1943年 新潟県生まれ
大工の家庭に育ち、15歳で上京、建具屋に弟子入り
1982年 独立「建松」設立
江戸川区伝統工芸会会員
1989年 江戸川区伝統工芸展にて区長賞受賞
1991年 江戸川区伝統工芸展にて教育委員会賞受賞
1996年 江戸川区伝統工芸展にて教育委員会賞受賞
2006年 江戸川区指定無形文化財認定
2009年 江戸川区伝統工芸展にて教育委員会賞受賞
2019年 東京都優秀技能者(東京マイスター)認定
2020年 江戸川区文化功績賞受賞
平安末期に生まれた襖や障子などのいわゆる日本建築の建具。
室町時代以降、書院造りの確立とともに建具はさらに発展し、特に障子の桟に細かな細工を加えていく過程で、組子工芸は誕生し、発展していったものと考えられています。細かく削った木片を組み合わせ、様々な模様の細工ものをつくる、日本建築ならではの装飾法です。
外枠の中に、細い桟を交差させて、菱形や正六角形が連続するように組み、その隙間ひとつひとつに、小さな木の部材を手作業で組み込んで、様々な模様を組んでいく・・・くぎは、いっさい使いません。細工の技術はもとより、その製作過程は緻密さや根気を要し、木の性質なども熟知していなければならず、建具職人の最高の技と言われています。
材料には、日本三大銘木と言われる木曾檜、秋田杉、青森ひばを主に、屋久杉や神代杉などを用いています。そして、細かな細工には、お刺身材と言われるやわらかく良質な部分を使います。
本来、欄間や障子などの建具の装飾に使われた組子工芸ですが、近年では、伝統をより身近に感じて欲しいという気持ちから、屏風や行燈、アクセサリーなど、伝統を活かした新しい製品づくりに取り組んでいます。
手づくりにこだわる職人の“手”から生み出される作品には、清らかな木の香りや滑らかな木肌、細かな木片による精緻な文様など、木の魅力があふれています。
組子工芸の魅力といえば、やはり細かな木片から織り成される様々な模様の美しさ。わずかな狂いも許さない精巧さは圧巻です。また、木片いわば直線を組み合わせてできるこの幾何学的な模様は、桜や桔梗、雪の結晶、七宝、亀甲など、さまざまな形や意味を表しています。模様ひとつにも、先人たちの知恵や工夫、願いがこめられています。そして、その思いは、技とともに、職人たちの手によって受け継がれてきたものなのです。
(上写真・障子:上から、二重麻ノ葉、桜亀甲、桔梗亀甲)
(下写真・タペストリー:投げ網‥網は運も福もとりこむといって、商家に好まれた。)
1972年 東京都生まれ
1994年 東海大学工学部建築学科卒
1994年 都市計画コンサルタント会社に就職
1998年 家業を継ぐため退職、父のもとで修行
一級建築士・江戸川区伝統工芸会会員
2007年 江戸川区伝統工芸展にて技能賞受賞
2008年 江戸川区伝統工芸展にて教育委員会賞受賞
2015年 江戸川区伝統工芸展にて教育委員会賞受賞
2019年 江戸川区伝統工芸展にて区長賞受賞
2023年 江戸川区伝統工芸展にて技能賞受賞