瞬、その姿をかき消したキュウゾウが、次の瞬間には ぶんと、長い御々脚を旋回させての、二人へ躍りかかって来ていたりしたものだから。
『おおっ。』
 しまった怒らせたかなと、ひゃっと首を竦めたのがヘイハチならば、
『なんのっ。』
 繰り出したその脚の膝、微かにゆるめていたのは、そこからの瞬発で二段目の加速をつけて、爪先を見失わさせるつもりだったか。そこまでを瞬視で見極めていたゴロベエ殿、繰り出された足の甲、こちらから迎えに行く格好にて、加速がかかる前に はっしと掴んでしまわれて。さすがは武芸に練れておわせばこその、すみやか且つ変則的な対応。それへは、
『…っ。』
 今度はキュウゾウの方が、意外に感じてか むむっとその表情を微かに堅くし。やはり肘をたわませての、手刀と肘撃ちの二段攻撃、風をも斬らんという加速に乗せて繰り出して来たのをゴロベエ殿が大きく避けての、それから始まってしまったのがこの組み手とあって。

 「何も本気での格闘じゃあないのです。」
 「それは存じておりますよ。」

 喧嘩ではないのでどうかご内聞にと、まるで拝むように胸の前で合わせた双手を擦るヘイハチへ。シチロージがくすすと微笑い、告げ口なんてしませんからと、二つ返事で応じて見せて。

 「それにしても、あ…。」

 あの態勢で捕まっては、とりあえずこのシークエンスは相手の手の内へ収まってキリとするしかないのではと。まだ終わりそうにはないというよな言いようをした割に、ではどうするのかという打開策までは思いもつかなかったシチロージが、意表をつかれて短い声を上げてしまう。それもそのはず、大きな強い手で足首近くを掴まれたキュウゾウが、選りにも選ってその脚へバネを溜めたいかのように、膝をぐんと折って見せたのだ。
「物凄いバランスですよね、あれ。」
「ええ。」
 地面へ立っての垂直に身を屈めているのとは状況が違い過ぎるというもので。しかも、それと同時にもう片方の脚を、こちらはぐんと伸ばした彼だったので。自分の足を捕まえた、相手の腕を伝ってそのまま伸ばしてゆけば。腕の付け根、しいては頭部へと踵が至るだろう攻勢であり。

 「おっと。」

 ゴロベエ自身へは、お顔の前へキュウゾウが背に負うた赤鞘の端、双刀のうちの1本の柄が迫って来たことが先触れとなったようなもの。目や鼻、こめかみ眉間に喉仏。急所や痛覚の鋭い箇所だらけの顔を、踵でがんと狙われたらコトだし。首を縮めたところをやり過ごしての、一旦回り込ませた爪先で、後頭部を狙われてもこれは堪らんと。そこは判断の早いゴロベエ殿、

 「いや参った。降参だ。」

 慌てて声を立て、残りの手で顔を大雑把に覆えば。力を緩めた手から…片手で十分指が回ったほどだった細さの御々脚が、するり逃げての離れてゆき。互いの得物、刀身二振りほどの間合いだろう、やや離れた辺りへとキュウゾウがふわり着地する。
「…さすが、見事なもんですねぇ。」
 くどいようだが、彼ほど身の軽い巧者なら何とか脱すだろうとは思ったものの、まさかにあんなアクロバティックな早業を展開しようとは思わなかったシチロージ。それへ襲われたゴロベエ以上に唖然とする。その身が宙空にあっての、水平方向になっている時に脚を掴まれたら。そこだけで総身を支えるなぞと、覚悟をしてのその上で、相手との呼吸を合わせてでもないと、到底無理な相談ではなかろうか。脚をひねるか折られるか、大力の相手であったなら ぶんと振り回されて無残にも叩き落とされるのがオチ。だってのに、彼は。自身の全身の均衡というものを把握した上で、重心や力加減の調節を瞬時にこなし、その上で、至近に寄れた格好の相手への攻勢をと、積極的に畳み掛けたのであって。
“自分の現状ってものを、どんな状況下でも正確に冷静に把握し、その上で、思うままに全身の各所を制御・連動させられる。”
 口で言うのは容易いが、
“実際、あんな態勢で掴まったなら、アタシだったら相手を引っ掻いて辟易させて逃げるってのが関の山でしょうよね。”
 まずはハッとして思考が止まるだろうしと、無難なところを思っていれば、

 「空艇部隊の、しかも斬艦刀乗りだったお人は、
  皆さん ああまで、三次元バランスに優れているものなのですか?」

 やはり空艇部隊所属ではあったけれど、工兵の身、整備班員だったヘイハチが、傍らのエキスパートさんへとこそり訊いてきたものだから、
「さて。」
 訊かれた槍使い殿としては、生身の方の手、人差し指で、頬をほりほりと掻いての苦笑いを零すしかなかったりし。そんな二人が見やっていた先では、
「いやはや、大した腕だ。」
 キュウゾウどのには体術は関係がないなぞと不遜な言いようをして済まなんだ、と。銀髪を木洩れ陽に光らせて、ゴロベエ殿が清々しくも笑っておいで。それと向かい合う、うら若き双刀使い殿はと言えば、
「…。」
 特に感慨もないものか、相変わらずの無表情でおわしたが、

  「…じゃあ、次はアタシがお相手願いましょうか。」

 そんなお声が掛かったのへは、
「…っ!」
 今度ばかりは あからさまに、表情が弾かれてのハッとして。赤い双眸が大きく見開かれる。途中からとはいえ、此処においでだったおっ母様だというのへは、さすがに気づいていたキュウゾウであったらしかったが、まさかにそんなことを言い出されようとは、

 “私らだって思ってもみませんよ。”

 日頃の彼らの睦まじさをようよう知っている。この、無愛想で表情薄い、寡黙が過ぎて恐持てさえする剣豪殿が。そんなお顔を微かながらでもほころばせ、ああこんなに玲瓏な容姿をなさってたんだったと思い出させてくれよう、唯一のお相手。水の垂れるようなとは正にこのこと。つややかな金髪にやわらかそうな白い肌と、それらによく映える水色の瞳をし。瑞々しいまでに麗しい、端正に整っての嫋
(たお)やかな造作の細おもてを頬笑ませての、それは優しい笑顔には、さしもの冷徹な練達でも、到底太刀打ち出来ぬものなのか。陽だまりの中、お膝とお膝を突き合わせ、いづれが春蘭秋菊か、美人二人が語らい合ってなさる風景なぞ見かければ、寿命が延びるような気さえするとまで噂されてるお二人なだけに。そんな彼らで、先程までのゴロベエ殿との格闘もどきよろしく、組み手を演じようだなどと言われても。

 「〜〜〜。」

 自分の得物である槍は、赤鞘のまま傍らの木の幹へと立て掛けて。さあさ始めましょうかと、足元に降り積もっている落ち葉の絨毯をわしわしと踏み分けての進み出たシチロージとは…実に対照的。両の腕をぶらんと所在なげに垂らしたまま、どうしたものかと…助けを求めてでもいるかのように、あちこちへ視線を泳がせているキュウゾウだったりし。

 「行きますよ。」
 「〜〜〜っっ。」

 駆け出すときのように、ざっと蹴り脚を引いたそのまま。それは判りやすくも真っ直ぐに、たんと踏み出しの、相手へと突っ込んでゆく長身が、足元の枯れ葉を蹴立てて向かって来るのへ、
「…っ。」
 咄嗟の対応、いやさ反射だろう。双腕を懐ろに交差させ、キュウゾウはあからさまな防御態勢を取っている。そこへと繰り出されたのは、風を撒いての勢いも鋭い、右腕からの真っ直ぐな正拳一閃。
「わっ。」
 思わずの声を洩らしたのはヘイハチで。
「さすがに加減はしたらしかったが。」
 落ち着いた言いようをなさったは、彼と入れ違いのようにこちらへ戻って来たゴロベエ殿。
“しかも…。”
 防御の盾を構えるのを見越しての、故意にそこへと目がけた一撃であり。いかにも習練の一環という、そんな当て合いを構えておいでの槍使い殿だというのが、傍目からでもありありと判った。と言っても、半端な代物ではないのは変わりなく、息をもつかさず、続いての連打が繰り出されている。拳は解いたがその代わり、指の付け根や掌の底を心持ち突き出しての“掌打”にて、まずは交差されている腕を左右それぞれに弾いての開かせた手際も間のいいお見事な手筈なら。淡い紫の羽織の裾が舞うようにひるがえり、いかに鮮やかで切れのある所作であるかを物語っており、

 “さて。キュウゾウ殿はどう出るか。”

 ここまでを抵抗のないまま受け流したからには、意表を衝いての何かしら、梢の先まで助走もなくの翔け上がって身を躱すとか、シチロージの隙を衝き、足払いでも仕掛けるとか。何かしらの軽快な反撃が出るものと思い…きや。

 「〜〜〜〜〜〜〜〜。」

 弾き飛ばされた腕を戻すでもなくの、ぎゅうと眸を瞑ったまま、その身を縮めているばかりの彼ではなかろうか。
「…キュウゾウ殿?」
 これには、対戦している当事者のシチロージまでもが呆気に取られてしまい。しかもしかも、
「〜〜〜。」
 そぉっと見開かれた瞳の中、赤い虹彩が滲み出しそうなほどもの潤みを帯びていての、敢えて言うなら“ごめんなさい”と言わんばかりな、そりゃあ心細そうなお顔をされたりした日にゃあ。

 「じゃあシチさん、あとはよろしく。」
 「そんなぁ〜。」

 こそそと寄って来ての耳元へと手のひらでもっともらしく衝立をし、そんな一言のみを言い置いて。たったかとっとと逃げ出したヘイハチやゴロベエへ、待ってと延ばしかかった手が空しい。そのままそろり、怖いものでも見るかのように、元の位置へと視線を戻せば、
「…う。」
 こんな時だってのに何を物騒なことしてますかと怒っての、罰を下したおっ母様だとでも思った彼なのだろか。お仕置きに叩かれてしまったとでも感じたか、すっかりとしょげてしまったそのまま、背を預けていた木の幹に得物の赤鞘を擦りつける格好でのずるずるずると。そのまま根元まで、身を落としての座り込んでしまう次男坊だったりし。

 「…キュウゾウ殿。」

 そこまでの大ごとだったのかと思うと、それはそれでシチロージへも堪えるものが無くもない。この、他へは全く人慣れぬ青年が、自分へだけはそれはそれは慕って懐いてくれているというのは重々判っていたけれど、
“それとこれとは話が別じゃあなかろうか。”
 それに、

 “あのまま、血気盛んになって、
  カンベエ様に斬りかかられでもしたら大変でしたし。”

 そういや、いつぞやにはいきなりの唐突に、それは鮮やかで物騒な切り結びを演じて下さったこともあったお二方であり。(『
草 籟』参照)あれを思い出してのつい。水を差してクールダウンをと、思ってしまったおっ母様。だがだが、こうまでのこんな反応が出ようとは。正しくこれは想定外。
「…。」
 枯れ葉の絨毯の上へと座り込み、ちょっぴり項垂れての俯いたまま、じりとも動かない彼へ。その傍らまでへと歩み寄ったシチロージは、
「…えっと。」
 少々戸惑いはしたものの、思い切って…肝心なところを訊いてみる。

 「キュウゾウ殿は、アタシが相手じゃあ立ち合おうって気持ちが起きませんか?」
 「…。」

 直前まではゴロベエ殿と、結構過激に立ち合っておいでだったのに。アタシじゃあガス抜きの相手にもなりませんかと尋ねれば。返答はなかったが、
「…。」
 淡い金色の綿毛の下、透ける目許が小さく瞬き、視線を更に逸らす素振りを示したことが、正直なところという答えの代わりではなかろうか。恐らくは彼自身もまた、そんな自分だったことを思い知らされ、そして…心から驚嘆したに違いない。味方が相手の組み手だったのだし、そこは練達の君なのだから、やりようは幾らでもあったはず。なのに…出来るだけ痛くはない一撃で、へたり込ませての終しまいと済ますでなく、そうかと言って逃げ出すでなく。まったくの恐慌状態、どうしたらいいのという戸惑い顔でいた彼だったと、立ち合いの途中からありあり判っていたシチロージだったりするのがまた、

 “あんまり嬉しいことじゃないですってば。”

 ゴロさんもヘイさんも、そこまで見抜いていての押しつけでしょうしねと。コトの発端のお二人を恨めしげに思い浮かべつつ、

 “…どっちにしたって、大人の勝手な事情ですよね。”

 カツシロウほどではないにせよ、この青年は自分らよりずんと年若には違いなく。しかも…もしかするとカツシロウよりも世間が狭いかも知れなくて。そんな彼だと薄々気づいておりながら、だってのに勝手に振り回していいはずはなく。意気を沈め過ぎてしまった次男坊には、是非とも浮かび上がっていただかねばならない。そこで、

 「ねえ、キュウゾウ殿。それじゃあこうしましょう。」

 お膝に手を置き、次男坊を覗き込むようにしていたシチロージ。その身を起こすと周囲をキョロキョロと見回し始めて、
「ああ、あったあった。」
 そうと言ってそこから離れると、ひょいと手にしたのが、数本ずつを細い縄で束ねての、まとめられてあった長いめの棒の束。どれも妙に手ずれのした円筒状のものばかりであり、こうまで長さも形も揃ったもの、どうしてこんなところに打ち捨てられてあったのかと、顔を上げたキュウゾウがキョトンとして眺めやっておれば、
「作業場で鋼板やボルトを鋳造するためにって、ぎりぎり必要なのを残して出してもらった、鍬や鋤なんかの柄なんです。」
 それぞれがよくよく使い込まれていただろう農具の、鉄の部分だけが必要だったので、残った柄はこうやって捨て置かれていた訳で。それを拾いあげたシチロージ、中から適当なのを ぐいっと1本抜き取ると、
「アタシは槍の1本でよし、と。」
 確認するようにそうと言い、残りの束をほれと差し出す。
「キュウゾウ殿は二刀流だから2本、お取りなさい。」
「…?」
 これで何を始めるのかと、まだ飲み込めぬか、腕こそ延べたが依然として怪訝そうなお顔のキュウゾウへ、
「重さや長さはさすがに常の得物とは異なりますが、そこはお互い様だ、我慢し合いましょう。」
 目許をきゅうと細めての、それは嫋やかに微笑ったそのまま、

 「素手空手の相手を直接叩くのじゃなく。
  構えた刀や槍を目がけ、叩いて躱したり弾き飛ばすという立ち合いなら、
  アタシが相手でも出来ますよね?」
 「…あ。」

 結構過激な言いようだってのに、

 「…。」

 こくりと深く。今度こそ、しっかと意志を据わらせたその表情が定まっての、頷き一つにて応じたキュウゾウ。そのまま立ち上がると、言われた通り、束の中から同じくらいの太さ長さの2本を引き出し。残りは背後へ向けて、見もせずに放り捨て。左右それぞれの手へ長柄を握っての身構える。一応は、軸足だからか左足を引いた構えであり、左利きの彼だからと思えば定型ではあるが。

 “刀さばきは どちらが主でも添えでもない、左右等しい両手利き、でしたよね。”

 彼の刀さばきと身ごなしは、荒野での乱戦や山越えの道中にて遭遇した哨戒中の野伏せりによる強襲の場で、シチロージも間近にて拝見しており、
“カンベエ様が見込まれただけはある。”
 決して奇を衒った、若しくは“付け焼き刃”な剣じゃない。それしか要らぬと、他を何もかも削ぎ落とし、自ら鋭く特化させたそれだからこそ、この若さで…一種“老獪”に通じるほどの柔軟自在な太刀筋を会得出来た彼だと判る。戦さが生んだ、奇矯な存在。よくもあれからの長きを…戦さも真剣な立ち合いもない世情の中、息を詰まらせることなく生きて来れたものだ。人斬りの道具にすぎない刀と違って、生身のお人。だのに、彼の中にはまだ、戦さの匂いが、血の匂いのする風が、渺々と吹き荒れている。

 “凝
(こご)ってしまう すんでのところで、カンベエ様が起こしてしまった?”

 だったらそれは…大きに罪なことかも知れず。野伏せりとの戦さが終われば、あらためて決着をつけようぞとしたという彼らの約束も、ある意味 道理なのだなと、今更ながらに痛感する。起こした以上は けじめをつけねばということか。山師のような振る舞いも多いとキクチヨ辺りが詰
(なじ)っていたが、どうしてどうして、不器用なくらいに馬鹿正直で誠実じゃあないですかと。今更ながら、御主の心根の温かなところを思い返しておれば、

 「…島田は狡い。」
 「はい?」

 ちょうど同じ人物へ、彼もまた想いが至っていたものか。そんな言いようをして下さって。そのココロは、

 「大戦中、ずっとシチがいた。」

 日頃の補佐ぶりから、戦さ場、修羅場に於いてのカンベエとの連携までもが、ありありと判る彼なのだろう。普段から行儀がよくての舞うような所作を忘れぬ古女房なのは、気取ってのことじゃあなく、それだけ無駄の挟まらぬ、洗練された立ち居振る舞いをこなせるということ。槍を振るえばこれまた手ごわく、きっと若かりし頃は、もちっと拙い腕のうちからも懸命必死で尋を押し延ばしての、鬼のような働きで御主の背中を堅守したに違いない。そんな彼だったのであろうというのが、キュウゾウにはよくよく見通せており。そして、それが…羨ましいということだろか。話しかけることでこちらの集中を途切らせようとしているのかと、一応の警戒もしつつ、

 「カンベエ様はお強い方です。アタシなんぞ、大した護りは出来ませなんだ。」

 顎を引いたは視野を安定させるため。軸足を引いての斜め半身の構え。手と手の間に差し渡すように構えていた長柄を、綺麗な白い手で軽くしごいてから、左手の掌で体の前になっている側だけとんと叩いて。穂先に見立てた片方の先を跳ね上げるとそのまま、右手を支点に、くるん、きれいな円を描いての回してから、それを加速に最初の一撃。大きく踏み出しがてら、ぶんっと振り下ろせば、
「…っ。」
 今度はうろたえることもなくの冷静に、無駄のない ほんの小さな所作で僅かほど後ろへと身を引いたキュウゾウであり。それへと乗せて、

 「嘘だっ。」
 「は?」

 一歩引いたそのままもう半歩ほど、引いたと見せて実際は身を軽く屈めただけ。足首のバネだけだろう、だのに全身がふわっと浮いてのなめらかに。こちらの懐ろを目がけ、一直線に突っ込んでくる。左手の長柄を楯のつもりか横に渡しての前へ押し出し、突き出されていたシチロージの得物の穂先を堅い音と共に横へと薙ぐと、その向こうで既にしなやかな腕が上がっており。それを見極めるために顎を上げるのももどかしいと、シチロージはそのまま長柄の間合いから外へ、大きく飛びのいてそれを避けた。振り下ろされた切っ先が中途で止まらなかったのは、シチロージの動きを読めなかったからじゃあなく、振り抜いた先で次の動線へ乗せたほうが負荷が小さいと見切ったから。ああこれは、今度こそ…おっ母様が相手でも斟酌しない、そんな“戦闘態勢”に入っている彼だなと、シチロージの側でも確信しつつ、

 「嘘ってのは何ですよ。」
 「それだけじゃあないからだ。」

 気を絞っているせいだろう、唸る寸前のようなほど、うんと低められた声が返って来。楯にとかざしていた方の長柄が、身を躱したシチロージのぎりぎり鼻先を横薙ぎに翔ってゆく。そうやっての力の放出に乗せての声が、投げつけるような強さで放たれて。

 「こんな手ごたえ、ずっと独り占めにっ。」
 「あ…。」

 言葉足らずは相変わらずだが、何を言いたいキュウゾウなのかは、シチロージにもすぐさま判った。強い者として、腕っ節のほどやら気概やらを認めた相手が、常にすぐ傍らにいることの効用を言っている彼だと気がついた。こんな風に向かい合っての直接立ち合わずとも、互いの力というものを肌で知り肌で感じておれば、負けるものかという心地の良い緊張感を常に味わえると。そんな存在があれば、たとえ見栄でも張りが出来、自己の心が挫けることはなくなろうと、

 “まさかに そこまでを思っておいでってこともないのでしょうが。”

 彼はあくまでも孤高の剣豪。強いものが現れれば、斬り伏せたいという唯一の欲求からその身が震え。それのみを糧に自己を研磨し、無駄なもの、総て削ぎ落として来たのだろう、そんなキュウゾウが。ほんの何合か切り結んだだけのカンベエについて来たのは、彼を真の練達と認めたからだろが、

 “今、それを実感なさっているところなのかも?”

 同志だとか仲間だとかいう意識はまだないにせよ、半端じゃあない顔触れが集う中にあることの心地の良い緊張感や充実に、何とはなく気づき始めているのかも? たった一人でしゃにむに生きたあの大戦や、いきなり翼をもがれ、地上に降ろされたその後の停滞。どちらも“誰ぞか”を視野に入れることもなく、自分とさえ向き合わぬままでいた彼だったのだとしたら。そして、今現在の境遇、悪くはないと馴染んでいればこそ、ずっとこっちが当たり前だった、しかも大好きなシチロージが常に傍らにいたカンベエのことを、詰
(なじ)っての曰く、

 “狡い…ですか。”

 まるで子供のような言い回しだが、彼が感情的な言いようをすること自体が滅多にはないこと。それが、それ自体がじわじわと擽ったくて。だが、

 「哈っ!」

 自分から誘った以上、中途半端な立ち合いでお茶を濁すつもりもないシチロージ。槍代わりの長柄を振るう俊敏さは、きっと大戦の頃のそれから少しも損なわれていないのだろうことを偲ばせてならず。上背があるだけに、長い腕が引き締まった脚が、切れの良い所作・動作に乗って鮮やかに躍る態は、ただただ鋭にして華麗。キュウゾウからの鋭くも気合いの乗った双刀での攻勢を、周囲の立ち木や茂みを盾に躱したり避けたりするばかりではなくて、

 「そらっ。」

 僅かな隙をこじ開けての形勢逆転、鋭角な攻撃がそのまま連綿と続いて、今度はキュウゾウを追い上げる。槍は、その間合いに入られると途端に不利になる、大味な武器だと思われがちだが さにあらん。その長い柄だって…棹も鐺
(こじり)もフルに活かせば、攻防一体をこなすための万能性を余裕で発揮する優れもの。優美にして、だが、重々凶暴な切っ先が、容赦なく間合いへと飛び込んで来ては、危ういところで躱して避けて。何のと踏ん張った足が、軽やかに踏み替えられての、今度はこちらからの攻勢のバネへと転じて。拮抗した攻防がどのくらい続いたものか、

 「…っ。と。」

 キュウゾウが繰り出した長柄の切っ先から、どんと、強い圧が放たれて。その直前の薙ぎ払いをこの方向へ避けたことで、体さばきの先、退路を封じられていたことに、今 気づく。避けられないと悟ると、歯を食いしばっての身構え、体の前面を叩いた圧に押されるままになるシチロージであり。無理から抗っては怪我をしかねなかったし、その先へと対峙もまた続きそうだったので。押されたその先、自分よりも頑丈そうな立ち木があったのへ背中が当たったそのまま身を任せ、自分を押さえ込みかけていた剣圧がやっと収まった間合いにて、

 「参りました。」

 からりとその手から、自分の得物だった長柄を落として見せた。追撃に入りかけていたキュウゾウも、その堅い音を拾ってハッと我に返ったらしく。
「…。」
 少しばかり屈めていた総身から闘気をゆるめ、加速に乗せんとしかかっていた肩や背を静かに起こした。そして、

 「すまぬ。」

 固い声にて謝辞を告げた。シチロージもまた侍なのだと、あらためての気がついたのがついさっき。自分へと向けて繰り出された鮮烈な攻勢に嘘はなく、だのに、手をかけられぬ相手だと最初の立ち合いのほうで腕が縮んだ自分は、どれほどのこと彼を侮辱したことになるのだろか。普段、それはやさしくも甘やかに接してもらっていて、それへといかに飲まれていたか。そんな自分の至らなさ、思い知らされての少々反省した彼でもあるのだろうけれど、

 「いいんですよ、そんな。」

 やはり目許を細めて“くすす”と微笑ったおっ母様。ああ、そんなお顔をしないでと、思った途端に もう足が動き出していて。そんなキュウゾウへ、シチロージの側からも、双腕を軽く広げると おいでと受け止めて下さる寛容さが相変わらず。何事もなかったかのように、風がそよいで梢がざわめく。ちょっぴり小汗をかいたからだろか、いつもより甘い香が強いよな気がするおっ母様の懐ろは。猛禽もかくやと獰猛なお顔をしていた練達の剣豪を、たちまちにして心細げな仔猫のように戻しての、そぉっとくるみ込んで下さって。

 「やっぱりお強い。」
 「…。/////////

 それが自分の誇りであるかのように、嬉しいと微笑って下さる優しいお人。そして、

 「アタシが傍らにあったことが、カンベエ様の損か得かは存じませぬが、
  私の方は確かに、倖いなことでしたかね。」

 確かに先程、立ち合いの最中だってのにそんなやりとりをしはしたが、こんな時に此処にいない人の惚気ですかと、怪訝そうにお顔を上げたキュウゾウへ、

 「だって、あのお方は人の才を見抜く天才だ。
  しかも…御存知でしょう?
  妙に人をしゃにむにさせることへも長けておいでで。」

 そうと続けられ、言われてみれば…と思い当たるのが、依怙地になってか此処までついて来てしまった、他ならぬ自分自身。

 「上手に煽ってのことなのか、それとも意図はなくての無自覚のまま、
  人を片っ端から誑
(たぶらか)してしまわれる“性”をお持ちの方なのか。」

 お陰様であの大戦の終盤あたり、ただでさえ壮絶な様相を呈していた中にあって。
「練達相手の、しかも見逃してはもらえぬ修羅場というやつには、日々困りませなんだものですよ。」
 くすくすと微笑っての余りなお言いよう。でも…どうしてだろか、先程の言いようが惚気に聞こえなくもなかったように、このあんまりな評価もまた、悪しざまなそれには聞こえない。苦笑に震えるおっ母様の胸元へと頬を寄せたまま、次男坊が“おややぁ?”と小首を傾げていると、

  「黙って聞いておれば、そこまで言いおるか。」

 心地よい響きのそんなお声が、唐突な間合いにての背後から、こちらへ向けて放られたから。え?え?と、半ばギョッとしつつ、キュウゾウが肩越しにそちらを見やれば。褪めた白の羽織に衣紋、着古した砂防服姿も相変わらずの、蓬髪の壮年殿ご本人が、茂みを越えての出て来られるではないか。

 「…しまだ。」

 思わぬ人物が突然現れたことへ、驚きが過ぎての反応さえ見せぬキュウゾウに成り代わり、
「お叱りですか?」
 作業をサボっての、こんなところで油を売ってましたしと。やはり くすすと微笑ったシチロージが、それへと続けて紡いだのが、

 「私闘もどきの立ち合い、繰り広げていたのもご覧になっておいでだったし。」
 「…え?」

 いくらシチロージへと集中していたとはいえ、こうまでの間近にいた存在、しかもこの重厚な押し出しの壮年殿に、この自分が気づかなかったとはと。それだけでも口惜しいところへ、
「〜〜〜。」
 さりげなくも通りかかった身だったのだろうに、この場を覗くにあたっては しっかり気配を消していた彼でもあろうと思いが至り、

 「まあ、偶
(たま)には良かろう。」

 男臭さの滲む、いかにも精悍な苦笑を浮かべもっての、温情かけて下さったのがキュウゾウには無性に腹立たしかったものの。おっ母様の温かな手が、宥めるように髪を肩を撫でて下さったので。まあいっかと許して差し上げる、こちらもなかなかに“唯我独尊”が正されぬ、妙なところだけ父上に似た次男坊なようで。


  ―― ところで、練達相手の修羅場には困らなかったと申しておったが。
      はい?
      それをことごとく薙ぎ倒した以上、自慢にしか聞こえぬぞ。
      あ、そうなりますかねぇvv


 手近の幹に凭れさせてあった槍の赤鞘に気づき、それを手づから渡して下さるカンベエ様へ。どうもとにっこり会釈を返した古女房の白いお顔に、金色を含んだ晩秋の陽射しが、淡いヴェールをかける。秋の残りもあと僅か。そして、彼らに残された時間も恐らくはあと僅か。そこまで来たっているのだろう野伏せり相手、死闘の幕が今にも切って落とされようとしており。先のことを考えるのは得意じゃあないが、出来ることなら無事に乗り越えて、この青年との約束も果たしてやらねばと。壮年殿が我知らず目許を細めた、とある秋の日の昼下がり。どこかの梢で幼いヒタキが短く鳴いての飛び立った気配がし、引っ掻くような余韻がやけに、耳に残った彼らであった。






  〜Fine〜  07.11.08.〜11.09.


  *サブタイトルがないのは久々ではなかろうか…と思って書き始めたのですが、
   結果はお見事な玉砕でしたね。
(苦笑)
   しいて言や、拙作『
草 籟』『疾風怒涛』の続編ということで。
   あと、長柄というとそのまま“槍”のことでもあるのですが、
   今回のはまんま“長い柄”という意味合いで使わせていただきました。

  *いつぞや、拍手にて、
   “キュウはシチさんのことで勘兵衛様に当たっても良いんじゃないか”
   というお言葉を頂いたことがあったのを思い出しまして。
   八つ当たりものを先に書いたことがない訳じゃあないのですが、
   もうちょっと かっきりくっきりしたものを書きたくなりまして。
   きっとキュウ本人も、
   これが焼き餅や八つ当たりだってことまでは判ってないのだと思われ。
   そう思えば可愛いむずがりのようなもの、
   おっ母様も勘兵衛様も可愛いもんだで済まされることでしょう。
   …こんなおっかないお人であっても。
(う〜ん)

   さて、ここで問題です。
   彼らの中で、一番の天然さんは どなたでしょうか。
(こらこら)

めるふぉvv めるふぉ 置きましたvv **

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